私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

チョムスキーさん、これはいけません

2018-05-03 20:41:18 | 日記・エッセイ・コラム
 NYRB(ニューヨーク・リビュー・オブ・ブックス)の電子版(4月23日)に『ロジャバ防衛の呼びかけ』という公開書簡が載りました。呼びかけの主体はEmergency Committee For Rojava(ロジャバ内容は防衛緊急委員会)、書簡の内容は下のサイトでも読めます:

https://defendrojava.org

呼びかけ人のリストに、米国のアナキスト哲学者マレー・ブクチンの娘さんの女性ジャーナリスト、デビー・ブクチン、フェミニストで知られるグロリア・スタイネム等とともにノーム・チョムスキーの名があります。
 ロジャバ革命を守ろうという呼びかけには私は大賛成ですが、問題はこのロジャバ防衛の公開書簡の内容です。こんなことが書いてあります:
While the attack on Afrin is a violation of international law comparable to those of the Assad government, the Trump administration has made only feeble protests against President Recep Tayyip Erdoğan’s depredations.
「アフリンに対する攻撃はアサド政府の所業に匹敵する国際法違反だが、トランプ政府はエルドアン大統領の略奪行為に対して弱々しい抗議を行っただけだ。」
これは一体何のことか! シリアに関して、最も重大な国際法違反を行なっているのは、米国政府そのものです。アサド政府はどのような国際法違反(those、つまり、複数の)をしたというのですか?こんな言い方したくありませんが、例えアサド政府が自国民を虐殺しても国際法違反にはなりません!米国の警官が国内の無辜の黒人たちを如何に多数ガンダウンしても、国際法違反にはならないのと同じです。
 この書簡には、この緊急委員会からの米国政府に対する要請として
• continue military support for the SDF.
とはっきり書いてあります。今は時間の余裕がないので詳しい説明はまたの日に行いますが、私の見解、あるいは、予想では、ロジャバ革命の究極的な失落と終焉をもたらすのは、トルコの対クルド政策ではなく、米国のSDF傭兵化政策です。

藤永茂(2018年5月23日)
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3 コメント

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彼の手法が有害となっている一例か (海坊主)
2018-05-03 23:49:37
 以前に『マスコミに載らない海外記事』で下記の記事が掲載されました。

政権転覆を呼びかける帝国“左翼知識人”“進歩派”と反戦運動の役割
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-ab2e.html

 私のコメントも付いていますが、ミシェル・チョスドフスキー教授の批判は正鵠を得ていると思いました。
 ちなみにコメントにある「民間の、私設の、私人の、いわゆる信用ならない有害なオルタナティブなメディア」は、本心ではないことも付け加えておきます。
チョムスキーさんは (よい)
2018-05-14 00:34:19
すこし、おっちょこちょいな所があります。

妥協して ー 取り込んで ー 骨抜きにしろ
という言葉を聞いたことがあります。英国貴族が新興勢力を飼いならす極意だったか?植民地支配の指南だったか記憶がおぼろです。

クルドの皆さんもわかっていた・わかっているはずです。でも、相手がわるい。連中これでずーっと300年くらい食ってきてるですかね?

母に、坂本龍馬なんてイギリスの武器とローンの孫請けセールスマンだったんだよと言ったら、最後に飼い主の手を噛むつもりだったかもしれないじゃない。死んだ人の悪口をいったらいけないとたしなめられました。
ノーム・チョムスキー氏が自由に活動出来るその理由 (海坊主)
2018-09-19 07:00:07
『マスコミに載らない海外記事』で最近紹介されたポール・クレイグ・ロバーツ(PCR)氏の下記記事に色々と考えさせられました。

アメリカの偽りの歴史
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-60bc.html

現在、『マスコミに載らない海外記事』ではPCR氏の記事に対するコメントを受け付けて居ないため、場違いとは重々承知しておりますが、コメントを投稿させていただきます。

 グリフィン氏を讃える一方でチョムスキー氏を鋭く非難するPCR氏の今回の記事ですが、今まで私が抱いて居た違和感が晴れた気がして、読了感はスッキリでした。これまで、チョムスキー氏の言動を厳しく非難するペトラス教授の記事などを拝読するものの、いまひとつ歯切れが悪かったというか覆われているベールを剥がせずに居てもやもや感が残ったのですが、PCR氏がJFK暗殺に対するチョムスキー氏の立場を浮き彫りにしてくれたおかげで、彼が何を守り何を隠して居るのかについて考えさせられました。
 チョムスキー氏はある意味で米帝支配者層に利用されている面を感じる事ができました。

 チョムスキー氏がベトナム戦争に拘る理由、ケネディにこだわる理由。今後、じっくり考えさる必要がありそうです。

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