日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

五行歌とお金と信用

2006年03月15日 | 五行歌な日々
九州の全国歌会の直後だったので、2000年の秋から冬にかけてだったと思う。

ふとしたことから、
全国歌会の時、
ある関東の五行歌の方と、
簡単な会話をした。

それから大阪に帰ってしばらくして、
その方からメールをいただいた。

その方の仕事の関係で、
関西の主婦100人に、
アンケート調査をしたいので、
知り合いを紹介してほしいと言う。

アンケートに答えてくださった人には、
商品券、
人を紹介したら、ひとりにつき、
いくらか(←忘れた)謝礼も出します。
と連絡があった。

知り合いと言っても、
私の場合、大半は五行歌関係の人たちが占める。

私は迷った挙句、お引き受けした。
ただ、商品券はともかく、
謝礼はお断りさせてもらった。

五行歌の人から、お金を受け取るのは嫌だった。
やるなら、ボランティアで、と考えて、
引き受ける決心をつけたからだ。

が、現実は、

謝礼を受け取ってほしい、いらない、の
押し問答を、並行しながら、
同時進行的に、
五行歌関係の人、関係ない人、
いろんな人に声をかけて
協力するかたちとなってしまった。

で、商品券のことは、
声をかけた人にちゃんと伝えながら、
お願いしたのだが、

人の紹介の、
謝礼のことに関しては、
お断りするつもりでいたので、
最初は言わなかった。

が、しかし。

やはりそういうものには、
謝礼があると知っている人はいるもので、
結局、言わずにいると、
私が着服すると思われてしまう場面が、
何度かあり、
いただかざるを得ない状況となってしまった。

しかし、このように、
出発点に一致を見ないまま、
コトを進めてしまったがために、
「紹介したら、お金がもらえる」ということを、
誰にちゃんと言い、誰に言わなかったか、
私の中でわからなくなってしまって、
軽くトラブってしまった。

と、言っても、
五行歌関係の人は、
後から説明しても、
もう殆どの人が、
お金を受け取らなかった。

軽い押し問答の末、
結局、東大阪歌会に寄付してくださったり、
その歌会へ私が寄付という形で、
受け取ってもらったりした。

誰が悪いと言うわけではない。

だけど、歯切れの悪い自己嫌悪がしばらく続いた。

     ★

謝礼を受け取った後も、
ビジネスと割り切って、
これからも引き受けてほしいと、
連絡があった。

私はお断りさせてもらった。

結局、
2,3度のメールでのお話の末、
理解してもらった。

今、振り返ると、
お子ちゃまな私にとっては、
ものすごくいい経験だったな、と思っている。

その時は、苦さは確かにあったけど、
誰も損はしないまま、
「五行歌」と「お金」と「信用」についての、
線引きが学習できたからだ。

     ★

歌会は歌を見せ合う交流の場だとは言っても、
その歌の中には、
その方の「現在」が含まれている。

で、歌誌をひとりで見ているわけではないから、
歌の話の流れで、
その方が、どんなことを思い、
どんな仕事をし、どんな暮らしをしているか、
雑談レベルで、知り合っていく。

従って、
親密になるにつれ、
五行歌の歌会の場で、
何かをプレゼンしたくなる感情も、
ある一定の理解は持っているつもりだ。

だから、
例えば自分が別のところでしている、
ミニコミ誌で、五行歌欄を作りました、見てください、
という、
少しでも五行歌に関連するものを、
自己紹介のときに配布することも、
いいだろうと思っているし、

五行歌に関係ないものを、
二次会の時に、プレゼンするのも、
しょっちゅうでなければ、
社交辞令的な
薄い気持ちではあるが、
微笑んで受け取ろうと思っている。

(ただし、毎回それをするなら、
私はその人に忠告するつもりではいます。
「この人はひょっとして歌がメインではなく、
配布がメインなのか?」と疑います。
場合によっては、やめてくれと、タイマンはります)

が、そこにお金が絡むものは、
一切受け付けない。

例え、歌会で親しくなって、
個人間でのお話であったとしても、
そのお話の『場』として、
歌会や歌会の二次会を、
提供しないつもりでいる。

他人が見ているわけなのだから、
どこか別のところへ行ってしてくれ、と言うだろう。

そして、
歌会で親しくなったとはいえ、
その個人間でのやり取りの中での、
金銭トラブルには、
一切関与しないつもりでいる。

話を聞く、ぐらいはするかもしれない。
が、それは、
他の歌会の人たちに嫌な影響を与えないために、
事態を把握しておく、
ぐらいな気持ちであって、
トラブル解消のために、
あいだを取り持つ、などなどには、
一切協力しないつもりでいる。

「先ず、歌ありき」なのだ。
そして、その次にくるものは「信用」だ。

しかし、
歌の次に「お金」や
根も葉もない「人の悪口」などをはじめとする、
歌を追い越してしまいそうなものが次に来るのを、
私は一切許さない。

実際、根も葉もない「人の悪口」をいう人を、
二次会の席で怒鳴ったことがある。

もちろん、そこへ至るまでに、
オトナの寛大さを忍耐というかたちで消費する。
が、消費し終われば、ぬるいことはしない。

歌会の人が見ている前で、怒鳴る。

曖昧なものを、
全面否定する気はない。
そういうものの良さがあることは、理解できる。
だが、
曖昧さを逆手に取られるわけにはいかない。

歌も信用も、純度が命。

この世界の前では、
お金は「利」も「害」も汚染物だ。

お忘れなきように。

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