チェックアウトが11:00だったので、
ギリギリまでいて身支度をした。
新幹線は、14:56(ぐらいだったと思う)。
さて、どこへ行こうか。
と、さまよい歩けば、コーヒーショップ。
入るべ。入るべ。
★
スケジュール帳などをめくって、
仕事の予定や、簡単な日記を書き込んでいたら、
なにやらトイレに行きたくなった。
あぁ、何故に着物を着る前じゃないの……。
と、自分のからだに言っても仕方なく。
トイレに行く。
そこには、
「女性専用」「男女兼用」の
ふたつのトイレがあった。
そのうち、
「女性専用」の前には、女性が立っていた。
並ぼうとしたが、
道中着を着たまんまであることに気がついて、
一旦、1Fの自分の席に戻って、
道中着を脱いでから、再び2Fにあるトイレへ向かう。
すると、先ほどいた女性はいなくなり、
「男女兼用」のところから、男性が出てきた。
あなたが女性なら、
①男性が来た時、待たせるかもしれないから、「女性専用」で待つ。
②パッパとコトを済ませりゃいいんじゃい!「男女兼用」に入る。
の、どちらを選びますか?
★
私はね、②だったんですね。
お腹のドンドコ具合も、少し高鳴りが激しくなり始めましたし、
「『男性専用』になってないんだから、早いモン勝ちっしょ!」
という思いがあったので。
ところがね、着物なんでございますがな。
どれだけ焦っても、丁寧にしなければならないところは、
丁寧にするしかないんでございますがな。
また、トイレ空間は縦長で、広かった。
着物を着ている者にとっては、ありがたいスペースだった。
いろんな条件が重なって、
もしかしたら、
私は時間を優雅に使っていたのかもしれない。
優雅に順序だてて、
洋式に座っているときだった。
「ガチャガチャガチャ!!」
と、
ドアノブを回そうとして、回らない音がした。
びっくり&脅威。
★
優雅だった時間は、崩壊したが、
順序だてて丁寧にするしかない動作を、
崩壊させるわけにも行かず。
とにかく、着物を直していく。
うんしょ。うんしょ。うんしょ。うんしょ。
そして、
「さ、手を洗わなければ」と思ったときだった。
また、
「ガチャガチャガチャ!!」
と、回し損ねるドアノブの音が。
一番最初に音がしたときは、
縦長のトイレの空間だったので、
洋式に座っていては、
内側からノックをし返す距離になかった。
がしかし、今は自由に動ける身。
「入ってますよ」の合図として、
内側から軽くノックをし返して、
洗面所のところへ向かおうとした。
すると、
「ドンっっ!!」
と、ドアを大きく殴るか、蹴るかした、
怒りのこもった音がした。
私は少し、身震いがした。
怖いですよ~!
小さな部屋のドアを、大きく叩くか蹴るかされたら、
心理的に、圧迫されますよ~!
とにかく、早く出なければ。
私に全く非がないとも言い切れないのだ。
あわてるな。あわてるな。相手の出方を見なければ。
ところが。
★
ドアを開けたところには、誰もいなかった。
「女性専用」のところにも、どこにも。
ただ見えたのは、トイレと、喫茶室を区切った、
衝立の壁。
①蹴るだけ蹴って、お店を出たのか。
②一旦席に戻って、どこかで見ているのか。
③はたまた、相手は女性で、「女性専用」が開いたので入ったのか。
私は、②とみなした。
この衝立から出ると、どこかで視線が注がれるかもしれない、
と、仮定し、
開き直って、
「ま、男女兼用のおトイレでしたので、仕方ないでしょ?
着物着ているし、申し訳なくってよ!」
という気構えで、
背筋を伸ばして、ツンとして、1Fの席に戻っていった。
座って、しばらくしてから、
「あー怖かったー!!」と深いため息をついて、
待っていた人に対して、
少し申し訳ない気持ちで思いを馳せた。
ラージサイズで注文していたコーヒーは、
冷めていたけれど、まだ残っていて。
持ってきていた、文庫本を読み始める。
すると、クールダウンしてきたのだろう。
あの「ガチャガチャガチャ!!」という音が、
頭の中で甦った。
ガチャガチャガチャ、ガチャガチャガチャ……。
ん?なんで「ガチャガチャガチャ」なんだ?
と、ふと思った。
普通、
エチケットで考えると、
いきなりドアノブはないよな。
ドアノック、一度もされてないよな。
その瞬間、ほんの少しあった、申し訳ない気持ちが蒸発した。
ドアノックもなく、いきなりドアノブ。
そして、ドア殴り(か、蹴り)。
キレるの、はや!!
