日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

朝青龍から、いろいろ思う。

2007年07月26日 | 言葉や思いをめぐらす日々
ちょっと、タイミングがずれていますが、
お相撲のことを。

と、言っても、
新大関琴光喜さんのことではなく。
旭鷲山さんの「え?金山の採掘?暴力団??
な、話でもなく。

今回優勝した朝青龍を見て。

日曜日のスポーツジムで、
たまたま強制的に見てしまった(笑)、
千秋楽で思ったことだけど。

     ★

私はどうも、
朝青龍が苦手だ。
嫌い、じゃなくて、苦手。

嫌いになれないのは、
やっぱ、あれだけ勝ててるってことは、
ちゃんと努力しているってことだろうから。
(八百長疑惑は、私の中では保留中です・笑)
結果を残せている人は、認める。
嫌いという感情を超越させる。

でも、心から好きになれないのは、
勝った瞬間に、「勝った~!!」という、
表現が漲っているように見えるから。

すごく、古臭い日本人的感覚なのかもしれないけれど、
本当に強い人が、
「俺は強いんだぞ!!」と誇示しているパフォーマンスが、
私は苦手だ。
なんていうんだろう……威厳を感じない。
相撲に限定してなのかもしれないけど。

まだ、若貴が仲が良くて、
家族ぐるみで
スペシャル番組とかに出演したとき、
貴乃花が印象に残った一番として、
ある取り組みを取り上げたんだけど、

「ただ、あの時、相手を倒した瞬間、
『倒したぜ!』という感情を顔に出してしまった。
その顔は、負けた相手に対して失礼だったと反省している」

みたいなことを言っていた。

確かに、そういう感情がむき出しの表情だった。

司会者とかは、
「そんな反省するだなんて!」みたいなことを言っていたけれど、
貴乃花のそういう品性って、いいな、と共感した。
(でも、お兄ちゃんのほうが、今も昔も好きだけど・笑)

あぁ、横綱の品格って、
そういうところなんだな、って。
見習いたいな、って。

そう。
どういうスポーツをしていたって、
強い人には、
見習いたいとか、尊敬したいとか、
そういう気持ちまで持たせてくれないと、
心底ファンになれない。

だから、ボクサーの亀田さんたちも、
単純に、ひく。
例え、TV画面上のパフォーマンスだったとしても、
そんなところを間引くほど、
思いやりを持って見る気なし。

     ★

でも、特に貴乃花の場合は、
どんなお相撲さんよりも、
小さい頃から、お相撲さんの世界を、
よく知っているから、
ああいう品格が、自然と滲み出たのかな、
という気もする
(マスコミ対応は不器用だなと思ったけど。
相撲の世界のしきたりや土俵のところではね)。

いや、お相撲さん家族じゃなかった、
北の湖(私の知ってる歴代の中で、一番好きかも)
にしたって、
ちゃんと威厳があったしなぁ(例える横綱が古い?)。

そう思うと、
朝青龍なんて、
偏見でもなんでもない、
単なる事実として、
モンゴルの人だからなぁ、と、
思ってしまう。

断定的にはいえないけれど、
やっぱ空気感覚で身につけた、
考え方が違うんだから、
勝ったときの表現の仕方が違うからと言って、
品格がどうのこうのなんて、
やむを得ないよな、と思う。

「何を以って良しと思うか」が、
違うっていうのは、どうにもならない気がする。

それによって起こるトラブルや誤解も、
避けきれないだろうなぁ、と。

私のような見方をする人にも、
耐えなければならないんだから、
大変だよなぁ。

     ★

でも、だからと言って、
外国の人が、
横綱になるべきではない、という、
考え方は、持っていない。

滲み出てくるものは、仕方ないとしても、
「郷に入れば郷に従え」ということさえ、
自覚している人であるならば、
どんな国の人が横綱になったっていいと思う。

人気も実力も認めるけれど、
尊敬はしない私なんか気にしないで(しねーよ!)。

それにね、
そういう「品格」な問題とは別にね、
グローバルなものの見方で思うと、
他の国の人が、その国の国技のトップっていうのは、
ひょっとして、
一番素晴らしい文化交流で、
一番大きな外交になったりしてないかなぁ、と、
思ったりしたの。

ふとね、
朝青龍のおかげで、
もしも仮に、モンゴルと日本が
戦争前のきな臭い状態になったとしても、
簡単には戦争しにくいんじゃないかと思ったの。

モンゴルは、
朝青龍を横綱に認めた、
相撲の世界の懐の深さを見たら、
銃を向けにくいんじゃないかなってね。

自分の国の英雄を見出した他国を攻撃するのって、
簡単に、単純に、戦争に突っ走らせない、
思いとどまろうとする、
大きなストッパーには、なるんじゃないだろうか。

まぁ、現実は「それとこれとは別」っていうレベルで、
起こるときは起こるのかもしれないけれど
(いや、起こらせてはいけないのだけれど)、
人の単純に、簡単に、突っ走ろうとする感情に、
一石を投じる事実になるんじゃないだろうかと。

そういう風に考えると、
アメリカのお家芸(?)の、
ホットドック早食い大会で人気者になった、
小林さんの存在も、
ひょっとしたら、何らかのストッパーになるのかもしれない。

文化交流って、大切だな、
世界平和って、
こういうところから、根付くと、
崩れにくくなるんじゃないかなぁ、って。

ほら、
思いと相反することをするのって、
とても辛いことだし、
それを長く続けると、
人って弱いから、自滅するでしょ?だから。

     ★

あぁ、でもでも、
またまた、
ちょっと関係ない話になるけれど、
今年の新弟子さんは、誰もいなかったとか。

もはや、数十年後、数百年後、
相撲に限らず、
自分の国の伝統を受け継ぐ人は、
他国の理解ある人が
担っているのかもしれませんね。
なんとなく、そういうことを、
今から覚悟してしまう(っていうか、死んでるよな、多分)。

途絶えてしまうよりはいい柔軟な考えだと
思っているけれど、
今から諦めてる自分の、なんと寂しいことだろう。

とりあえず今は、
でっかいことは置いといて、
自分が渡せるバトンはなんなのか。
朝青龍を、
スポーツジムで横目で見ながら、
静かに思いを巡らせます。

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1 コメント

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う~ん……、朝青龍……。 (いなだっち)
2007-07-27 08:01:05
これを書いた後、
TVで、
夏巡業を仮病(骨折)でサボって、
モンゴルへ帰郷して、
サッカーの中田英寿に誘われて、
慈善事業かなんかで、
サッカーをしたとかとか……。

本当なのかどうか、よく知りませんが、
ここに書いているような、
善良な見方をする気力が
失せるようなことを言われてて、
とても悲しくなりました。
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