悠山人の新古今

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紫式部集108 それぞれの

2006-08-19 02:30:00 | 紫式部集

2006-0819-yms108
それぞれの別れ別れのあきの月
私はひとりあなたは二人で   悠山人

○紫式部集、詠む。
○これと次は「夫の夜離れをなじり嘆く返歌」。(新潮版) 詞書に、「(秋の)月見の翌朝、何て言って来たのか・・・」。夫との関係で、主語主題をぼかすのは、作者の常。結婚に際しては、あれほど浮気心は夢ゆめなどと誓ったのは、誰だったのかしら。昨夜の名月も、あなたにとっては私への「飽き」の月、と見ていたのでしょうね。(しかも、その方と一緒に、ね。) 平王クはこの月見を、「長保元(999)年」の「仲秋の観月(八月十五夜)」と推定する。平王ク歌番号114。
¶よこめ=新潮版は「横目」(浮気)と解するが、さらに重症の「夜篭め」(篭りきりの夜を過ごす)の説もある。
¶いかで(結句の諸訳)=平王クの紹介。①どのように月を見たのですか(宣孝へ問いかけ) ②どのように月を見たのか ③どうして夢を見たりしましょうか ④(いかでかは「見じ」)飽きの月として、どうしてごらんにならないことがあるでしょうか 新潮は①説。
紫108:よこめをも ゆめといひしは たれなれや
      あきのつきにも いかでかはみし
□悠108:それぞれの わかれわかれの あきのつき
      わたしはひとり あなたはふたりで