功夫電影専科

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『伊賀忍法帖』

2007-12-12 23:25:17 | 千葉真一とJAC
「伊賀忍法帖」
Ninja Wars
1982

●本作は『魔界転生』に続いてJACが挑んだ山田風太郎原作の伝奇アクションだ。しかしその内容は闇鍋状態もいいところで、気色悪い演出の数々やメチャクチャなストーリー、そして投げっぱなしで終わるオチでバカ映画扱いされている作品でもある。
主人公の忍者・真田広之は、遊女だった渡辺典子(篝火)と愛し合っていた。しかし、そこに渡辺典子(右京太夫)を我が物にせんとする中尾彬の放った成田三樹夫配下の刺客が現れ、渡辺は捕らえられてしまう。
渡辺は辱めを受けるのならと自害し果てるが、ストロング金剛らの奇怪な妖術によって首をすげ替えられ、渡辺典子(鬼火)として再生する。真田は中尾の陰謀を阻止すべく行動を開始するが、その課程で彼は渡辺(篝火)そっくりな渡辺(右京太夫)と出会うのだった…。

本作が失敗してしまった原因は二つある。
ひとつは作品の方向性だ。本作ではJAC作品にしては珍しくワイヤーアクションを主体に私用しているのだが、特にこれといった格闘アクションは無い。作品のメインとなる刺客たちも佐藤餓次郎などの地味な連中ばかりで、真田とのそれぞれの対決もすぐに決してしまったりと味気のないものばかりである。
それでは原作通りに忠実に再現したのかと言えば、これがかなり微妙なのだ。刺客の能力が違ってたり、2人ほど敵が省かれていたり、篝火と右京太夫が姉妹であるというオリジナル設定など、いくつか相違点が存在する。ストーリーは中途半端にオミットされ、格闘アクションもあまり無いというどっちつかずな内容がこの作品の悪い所だ。
しかし、原作を再現し切れていないという点では『魔界転生』も同じである。では、『魔界転生』と『伊賀忍法帖』の差異とは?実は、それが本作の失敗した二つ目の原因でもある。
『魔界転生』は沢田研二を筆頭に、若山富三郎や緒形拳らの異様な迫力に満ちた演技が特筆だった。特に沢田研二演ずる天草四郎の妖しさたるや、のちの二次創作などにも大きな影響を及ぼすほどのものだった(原作既読の人には周知の事だが、天草四郎は原作ではあまり大きな役ではない)。
ところが、この『伊賀忍法帖』にはあまり印象に残る役は無く、気持ち悪い妖術や炎上する大仏殿ぐらいしか見どころはなかった。真田らが悪いというわけではないのだが、本作には『魔界転生』には存在していた禍々しいオーラが欠如していたのだ。これこそが本作の失敗したもう一つの原因であり、その禍々しさを再び醸し出そうとあれこれやった結果が、あの気持ち悪い演出の数々だったのだ。
失敗作であることに反論の出来ない作品だが、ところでジャッキーはどこにいたっけ……?
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