日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

「気」じゃない「場」じゃない「空気」って?①

2008年01月03日 | 言葉や思いをめぐらす日々
「空気を読む(その他語尾変化)」って言葉を聞くと、
「なんなんだろう。空気って」って、
よく思っていた。

空気……「気」じゃないのよね。
空気……「場」じゃないのよね。

「気」や「場」では、
伝えきれないニュアンスが、
最近の人と人との関係の中で、
プンプン漂っているから生まれたわけよね。

「空気」でなくっちゃ、
表現できないニュアンス。

「空気」という名前を与えられ、
実体化されたニュアンス。

実体化されたと同時に、
余計に隠れてしまった意味。

そこに潜んでいるものが、気になる。

     ★

「気」っていうのには、
いろんな意味が含まれるけど
この場合の「空気」に
限りなく匹敵する意味として、
「気を使う」「気が利く」の意の部分だけを
抽出して考えてみた。

この場合の「気」っていうのは、
相手や状況に対して、
より快適に、より効率アップの為に起こす、
自発的行動の素(もと)ってことだと思う。

その行動素は、
誰かから、
与えられるものではない。

もちろん、「気」に、
「使う」とか「利かせる」とかの、
動詞がくっついているんだから、

「気を使え」「気を利かせろ」

とかの、
命令形というのも成立するけど、
どちらかというと、
「命令」というよりは、
「教える」ってニュアンスのほうを、
感情的には濃くして、言葉を発しているだろう。

つまり、
相手や状況に対して、
自発的行動を起こさなかったからといって
(換言すれば、自分の内面に「気」が発生しなかったとしても)、
誰も責めない。

例え、相手や
複数の同じ状況にいる人々が、
じれったく思ったとしても、
基本的には責めない。

だって、
「気」を発生させるための、
知性というか知識というか経験というか、
そういう資源(リソース)がなかったんだから。

つまり、
内面に「気」が生まれなくても、
生まれなかったこと自体を、
責められないような、
言葉のつくりになっている。

     ★

次は「場」。

「場を読む」って言葉は、
昔からあったよな……と思って、
ネットで調べてみたけれど、なかった

ひょっとすると、
文脈を読む」ってところから、
転じたんじゃないだろうか。

あと、「場をわきまえる(漢字では『弁える』って書くんですね)」
っていう、
「場の『格』」とでもいうようなものに、
自分の態度を合わせるっていうしきたりの意が、
「文脈」にミックスされて、
「場」になったというか。

で、
あくまでこれは、
私の個人的な見解だけど、
「文脈を読む」から「場を読む」に転じていったと、
仮定し、
さらに同義語というよりは、
一致しきれないニュアンスが含まれていると考えると、

「場を読む」の意は、状況把握プラスアルファってことだ。

状況把握というのは、つまり、
認識すること、理解すること、解釈すること。
行動の一歩手前の段階の意だ。

が、「場を読む」というという言葉の裏には、
(「文脈を読む」に比べると)
「行動を起こしたい」という気持ちが見え隠れする。

行動はまだ起こしていないが、
行動したい気持ちが存在しているニュアンスがある。
さらに言えば、
状況把握の結果、
「行動したいが、我慢しようか」という方向へ、
気持ちを持っていこうとしているような。

また、
「読む」という動詞がくっついているので、
命令形ができるのだが、
「気を使う」「気が利く」の
命令形と違って、
ちゃんと強制力を持った「命令」としての言葉として、
成立する。

「場を読め」

ただし、これは、
すでに起きている行動を、
ストップさせるような強制の言葉として、
用いられているのではないか。

もう少し厳密に言うと、

度を越えた情動なのか
テンション(緊張)なのか、
エキサイトした行動、
エスカレートした行動をする
人に対して、
静かに状況把握を要求し、
行動をやめさせる時に用いられているような。

どちらにもいえることは、
状況把握の次の行動は「ストップ」だ。

プラスアルファとは、「停止(我慢)」という行動。

なので、
状況把握の上で、
状況の為に、
行動を起こすような、
あるいは、起こさせるような、
言葉のつくりにはなっていない。

これらのことを踏まえた上で、
「空気を読む(その他語尾変化)」って、
いうのは、
一体何なんだ。

     ★

2000字近くを書いたところで、
誤って一度文章を消した。トホホ。

なので、ちょっとこわいから、
これからが本番なんだけど、
一度アップします。

思考はどんどん進んでるけど、ちょっと食べなきