私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

イドリブがシリアの最後の戦いになることを祈る

2018-09-09 22:50:48 | 日記・エッセイ・コラム
 イドリブをめぐる極めて深刻な状況が核戦争にエスカレートすることを免れ、シリア軍の勝利によって終結するとすれば、これは全世界にとって、近来にない朗報となるでしょう。歴史的なターニングポイントになる可能性も秘めています。多くの有識者がしきりに警鐘を鳴らしているように、世界核戦争勃発の危険性は今までになく極端に大きいと考えられます。現在の世界を牛耳る、いわゆる1%の人間たちの間で、ニュージーランドの秘密の場所の地下深くに特製の掩蔽住居施設を準備して、核戦争の惨害から逃れて生き残ろうとする動きが顕著だ、という報告があります:

https://dissidentvoice.org/2018/09/billionaires-plan-escape-from-apocalypse/#more-84098

以前に、ブッシュ全米国大統領の一家は、同じ目的のバンカー・核シェルターをメキシコのどこかに既に用意しているという話を読みました。こうした人々こそ絶対悪の権化です。しかし、もし、シリア政府軍がイドリブ県をテロリスト勢力から奪還して戦火が終息し、政治的交渉が本格的に始まることになれば、私としては、一つの大きな夢を描くことができるようになります。それは私の祈念するところであり、今後のシリア情勢の成り行きの予言をしようとするのではありません。
 シリア民主評議会(MSD、英語綴りではSDC)の代表はアサド大統領に直接会って話をしたことが報じられました:

http://syrianobserver.com/EN/News/34648/SDF_Officials_Met_With_Assad_Damascus

これは反政府側の報道ですが信憑性があると思います。MSD側の代表はIlham Ahmed で、この人はロジャバ革命の軍事勢力YPG/YPJ(クルド人民防衛隊)と米国との軍事的関係の調整にワシントンまで出かけた人物です。
 ところが、9月8日になって、シリア最北東部の重要都市でロジャバ革命勢力とシリア政府が分割統治しているカーミシュリー市で、ロジャバの治安部隊(アサーイシュ)がシリア軍に発砲して、双方に死傷者が出る事件が起こりました:

http://syriaarabspring.info/?p=52674   (日本語記事)
https://southfront.org/18-killed-in-clashes-between-syrian-democratic-forces-and-syrian-intelligence-in-qamishli-city-videos/

上の2番目の記事には、今回のクルド側の攻撃的姿勢は、「米国は軍事的にシリアから撤退することはない」という9月6日に行われた米国政府の声明の影響であろうという見解が示されています。このカーミシュリーでの衝突は米国政府からの直接の指示で行われた可能性も十分あります。この状況を「ロジャバのクルド人革命勢力は米国政府とシリア政府とを天秤にかける狡猾さを示している」とは、私は考えません。ロジャバのクルド人たちは決死の思いで行動しているのです。SDF(シリア民主軍)の形で米国の地上代理軍の役を担っているジャバ革命の軍事勢力YPG/YPJは、米軍の指揮下に組み入れられてから今日までに、米国軍部、米国政府、CIAの真の意図、行動のパターンについて、十分学んできた筈です。その最たるものは米国とIS(イスラム國)の関係でしょう。
 最近のニューヨークタイムズの堕落ぶりは目も当てられない有様です。イドリブ決戦に関する9月2日付の記事:

https://www.nytimes.com/2018/09/02/world/middleeast/syria-idlib-assad.html

はその典型的な一例です。ロジャバのクルド人たちも、この虚偽に満ちた記事に接しているに違いありません。もう一つだけ例をあげれば、9月7日付けのトランプ大統領に対する匿名の攻撃記事です(日本語):

https://www.nytimes.com/2018/09/07/opinion/contributors/trump-white-house-anonymous-resistance-japanese.html

私が尊敬するポール・クレイグ・ロバートは、この記事が偽造文書であると断言し、ここまで堕落したとなれば、「何についてであれ、ニューヨークタイムズを信じる理由は全然ない」(There is no reason whatsoever to believe the New York Times about anything.)とまで言い切ります:

https://dissidentvoice.org/2018/09/i-know-who-the-senior-official-is-who-wrote-the-new-york-times-op-ed/

今、ロジャバ革命の推進に当たっている指導者たちの最大の関心事は米国との関係である筈であり、「米国とは何か」という判断の正否が革命の死活問題であることを心得ている筈です。クルド人の指導者たちは、ポール・クレイグ・ロバートのような人々の発言にも耳を傾けていると私は信じます。米国の世界戦略とロジャバ革命の目指すものとが本質的に背反していることは、誰の目にも明らかであるのに対して、ロジャバ革命の基本的な思想傾向とアサド大統領下のシリアのそれとの間には顕著な類似点があります。これが私の夢の拠点です。

藤永茂(2018年9月9日)
ジャンル:
ウェブログ
コメント (1)   この記事についてブログを書く
« ロジャバ革命は死んでいない... | トップ | いまシリアのイドリブは世界... »
最近の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
前略・藤永茂さま (Mr.T)
2018-10-08 14:34:49
----------------------------------
【DHC】10/5(金) 武田邦彦×須田慎一郎×居島一平【虎ノ門ニュース】
https://www.youtube.com/watch?v=cPzzqIzNnLU#t=1h27m34s
・イラン シリア東部に報復攻撃 弾道ミサイル6発
/ウクライナ海軍艦艇 ロシアEEZに入る

