私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

コンゴの今後(5)

2009-09-02 13:30:56 | 日記・エッセイ・コラム
 2009年7月11日(土)、オバマ大統領は、アフリカ、ガーナの首都アクラで極めて注目すべき内容の講演を行いました。これこそ私がスーパー・エルマー・ガントリー・パフォーマンスと呼びたいお説教です。しかし、アフリカの若い世代に呼びかける甘いコーティングを施したオバマ大統領のメッセージの本質は、これまでのアフリカの歴史に些かの知識を持つものにとっては、オバマ・アメリカの並々ならぬアフリカ再制覇の意欲の表明であると受け取られます。ここに何気なく触れられているいくつかのアフリカのキースポットでは、オバマ政権の積極的行動(攻勢)が展開されると思われます。8月11日、クリントン国務長官が、コンゴ民主共和国東部の都市ゴーマで行った「レイプ問題」についての言明はその最初の現れと考えられます。この電撃的なゴーマ訪問の真の目的が「コンゴの女性を救う」ことであるはずはありません。アメリカの配下にあるルワンダとウガンダを利用してコンゴ東部、南部の資源地帯のコントロールを固めるのが本当の目的です。アフリカ最大の国スーダンの内部分裂とソマリアへの軍事介入への動きもオバマ大統領のアクラ演説から読み取れます。ジンバブエの締め上げは緩むどころか、むしろブッシュ時代より強化されるでしょう。講演の中に、きっぱりと、「・・the West is not responsible for the destruction of the Zimbabwean economy over the last decade,・・・」とあります。よくもまあ、ぬけぬけと言えたものです。アメリカのムガベ叩きが何時始められたか、世界中の誰もが忘れてしまったとでも考えているのでしょうか。
 *もっと詳しくオバマ大統領のアクラ演説を検討し、解説するつもりでしたが、体の具合が悪く、果たせません。残念です。オバマ政権はブッシュ政権より激しい攻撃を中南米(ラテン・アメリカ)とアフリカに仕掛けつつあります。このアメリカ合州国というテロ国家を何とかしなければなりません。それには先ずアメリカ合州国という国、オバマ政権の正体をよく見据えなければなりません。ここで私たちが直面している直接最大の問題は、その正体がなるだけ見えないように、マスコミが作動しているということです。

藤永 茂 (2009年9月2日)