「虚無僧」で検索してみると、いろいろ間違った
記述が多い。それだけ知られていないのだ。
1.コスプレ大会の画像で「虚無僧」とあったので
見てみた。丸笠の托鉢僧だ。またか、である。
天蓋と尺八を持つのが「虚無僧」なのだ。
中日新聞夕刊に連載の『遊女のあと』の挿絵も
虚無僧は、天蓋はかぶっているが、下は普通の
托鉢僧で錫杖を持ち、尺八は手にしていない。
2.「知らなくてもいいこと」というサイトには、
「虚無僧が下げている箱に『明暗』と書いてあるが、
あれは仏教とは関係ない。京都の明暗寺の会員で
あることを示すものだ」とあった。
うーん、半分当たっているような、当たってない
ような。一応、虚無僧が祖師と仰ぐ普化禅師の偈
『明頭来明頭打 暗頭来暗頭打』のを意味している
から仏教に関係無くはない。もっとも「明暗」と
書かれた偈箱を下げるのは、昭和のことなのだ。
3.「虚無僧は幕府の隠密だった」という記述は多い。
その事実は無い。
4.法燈国師覚心を「東福寺の僧」という記述も。 現在、明暗寺は東福寺内にあるが、それは明治以降のこと。
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