安倍晋三辞任:菅を来年9月までのワンポイントリリーフとして憲法改正、北方領土返還等々、遣り残したことがあると再登板を狙うウルトラCか

2020-09-14 05:21:40 | 政治
 今日、2020年9月14日午後2時から自民党は両院議員総会を開催、総裁選の投開票を行い、新総裁が決定する。

 自民党所属国会議員は現在、衆参両院議長を除き394人だという。党内7派閥のうち細田派、竹下派、麻生派、二階派、石原派の5派閥計264人と無派閥議員64名のうち約20人が官房長官の菅義偉を支持、残る110人の票を石破茂と岸田文雄が分ける。

 110票をどちらかの一方が獲得したとしても、菅義偉の284票には敵わない。菅義偉の半分にも届かない。計算通りに出なくても、菅総裁選出が誰の目にも明らかとなっている。

 141票の地方票も昨夜7時のNHKニュースは菅義偉52票、石破茂27票、岸田文夫8票と、菅義偉優勢を伝えていた。

 昨夜遅くの今朝見た産経ニュースは、現時点で菅義偉は66票程度を固め、過半数を確保する見通し、石破茂35票程度、岸田文雄10票程度にとどまっていると伝えて、菅義偉当選確実の状況を伝えている。議員票が地方表にほぼ反映されるから、当然の地方票である。

 このように5派閥と無所属議員の20名が菅支持に回ったのは二階派の菅支持表明が始まりで、他派閥等がポスト欲しさや陽の当たる場所欲求、公認盤石化目的、寄らば大樹の優位性獲得、覚えをよくする等々の打算からの我も我もと支持に回る雪崩現象を起こしたのだという。

 だが、この手の雪崩現象は「品位、節度、調和、正直、親切、勤勉」に反する無節操な付和雷同・事勿れ主義と同義語をなす。

 2006年の自民党総裁選当時も安倍晋三を目がけてこの手の雪崩現象が置きて、衆参の国会議員数403人中、安倍晋三267票、麻生太郎69票、谷垣貞一66票。党員算定数でも安倍晋三197票、麻生太郎67票、谷垣貞一36票と、安倍晋三が独り占めの圧倒的な票獲得となった。だが、政権は1年しか持たなかった。

 病気だけが原因ではないだろう。無節操な付和雷同・事勿れ主義で成り立たせた政権は倫理に反していたからだと見做さない者は政治を語る資格を失う。特に教育を語る資格はないだろう。

 だが、数々の政治の私物化に邁進した安倍晋三にしても、無節操な付和雷同・事勿れ主義で雪崩現象に身を任す自民党議員にしても、白々とした顔で政治を語り、教育を語る。若者はこう生きるべきただとお説教を垂れる。

 2020年8月31日エントリーのブログに次のように書いた。

 安倍晋三のウルトラC

 安倍晋三が2020年8月28日の記者会見で潰瘍性大腸炎が再発し、激務に耐え得ないとかで自民党総裁任期を1年を残して首相を辞任した。記者会見で次のように述べている。

 安倍晋三「今後の治療として、現在の薬に加えまして更に新しい薬の投与を行うことといたしました。今週初めの再検診においては、投薬の効果があるということは確認されたものの、この投薬はある程度継続的な処方が必要であり、予断は許しません」

 新薬服用の効果はあったが、その効果を病状回復にまで持っていくためにはある程度の継続的な処方が必要であり、それまでの期間、現在の体調では国民の負託に応えうる自信が持てない。よって辞任することにした云々となる。

 もし病状回復までの新薬服用の効果期間を1年と置いていたらどうだろうか。1年後の総裁選に遣り残したことがあると立候補も可能となる。憲法改正、北方領土返還、拉致被害者帰国、地方創生戦略の見直し 格差拡大是正、東京一極集中是正・・・・等々。遣り残したことの方が多いくらいである。

 ここで鍵となるのは官房長官の菅義偉が自民党総裁選に出馬することを自民党幹事長シーラカンスの二階俊博ら政権幹部に伝えて、二階俊博からは「頑張ってほしい」と激励されたとマスコミが伝えているし、8月31日朝のNHKニュースは、「二階派幹部は、菅氏が立候補すれば派閥として支援する可能性を示唆した。」と報じている。

