日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

イヤイヤ

2007年06月02日 | 夫との日々
仕事が終わって、
ケータイのメルチェをすると、
ほんの10分前に夫から入っていた。

「映画を見に大日に来ています」……っておいおい!
なんで、一日中休みなのに、午後6時前に行くかな。

「晩御飯は?」と送ってみると、
「金欠なので、家で食べます」
さらにほんの数分後、
「次の上映、9:45でした。今からこちらにきて、
一緒に見ませんか?」

えぇ~、興味ないんだけど……。

彼の観ようとしている映画は、
長澤まさみの『その時は、彼によろしく』。
今日が初日らしくって。

『涙そうそう』が、
私の中では懲りているので、
彼の趣味に付き合うのは、もうヤダナ……。
と、思う反面、
昨日、わがままをさせてもらったし、
明日は歌会だし、
相手に合わせることも大切だよなぁ……と、
思ったりもして。

気遣いの心が少し勝って。
一旦家に帰って、
そっちへいくようにすると電話で返事をする。

が、返事をしたとたん、
気遣いの心は、行動する前なのに霧散して。

……なんでこうも、彼はいつも無計画なのかなぁ。
iモードを使って、
上映時間を調べてから行くとかすればいいのに。
しかも大日なんて(←遠いです)。
なんで自分ちの近くで行こうとしないかなぁ。

と、自分の、
状況に流されやすい性格を棚に上げて(具体的には昨日のこと・笑)
思っているうちに、

「あ、この前、賞味期限が短いお肉類を、
割引で買って、
まだ冷凍保存していないやつとかあるぞ。
っていうか、昨日で賞味期限がきていて、
今日食べてしまわないとよくなさげーなのも、
あったような気が……」

と、ものすごく決定的なことを思い出してしまった。

長澤まさみと、賞味期限を過ぎたお肉なら、
賞味期限を過ぎたお肉のほうが大事!

もう一度、夫に電話をして、
「やっぱり行かない」と答える。
すると、
「えー!!もう、遅いわ!チケット買ったから!!」
と言う。

なんで、そこだけパッパとすませるかなぁ~!

さらに、
「駐車代が、3時間しか無料にならないから、
ボーっとここで待ってたってもったいないし、
一旦家に帰って、迎えに行くから」
と言う。

あぁ……。ガソリン代が値上がりするこのご時勢に、
なんと無駄な動きを……。

それならば、
私を誘う前に、映画をあきらめて、
明日ひとりで、早めに起きて、
見に行ったほうがいいんじゃないのか?

一番初めに、
気持ちが伴っていないのに気遣いをした、
自分に腹を立てる。

不覚だ。

     ★

家に帰って。7時には準備万端となっていた。

普通に考えると、大日から車でなら、
30分で帰宅可能だし、
丁度いい時間かな、と思っていた。
マンションの外に出て、夫を待つことにする。

ところが、
待てど暮らせど、夫の車は来ない(後で聞くと渋滞してたそうです)。
途中まで歩きだしてみようかと、
電話やメールをしてみても、リアクションがない。

さ、さ、寒い……。お、お、お腹がすいた……。

お隣さんのマクドナルドが、
夜空にこうこうと電飾をつけて、
私を誘(いざな)ってくるし……。

……んもう、我慢できん!
家に一旦戻って、マクドの割引券を使って、
買っちゃおう!!