不意に、行きの新幹線で、名古屋を出たあたりのアナウンスで、
「お客様にお願いいたします。
座席には、かばんを置かず、譲り合っておかけください」
と言っていたのを思い出した。
「え~!!そんなことを公共のアナウンスで言わないと、
かばんを置いて、席を譲らないお客がいるっていうの!!」
と驚いたことを思い出した。
どうやら、私の無意識は、
このふたつに、ある共通点を見出したようで。
コーヒーショップを出ると、昨日と同じ冷たい強風。
心の中にまで、寒々と吹き荒んだ。
ギリギリまでいて身支度をした。
新幹線は、14:56(ぐらいだったと思う)。
さて、どこへ行こうか。
と、さまよい歩けば、コーヒーショップ。
入るべ。入るべ。
★
スケジュール帳などをめくって、
仕事の予定や、簡単な日記を書き込んでいたら、
なにやらトイレに行きたくなった。
あぁ、何故に着物を着る前じゃないの……。
と、自分のからだに言っても仕方なく。
トイレに行く。
そこには、
「女性専用」「男女兼用」の
ふたつのトイレがあった。
そのうち、
「女性専用」の前には、女性が立っていた。
並ぼうとしたが、
道中着を着たまんまであることに気がついて、
一旦、1Fの自分の席に戻って、
道中着を脱いでから、再び2Fにあるトイレへ向かう。
すると、先ほどいた女性はいなくなり、
「男女兼用」のところから、男性が出てきた。
あなたが女性なら、
①男性が来た時、待たせるかもしれないから、「女性専用」で待つ。
②パッパとコトを済ませりゃいいんじゃい!「男女兼用」に入る。
の、どちらを選びますか?
★
私はね、②だったんですね。
お腹のドンドコ具合も、少し高鳴りが激しくなり始めましたし、
「『男性専用』になってないんだから、早いモン勝ちっしょ!」
という思いがあったので。
ところがね、着物なんでございますがな。
どれだけ焦っても、丁寧にしなければならないところは、
丁寧にするしかないんでございますがな。
また、トイレ空間は縦長で、広かった。
着物を着ている者にとっては、ありがたいスペースだった。
いろんな条件が重なって、
もしかしたら、
私は時間を優雅に使っていたのかもしれない。
優雅に順序だてて、
洋式に座っているときだった。
「ガチャガチャガチャ!!」
と、
ドアノブを回そうとして、回らない音がした。
びっくり&脅威。
★
優雅だった時間は、崩壊したが、
順序だてて丁寧にするしかない動作を、
崩壊させるわけにも行かず。
とにかく、着物を直していく。
うんしょ。うんしょ。うんしょ。うんしょ。
そして、
「さ、手を洗わなければ」と思ったときだった。
また、
「ガチャガチャガチャ!!」
と、回し損ねるドアノブの音が。
一番最初に音がしたときは、
縦長のトイレの空間だったので、
洋式に座っていては、
内側からノックをし返す距離になかった。
がしかし、今は自由に動ける身。
「入ってますよ」の合図として、
内側から軽くノックをし返して、
洗面所のところへ向かおうとした。
すると、
「ドンっっ!!」
と、ドアを大きく殴るか、蹴るかした、
怒りのこもった音がした。
私は少し、身震いがした。
怖いですよ~!
小さな部屋のドアを、大きく叩くか蹴るかされたら、
心理的に、圧迫されますよ~!
とにかく、早く出なければ。
私に全く非がないとも言い切れないのだ。
あわてるな。あわてるな。相手の出方を見なければ。
ところが。
★
ドアを開けたところには、誰もいなかった。
「女性専用」のところにも、どこにも。
ただ見えたのは、トイレと、喫茶室を区切った、
衝立の壁。
①蹴るだけ蹴って、お店を出たのか。
②一旦席に戻って、どこかで見ているのか。
③はたまた、相手は女性で、「女性専用」が開いたので入ったのか。
私は、②とみなした。
この衝立から出ると、どこかで視線が注がれるかもしれない、
と、仮定し、
開き直って、
「ま、男女兼用のおトイレでしたので、仕方ないでしょ?
着物着ているし、申し訳なくってよ!」
という気構えで、
背筋を伸ばして、ツンとして、1Fの席に戻っていった。
座って、しばらくしてから、
「あー怖かったー!!」と深いため息をついて、
待っていた人に対して、
少し申し訳ない気持ちで思いを馳せた。
ラージサイズで注文していたコーヒーは、
冷めていたけれど、まだ残っていて。
持ってきていた、文庫本を読み始める。
すると、クールダウンしてきたのだろう。
あの「ガチャガチャガチャ!!」という音が、
頭の中で甦った。
ガチャガチャガチャ、ガチャガチャガチャ……。
ん?なんで「ガチャガチャガチャ」なんだ?
と、ふと思った。
普通、
エチケットで考えると、
いきなりドアノブはないよな。
ドアノック、一度もされてないよな。
その瞬間、ほんの少しあった、申し訳ない気持ちが蒸発した。
ドアノックもなく、いきなりドアノブ。
そして、ドア殴り(か、蹴り)。
キレるの、はや!!
不意に、行きの新幹線で、名古屋を出たあたりのアナウンスで、
「お客様にお願いいたします。
座席には、かばんを置かず、譲り合っておかけください」
と言っていたのを思い出した。
「え~!!そんなことを公共のアナウンスで言わないと、
かばんを置いて、席を譲らないお客がいるっていうの!!」
と驚いたことを思い出した。
どうやら、私の無意識は、
このふたつに、ある共通点を見出したようで。
コーヒーショップを出ると、昨日と同じ冷たい強風。
心の中にまで、寒々と吹き荒んだ。