 もし菅義偉が首相になったとしても、任期は来年の9月まで。この間に総選挙がある。野党結集の影響を受けて、政権を失わない程度に一定程度、議席を減らしてくれれば、政権を失うこと程怖いことはないという経験をしている自民党からすれば、安倍待望論が湧き起こらないとも限らない。菅義偉をワンポイントリリーフとすれば、安倍晋三の再登板は遣りやすくなる。再登板なら、総裁任期は3年だから、3年間、じっくりと腰を落ち着けて安倍政治に取り組むことができる。うまくいけば、さらに3年間・・・・。そのために辞任を1年早めた????

 現在自民党総裁連続任期は3期までだから、欲をかいてあと9年ということもあり得る。

 再登板の可能性(危険性?・・・・)無きにしも非ずだし、100%無い可能性と指摘できるかもしれないが、この記事の題名を残すためだけのためにこのブロブ記事を起こすことにした。勿論、影響力ゼロに近いブログだとは承知している。自己満足に過ぎない。

 「自民党党則」は総裁任期を次のように規定している。  

 〈第10条4 引き続き3期(党則第80条第3項に規定する任期を除く)にわたり総裁に在任する者は、その在任に引き続く総裁選挙における候補者となることができない。〉――

 「第80条第3項」について。

 〈総裁が任期中に欠け、又は第六条第四項の規定による選挙の要求があった場合において、同条第二項又は第四項の規定により新たな総裁を選任したときは、その任期は、前任者の残任期間とする。〉――

 「第80条第4項」を見てみる。

 〈4 総裁は、引き続き2期(前項に規定する任期を除く)を超えて在任することができない。〉――

 要するに任期途中で引き継いだ新総裁はその任期を1期と数えて、残る2期しか在任できないことになる。

 以上を纏めると、途中辞任した場合は誰かが残任期間を務めたあとなら、それが1期後であろうと、合計3期後であろうと、引き続いての立候補ではないから、候補者になることが可能となる。つまり安倍晋三は菅義偉が安倍晋三の残任期間を務めたあとの総裁選に規定上は立候補も可能ということになる。

 安倍晋三が既に自らこの例を実践しているのはご承知のとおりであろう。病気を理由に2007年9月26日に約1年で途中辞任したあと、福田康夫、麻生太郎、谷垣貞一を総裁が続いたあと、石破茂と争って、新総裁に当選、総理・総裁を7年8ヶ月務めている。1度あることは2度あるとよく言われる。

 当時2期制限の2期目の途中で首相を辞任したものの、のちに再度総裁選に立候補した例がある。1995年9月22日に橋本龍太郎は小泉純一郎と総裁選を争って、当選。総理・総裁を務め、2年後の1997年9月11日に任期満了による総裁選で無投票・再選となって2期連続の総裁・総理を務めることになったが、1998年7月12日の参議院議員選挙で自民党惨敗を受け引責辞任に至った。

 その後、小渕恵三が2期連続で総裁・総理を務めたが、2期目の途中の2000年4月2日に脳梗塞発症、2000年5月14日死没前の2000年4月5日に両院議員総会の話し合いで森喜朗を総裁に選出。森喜朗を次期指名したのは森喜朗幹事長(森派) 青木幹雄内閣官房長官(小渕派) 村上正邦参院議員会長(江藤・亀井派) 野中広務幹事長代理(小渕派)の、当時の呼び名の5人組で、密室での指名劇だったとされている。

 2000年4月5日に首相に就任した森喜朗は2001年2月10日にハワイ沖で愛媛県立宇和島水産高等学校練習船「えひめ丸」がアメリカ海軍の原子力潜水艦と衝突・沈没、日本人9名が死亡する事故が発生した当時、その連絡がSPの携帯電話を通じて入ったものの、1時間半もの間プレーを続けた。