と、再び自分ちのある9Fへエレベータを昇らせる。

が、そのうちに、
賞味期限が一日過ぎたお肉があるのに、
なんでマクドで食べなあかんねん、という気持ちになってきた。

こうなったら、夫を待たせてでも、
お弁当を作っちゃおう!!と、燃えてきた。

エレベーターがついたとたん、大差ないのに、走って帰宅。

     ★

冷蔵庫の中を見てみると、
ヤバイお肉もあったけど、
ヤバイエビニラ饅頭というのもあった。

そして、昨日夫が、
晩御飯として買った、惣菜の残りも。
この前、ゆがいておいた、
ほうれん草も。

ご飯も、冷凍保存していたものが残ってた。

迷うヒマはない。
夫の大き目のお弁当箱に、
詰め込めれるものは詰め、
エビニラ饅頭は焼き、
冷凍ご飯はチンをする。

さっきまで遅々と進まなかった時間が、一気に加速する。

フィニッシュに、
あっつあつのエビニラを、
無理矢理お弁当箱に入れているときだった。
夫から、ようやくマンションの下にいると、
電話をもらった。

汚れたフライパンが洗えなかったのが、
悔しかったが、再び家を出る。

その頃にはもう、空腹を通り越していた。

     ★

車の中で。

「なんでそんなに無計画かな。
テーブル見たら、
長澤まさみが表紙の関西ウォーカーあったし。
それ見たら、上映時間わかるやろ。
それに、また
スポーツジム、行ってないんでしょ?寝てたんでしょ?
あほらしい。
それからな、トイレの電気つけっぱなしやったで。
これも何度言うたらわかるねん。
あんたが、何に熱をあげても構えへんけどな、
『生活』っていうもんに、もう少し目を向けてもらわんと、
困るねん。
私はあんたと結婚した覚えはあるけど、
あんたを息子にした覚えはないで」

と、
お弁当をひろげる前に、
どんどん、本質から離れながら文句を言ってしまった。

夫、反省色の強い、無言。

「とりあえず、お弁当作ったから、食べよう。
お腹すいてるんでしょ?私はおすそ分け程度にもらえたらいいから」
と言って、
エビニラ饅頭を、
ふぅふぅしながら、運転中の夫の口に持っていった。

すると、「あつっ!!」と、夫、動揺。

「あ、わりぃ。まだ熱かった?」と聞くと、
「わざとやろ!!」と、キレた感じで怒ってきた。

そういうつもりはなかったが、
「はいはい。わざとでございました。すいませんねー」と、
答え返して、
お弁当のほとんどを、私が食べることとなった。

軽く、険悪。

なんか、何かを食べたという気に、
ふたりともならなかった。

やがて、大日について、
ペットショップで、子犬を見たりしながら、
空気は緩和されて、映画を見る頃には、
フツーに戻っていたけれど。

映画は、
私は『涙そうそう』よりよかったです。
夫に感想を聞いたら、
「イチカワタクジ(映画の原作者)……う~ん……」
とつぶやくだけだったけど、
どうやら、『涙そうそう』のほうがよかったみたい。

長澤まさみは、今までの映画やTVの中で、
一番大人の女性風なテイストだった(まだまだだけど)。

少女から大人へ、ぐらいの女性が好きな夫だから、
『涙そうそう』なのだろうなぁと、多少シラける気持ちで、思う。

少年の心を持つ男性を、嫌だとは思わないが、
いつまでも少年、というのは、ヤだな、
と思う今日この頃。

長澤まさみが、成熟していけば、
きっと彼は、次の女性(少女)のある一定期間の輝きから、
エネルギーをもらおうとするだろう。

別にかまわないけれど、
やっぱり巻き込まれるのは、かなわんなぁ。

     ★

家に帰る頃には、もう、0時をまわっていた。

「お腹すいたんだけど……」と、
申し訳なさげに夫がつぶやく。

「もう、ねむいんだけど……」と、
嫌そうに、私がつぶやきかえす。

たとえ、ヤバイ豚肉があったとしても、
もう、調理したくない。

栄養なさすぎ、と思いつつ、
冷凍ご飯をチンして、お茶漬けをして食べさせる。

そして、フライパンやお弁当箱を洗いながら、

「おい、TV見ながらでいいから、洗いモン拭け!」

と、眠気が入っている分、目を据わらせながら、
手伝わせた。

夫はイヤイヤ拭いていた。

イヤイヤ、イヤイヤ。

イヤイヤでなく、ふたりで過ごせるものを、
探したり、作ったりするほうが、
日に日に難しくなっていくなぁと思ってしまった。

ま、こんなことは、うちの夫婦特有ではないけれどね
(↑と、思いたいだけだったりして・笑)。

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