※ロシア軍はシリアから撤退の用意
http://syriaarabspring.info/?p=53360
http://syriaarabspring.info/?p=53353
アフリーンの問題も話し合いで解決
http://syriaarabspring.info/?p=53378
http://syriaarabspring.info/?p=53362
もうシリアでは既に復興準備の模様

Putin: No military action in Idlib in near future,
focus is to help civilians wherever they live
https://on.rt.com/9fp7
----------------------------------



先ず結論から申しますとイドリブを巡る問題は
上手く話し合いで解決したと言う事になるかと

シリアに緊急配備されたロシア製の武器・兵器は人生色々で
https://twitter.com/Syrian_SR/status/1045042011055771649
https://twitter.com/Syrian_SR/status/1044993296672665600
これなら防衛システムとしては鉄壁に近い印象を強く受けます

このS-300を使える様になるには最低三ヶ月以上はかかるために
ロシア軍がシリア軍にOJTをする事になった模様で以軍やNATOが
もし空爆を仕掛けても「ジャミング→ロックオン→シリア軍が攻撃」と
この運用で軍機撃墜を政治問題には発展させない様に忖度してます

ポンコツF35を使用すれば世界に対して欠陥機
https://shar.es/a1dXedhttps://shar.es/a1dnyK
これを自ら証明する事になろうかと思われます

https://on.rt.com/9fk4https://russia-insider.com/en/node/24943
また陰謀論的にはサウジアラビアと米国の関係が大変重要な問題で
サウジは原油一辺倒の国家でアラムコIPOが頓挫した事で将来像がなく
歳入の大半が原油の輸出である事によって膨大な米ドルを経由する国で
巨悪の米国の僕みたいな感じのテロ国家として手持ちのドルを使いながら
主に米系のグローバル企業群などから武器・兵器を購入してドルを還元する
所謂オイルダラー(ペトロダラー)の中心的な役割を担っていると言われてます

つまりサウジアラビアが米ドル基軸通貨体制と
世界の警察と言う名の侵略を支えてきたわけで
一説にはイラクのフセインとリビアのカダフィーは
原油の決済をユーロ又ゴールドを信用の基にした
アフリカ統一通貨のために粛清されたとも言います

もしイラクの武器・兵器が旧ソ連製の代物ではなくて
米国製しかもサウジ同様にドル基軸通貨体制を担う
そういう国であれば粛清されなかったかも知れません

直近のトランプ発言である米軍駐留費の問題は
実は今の米ドル基軸通貨体制を破棄・放棄すると
アメリカ・ファーストで世界の警察と言うフェイクから
覇権国の座からは降りる意図ありとも看做せますね

https://sptnkne.ws/jcw7https://sptnkne.ws/jBCa
まあ要するに全ては↑先の「米露首脳会談」にて
ここで既に決まっていたのかしら?という感じです

今この世界の現実として何か困った事等を抱えて相談に行く先は
https://twitter.com/Jerusalem_Post/status/1048858243391348736
世界の指導者プーチンである事を未だ大半の日本人は知りません

米露首脳会談でプーチンとトランプが合意した国際安全保障
この具体的な内容・中身が一体何なのかに興味津々ですね

トルコ・中国・インドはS-400を導入することに決まって
世界最強となったロシア軍と直接対決で戦争を行うと
これが出来ない理由は武田邦彦さんが分析した通り
戦っても勝てない相手に戦争を仕掛けるは非合理的
よって米戦争屋ネオコン勢力の暴走・暴発のリスクが
これだけが気がかりな事になっている様に思われます

トランプの戦略は図り兼ねる次第ですがネオコンに包囲されてるトランプ政権
いわば戦争屋による対ロシア制裁乱発でプーチンはドル決済体制からの脱却
これを今このタイミングで表に出してEEFで年内日露平和条約締結と同じように
ここで勝負に打って出たと思われドル基軸通貨体制と世界の警察のフェイクは
殆ど同義語に近いんですがNWO&OWGではないトランプのアメリカ・ファーストで
巨悪の米国が世界の警察の座を降りる時ドルが基軸通貨の座を降りるのでしょう

「トランプ派VS反トランプ派」の米内戦(闘争)のため
情報戦が繰り広げられている事に留意されて下さい



----------------------------------
US has to come to terms with its place in the world, just as Britain did when its empire collapsed
https://on.rt.com/9f48
キャバノーをめぐる醜態のすべては、トランプの”泥沼”掃除決行の方を向いている
http://www.dcsociety.org/2012/info2012/181003.pdf
米政権が仕掛ける経済戦争がドル体制からの離脱を強いる展開になっている
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810020000/?scid=we_blg_tw01
アメリカ主導の有志連合軍により、シリア国内でISISの身柄が移動
http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i48483
シリア反体制派、イドリブ非武装地帯から重火器撤去開始
http://www.afpbb.com/articles/-/3192429
Russia's S 500 Is Way More Dangerous Than You Think
https://www.youtube.com/watch?v=rOMfBmM7iy0
米国大統領の今後の予定
https://www.jimakudaio.com/potus-future-plans

日本は80年周期の大変動、世界的にも「幕末」か
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/092600296/
天変地異と歴史の関係を指摘した第5代気象庁長官の説とは

Civil War Alert: Once Kavanaugh Is Confirmed, All the "Stops" Will Be Removed
by President Trump and His Military Support Team - Capt. Dave Bertrand, Ret.
https://beforeitsnews.com/v3/opinion-conservative/2018/3404281.html
----------------------------------

コメントを投稿

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事