功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

マーシャルアーツ映画特集・その9『ドラッグマスター』

2007-05-30 23:54:46 | マーシャルアーツ映画:中(1)
「ドラッグマスター」
WHITE TIGER
1996

●かつて実写版『北斗の拳』でケンシロウに扮した男がいた。その映画は散々な出来映えで、原作ファンからは煙たがられ、格闘映画ファンからはあまり注目を得られないまま終わった。しかしその男はその後も戦い続けたのである…。
…と、なんだか思わせぶりな出だしですが、今日紹介するマーシャルアーツ四天王3人目は、ゲイリー・ダニエルズであります。
ゲイリーはキックボクサー出身のスターで、かのジャッキー主演『シティーハンター』でリチャード・ノートンの部下を演じて以降、次第にその名を挙げていきます。本作はゲイリーが最も輝いていた90年代の作品で、低予算ながらなかなかのアクションを見せています。
ストーリーは親友を殺された麻薬捜査官のゲイリーが、ケイリー=ヒロユキ・タガワ率いるチャイニーズマフィアと戦っていくというもの。はっきり言って薄っぺらい話ではあるのですが、ラストでのゲイリーVSケイリーの対決はこの手の映画では上出来な迫力。あとはヒロイン関連の話を膨らますことができれば、もうちょっと話に奥行きが出来たかも…と思います。
ちなみにゲイリーは00年代以降もそこそこ出演を続けていくのですが、すこぶる作品に恵まれなくなっていき、とうとうある時期から映画出演自体が少なくなっていくのです。ようやく久しぶりに彼の姿を見たと思ったら、セガールの『沈黙の追撃』で無様に倒されるザコ役に成り果てていました…(泣
考えてみると、これまで紹介してきたマーシャルアーツ映画のスターたちは、皆例外なく絶頂期と落ち目の時期が両極端で、しかも全盛期があまり長く続きません。果たして、こんな調子で未来のマーシャルアーツ映画界はどうなってしまうのか?
その答えは、次回の最後の特集にて…。