小父さんから

ミーハー小父さんKの落書き帳

本 / 『樹下の想い』 藤田宜永・著

2011年07月17日 | 

出版社/著者からの内容紹介
著者初の意欲的長編恋愛小説。
男と女の20余年。秘めた想いが実を結ぶとき……。
花材職人と華道家元が花木に託す熱情の過去。

この作品は、生け花の花材を扱う職人を主人公に据えた恋愛小説である。
もとより私は、花に関しては浅薄な知識しか持ち合わせていない。どなたか専門家のご指示を仰がなければ、1歩も前に踏み出すことができないだろう……そう考えていた時、花材職人の第一人者、小野寺一氏の御著書とめぐりあった。
言うまでもないことだがこの物語は作者の頭が作り上げたものである。だが、小野寺氏の花材職人としての気迫と情熱は、知らず知らずのうちに主人公誠吉に乗り移ってくれたような気がしてならない。






 華道家を支える人に、先ずその素材を山などに探し求める花材職人さんがいるそうだ。本を読んでいるとその素材で作品も決まるようである。例えば下の假屋崎省吾さんのような花展なんかの花材なのかな?

 (青春時代)花材職人の見習いの誠吉は、家元の跡取り娘・絹子を慕っている。ところが絹子は跡取りを嫌って、家を出てジャズ歌手を目指してミュージッシャンと同棲する。誠吉は花材職人の父親から絹子のプライベートな監視役を命じられたり、今度は絹子に頼まれて父・家元とお妾さんの子で運動神経のにぶい男の子に無理に近づいて野球の指導をしたりの誠吉の青春時代と、(所帯を持った後)男を作って逃げた妻がいなくなり二人暮らしの娘にも反発される花材職人・誠吉とが平行して物語はすすむ。誠吉は、娘に婿をとって花材屋を継がせようとするが、娘はロックバンドくずれでレストラン勤めの男に恋をして父親と気持ちが離れてしまう。ところが今度は、その彼を娘が家に連れて帰り、誠吉に「花材職人の見習い」をさせて欲しいと頼みにくる。彼が花材職人となって入り婿するというわけだ!

 一本義の職人・誠吉の人生観、古風に家元の娘・絹子に20余年に渡って忍ぶ恋をつづけてきた世界にしばし読み耽った。前に読んだ藤田宜永の直木賞作品『愛の領分』にはいくつもの性愛が出ていたので似たものかな?と想像していたら随分違う感じがした。「余命がいくばくもない」というテーマが出てくるとついついテンションが上がってくる。これぞ純文学というところか、文章に酔っってしまった。



  

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4 コメント

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σ(._ ・;*)ゥーン... (レディー婆)
2011-07-17 21:48:30
ストーリーの説明では、糸取りが絡んだ状態??
他人の恋は難しい…(・_・?)ワカラン

それとも『老らくの恋』も出来ない程に
私の脳味噌が、朽ち果てたのかも~(-゛-;)~

その前に『体型』が、既に朽ち果ててますけど
がーん…llllll(-_-;)llllll  
レディー婆さまへ (小父さん)
2011-07-17 22:51:33
ごめんなさい、ストーリーの説明が下手くそで
少しだけ書き足しました!

>他人の恋は難しい…(・_・?)ワカラン

恋は前が見えなくなった場合に成立するんですかね。
だったら権力者や大金持ちのたくさんの恋は何なんでしょう。
ああ、この本はそんな恋と純愛も並べていますね。

脳味噌も体型も恋の障害ではないでしょう。
恋は突然、雷のごとく天から落ちてくるものだと
10代の頃習いました
こんばんは (pinky)
2011-07-18 23:11:07
小父さん、こんばんは!

この本を読んだのは、3~4年前のことだったとおもいます。

藤田宜永の作品の中で3番目いえ2番目に好きかもしれません。
頑固で職人気質の誠吉の秘めた思いを中心に物語が進むんでしたよね。

けして若くは無い男性の恋愛感情を描くのが
とても上手い作家さんですね。

ずっと蕾のままだった一途な思いが、人生の最後にぱっと咲く・・・
潔く散るから美しいとされる桜の花と重なって
大人の恋愛小説でありながら、どろどろとしたところの無い
後味の良い小説に仕上がっているように思います。

フランス人と結婚していたこともあり、パリに住み、エールフランスに勤務していたという
経歴の作者ならではのお洒落な感覚が底辺にあるような気がします。

他にも、パリを題材にしたものも多く夢中で読みました。
pinkyさんへ (小父さん)
2011-07-18 23:48:40
>頑固で職人気質の誠吉の・・・

これがいいです。
職人さんの技術なり気質ってとても興味深いですね。

>けして若くは無い男性の恋愛感情を描くのが

これって世間の週刊誌や映像にされた俗っぽいものからかけ離れていますね。

>潔く散るから美しいとされる桜の花と重なって

なるほど、そんな表現も入っていますね。

フランス仕込みの方なんですか。
細かなことは忘れましたが、文学ってさすがだなー!みたいな印象を強く持ちました。

パリを題材にしたものも読んでみたいです。

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