スキあらば、買い忘れるペン。

ひつこく、２０日の日のことを（笑）

銀行で、お給料の振り替えも終わり、
樹からお土産をもらい、
実家でのお昼ごはんも食べて、
自宅に一旦戻る。

お給料を取りに行こう。
そして、
阪急三番街のカンテで、五行歌を読もう、書こう、
と、再び身支度をしなおす。

何冊かの通帳を、
またいつものところへ戻して……というところで、
思い出した。

そうだ。本部協力金をまだ振り込んでいない。

私は、
歌会用のかばんの中に入れてある、
皆さんからの歌会費を取り出す。

そのかばんから、コロっとでてきた、一本のペン。
折れたその、プラスチックの柄のところまで。

うぎゃー！！すっかり忘れてた！！

　　　　　★

そのペンは、楽人さんのペン。

この前の、７月の東大阪歌会の時、
私がお借りしたペン。

そう。それは、
まさに楽人さんが、
誰かの歌について発言している真っ最中の時だった。

私は、完全に無意識に、
そのペンの柄の引っ掛けるところを、
指先で引っ張っては「パチン☆」と離して、
と、いう動作をしていた（らしい）。

いつもやっているんだろうか。ちょっとよくわからないけど。

何度目かのその動作のときに、
とうとう柄が耐えれなくって、

「ポキッッ」

という、音を立てて、
折れてしまった。

楽人さんから借りている、
あぁ、人から借りている、
ペンの柄を折ってしまったのだ。
（重ねて、楽人さんの話の腰も折ってしまった××）。

全面的に、弁解の余地なく、私が悪い。

自己嫌悪に押しつぶされるかのように、
謝りまくる。

来月の歌会には、必ず弁償する……と、
あれほど言ったのに。

今日の今日まで、忘れてた。うぎゃー！！

梅田で、忘れずに買わなくちゃ、と、
歌誌『五行歌』７月号にはさんで、
出かける。

　　　　　★

お給料をもらって。梅田まで出て。
本部協力金を振り込んで。
阪急三番街のカンテで、チャイをオーダーする。

テーブルには、
歌誌と、次の仕事用のレポート用紙や領収書。

先に、レポート用紙の書けるところや、
領収書にシャチハタ印を押したりするのが、
最近の私の喫茶店へ入ったときに、
最初にする儀式。

まだ、そこに、楽人さんのペンの存在は、
私の中にあった。

儀式を滞りなく終えて、チャイがやってきて、
歌誌を読み始める。

私は、好きな歌に、○とか、◎とか、△とか、
つけながら読むクセがある。

忘れないように、
折れた楽人さんのペンでそれもする。

ウォームアップが出来てきて、
自分の歌を推敲したくなってきた。

私は、自分の歌は基本的に、
濃紺のペンを使っている。
別に「これでないと歌がかけない！！」って訳じゃないけど、
黒と濃紺のペンがあれば、濃紺のペンのほうを選ぶ。

で、今回は、濃紺のペン、持ってきていた。

楽人さんの緑色のペンと濃紺の私のペン。
もちろん、自然に、
濃紺の私のペンを使い始める。

１時間ほど、集中したと思う。

今日はここまで、と、区切りをつけて、
店を出る。

店のドアの横には、
アジアンな小物が置かれている。
「あら、この生地。着物のなんかに使えるのでは」
と、しばし物色。でも買わない（笑）

地下鉄の駅へ向かう。

その途中で、
ちょっとしたファンシー文具が
売られているお店に引っかかる。

なんで引っかかったのか、よくわからない。

中に入ると、一番初めに目についたのは、
グリーティングカード。

「あぁ、そういえば、あの子は、７月生まれだったな。
もう終わっちゃったかな、誕生日。
でもまぁいいや、カード送ってあげよう」

と、最初に目に飛び込んだものに、
どんどん気持ちが、
辻褄を合わせて染まっていく。

物色。今度は買う。

お金を支払って、我に返る。

「ひょっとして、このお店に引っかかったのは、
ペンを買いたかったから？
そんな私に、私は気づかなかった？？？（や、ややこしい……）」

急にタマシイが戻ってきたかのごとく、
ハッとして、
お店をぐるりと見回す。

でも、ファンシーなものばっかりで、
スタンダードなペンは置かれていない。

やばい。すっかり忘れてた！！
……って、今何時よ。……もう６時！？

おそらく、ここで諦めて、
地下鉄の駅へ向かったら、
もしかしたら、夫とバッタリしていたかもしれないが、
そんな運命は、簡単にちょん切って（笑）、
私は、阪急百貨店に踵を返す。

……でも、百貨店て、意外とないのよねぇ。

「このペンはね、なかなか見つからないよ。
私もね、探したのよ。
っていうのも、
このペン入れ（２本ほどしか入らない細いもの）に入るものを
ってことで、ようやく見つけたサイズだし
ほら、このシャーペンも細いでしょ？
これを入れて、かつ、入るペンってことで、
やっと見つけたんよ。
まぁ、色はね、濃紺でもいいかなぁとは思っているけどぉ～♪」

と、ニヤッと意地悪く（？）楽人さんに言われたのを思い出す。

同じメーカーの緑色のペンは、
阪急百貨店にはなかった。

梅田の文房具専門店をいくつか思い出したけど、
今、そこへ行くには、ちと遠い。

もうこれ以上うろちょろすると、
晩御飯を作る余力がなくなる。

私は、諦めて、帰路に着く。

すでに夫が帰ってきていて、
パンをむしゃむしゃと食べているとは知らずに。

冷蔵庫に、
その前日の仕事先で買った、
お惣菜が沢山残っていたことも忘れて。

　　　　　★

あれから、数日が過ぎて。

「楽人さんのペンのことは、
ブログに書こう。ブログに書こう」

と、思うことでリンクさせて、
買わなければいけないこと、忘れてはいません。

が、緑色の同じペンは、未だに見つかりません。

歌会まで、あと１０日ほど。

果たして、全く同じペンは見つかるのでしょうか。

う～ん、『走れメロス』的な気分だ（笑）