 森喜朗は「ある関係者から直ぐにはその場を離れないように言われたので、ゴルフ場で待機していた」と言っているが、実際はプレーを続行していた。国民の生命の安否が気遣われるときにラウンジ等を含めて「ゴルフ場で待機していた」のと、ゴルフを続けながら、待機していたのとでは国民の生命をどう考えているのかの国民に対する生命観が大違いとなってくる。

 2014年8月豪雨を受けた74人死亡の8月20日広島土砂災害発生当日、安倍晋三が夏休み中の山梨県鳴沢村の別荘から富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」に向かい、午前8時30分頃からゴルフを開始、50分近くゴルフをして、午前9時19分にゴルフ場を離れて別荘に向かい、午前10時59分に官邸に戻った際の国民に対する生命観と非常に似ている。

 広島市消防局には8月20日午前3時前後から土砂崩れと住宅が埋まって行方不明者が出たという通報が相次いで寄せられていて、午前3時20分頃の土砂崩れで土砂に埋まった子ども2人のうち1人が午前5時15分頃心肺停止の状態で発見されたと人命に関わる危機的状況をNHKは朝早くに伝えていた。

 このような人命に関わる危機的状況の110番通報や119番通報は直ちに広島県に集約され、広島県から首相官邸に逐次通報されていなかったとしたら、重大な災害が発生するたびに安倍晋三が口にする「緊張感をもって被害状況の情報収集を徹底し、国民の安全安心の確保に万全を期して欲しい」との指示をウソにしていることになる。

 つまり当時の首相官邸危機管理センター設置の情報連絡室は人命に関わる危機的状況を遅くとも8月20日午前4時近くには把握していなければならなかった。ところが、当時の防災担当相古屋圭司は「最終的に死亡者が出た8時37分とか8分に総理にも連絡をして、その時点ではこちらに帰る支度をしてます」と安倍晋三の国民に対する生命観を弁護し、人命に関わる危機的状況の発生を実際の時刻よりも5時間近くも遅らせている。

 しかも安倍晋三がゴルフ場を離れたのは古屋圭司が設定した最初の人命に関わる危機的状況時刻よりも約40分遅い午前9時19分である。

 このように国民の生命をどう考えているのかの国民に対する生命観に問題がある一人である森喜朗が支持率の低空飛行が続き、約1年後の2001年4月26日に辞任。2001年4月24日の自民党総裁選に2期連続総裁、途中辞任の橋本龍太郎が立候補、小泉純一郎、麻生太郎両候補と総裁の地位争ったが、安倍晋三のように勝利とはいかず、麻生と共に敗れ、小泉純一郎の総理・総裁の登場と相なっている。

 となると、安倍晋三の来年9月の総裁選再登場の可能性(危険性?)もあり得ないこともないことになる。

 安倍晋三がここで一旦辞任する何よりのメリットは相次ぐ内閣支持率30%割れの直接的な原因となった新型コロナウイルス対策の失敗・不首尾から来年の9月の次回総裁選まで失敗・不首尾とは縁を切ることができるノータッチ状態で過ごすことができると同時にそう遠くない時間内にワクチンが開発されて、感染の沈静化が予想され、支持率低下の主原因となったコロナ対策から解放される(つまり自身のとっての不都合から解放される)だろうと読むことができるからだろう。

 さらに一時程の激しさはなくなったが、今なお続く森友・加計問題、桜を見る会、東京高検検事長黒川弘務定年延長問題等々に発揮した安倍晋三の政治の私物化追及に関しては菅義偉に矢面に立たせて、自身は知らぬ顔の半兵衛を決め込むことができるメリットがある。

 1年も政権から離れていたなら、その時間を政治の私物化沈静化の一定程度の機会とすることもできる。

 そして1年の期間を置いたことで持病の潰瘍性大腸炎も新薬投与のお陰で全快、あと4、5年は大概の政治的激務に耐えられると病院からのお墨付きを頂いた、既に書いたように憲法改正、北方領土返還、拉致被害者帰国、地方創生戦略の見直し 格差拡大是正、東京一極集中是正・・・・等々、遣り遺した事があるからと再度総裁選に挑戦、首相復帰というウルトラCをお目にかからない保証はない。


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