仕事帰りに某楽器店に寄ったときの事。
ジャンクコーナーに出力端子が壊れている
BOSSのDS-1が転がっていた。
価格は540円(税込)。値段も値段だし
修理出来なかったとしても、何かのパーツ
に使えるかな?、と購入した。
そのまま帰ろうかと思ったのだが、すぐ近
くに、最近ご無沙汰している別の楽器屋が
あるのを思い出し、その店にも何かジャン
クがあるかもしれないので、立ち寄ってみ
ることにした。
その店は、中古ギターも扱っていて、以前
寄ったときにはジャパンビンテージと呼ば
れるれる70年代から80年代のギターが数本
販売されていた。
店に入ると、レイアウトがすっかり変わっ
ていて、ピックや弦などの小物コーナーは
無くなり、そのスペースにはすべてギター
が並べてあった。
その中に目に留まるギターがあった。
ジョージ・ハリスンがLet It Be で使用し
たFenderのAll Rosewoodテレテキャスター
に酷似したTokaiのギターだ。
ただ、All Rosewoodの場合、メイプルをサ
ンドイッチした構造になっているため、
サイド中央にそのメイプルの層が窺えるの
だが、このギターにはそれが無い。
ネックジョイントの金属プレートを見ると
シリアルナンバーが1から始まっているの
で1981年製であることが分かる。
ヘッドのロゴもいわゆるスパゲッテイロゴ
とよばれる70年後期~80年初期に使用
されたもの。
ギターのカラーだが全体的に焦げ茶っぽい
感じなのだが、店内が薄暗く、よくわから
ないので、明日、また見に行くことにして
帰宅した。
翌日は土曜だったのだが、午前中は仕事を
して、午後からまたその店に行ってみた。
店員さんにそのギターを試奏したい、と
お願いすると、店員さんは快く応じてくれ
て早速試奏の準備をして、私にそのギター
を渡してくれた。
実際には、試奏というよりもギターのヘッ
ド、ネック、ボディ、各パーツの状態をチ
ェックするのが目的で、サウンドチェック
もスイッチやボリューム、トーンが正常に
動くか?程度の確認だった。
まず、前日よくわからなかったカラーだが
All Rosewoodっぽく見えるような焦げ茶で
木目が透けて見えるような配慮がなされて
おり、オリジナルのAll Rosewoodの雰囲気
がとてもよく出ている。
驚愕なのは、ブリッジが新品同様だった事
である。
オリジナルでは3WAYなのだが、これは
6WAYなのでオクターブチューニングに
は良いスペックである。
ただし、残念なことに各弦がリアピックア
ップの6つのボビンの位置よりズレている
ので、これは調整が必要になるだろう。
打痕もいくつかあるのだが、そんなに目立
たない程度で、35年以上前のギターにし
ては大変状態が良い。
ちなみに、お店ではTE-60という型番で販
売していたが、Web検索してみると少し違
っていて、TE-60RRが正式な型番らしい。
TE-60RRは、上位機種TE-200RRの廉価版で、
当時はFender JapanもAll Rosewoodテレキ
ャスターを発売しており、そちらの方が人
気があったため、売れ行きは良くなかった
らしい。
海外サイトで、ジャパンビンテージのギ
ターをネット販売しているサイトがあり、
そこではTE-60RRに千ドル以上の値が付
いていたが、それだけの価値があるのか
は疑問だ。
ギターの仕様は以下の通り。
ブランド:Tokai
モデル名:BREEZY SOUND
型 番:TE-60RR
製 造:1981年
ボ デ ィ:セン
ネ ッ ク:メイプル
指 板:ローズウッド
ペ グ :クルーソンタイプ
(カバーに"DELUXE"の刻印あり)
シリアル:10XXXXX