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現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

売る“気”と “無心”

2007-10-23 20:08:18 | 虚無僧日記
虚無僧はあくまで受身だ。ただ立って尺八を吹くだけで、
喜捨してくださる方を待つ。待つ身だが、これにも要領
がある。「お金お金、ちょうだいよ」と、あからさまでは
敬遠される。かといって、「全く、要りません、欲しがり
ません」の無欲では、相手も素通りする。ほどほどの“欲”
をどのように“気”で表すかなのだ。

これは、物を売ることと同じだ。お店に入って、全然売る
気の無い店員を見ると、「買ってやるもんか」となる。
逆に「買って、買って、これもあれも」としつこく迫られる
と、嫌気がさす。「買って欲しい」という気を発しつつ、
上手に商品の説明をして、顧客のニーズ喚起をし、自発的
に“買わせる”のがベテラン販売員だ。お客は“買わされた”
ではなく“自分で欲しい物を買った”という満足を得る。

「全く無心で吹いてます」と言うと嘘になる。無心ならば
山中で独り吹けばいい。人前で吹くこと事態、“欲”あって
のことだ。聞いて欲しい。気づいて欲しい。感動して欲しい。
だが、もっともっとの貪(むさぼ)りの心と、不足の心。どう
して入れてくれないの!これっぽっち?というような不満の
心を静めるのが修行かと、最近ようやく見えてきた。




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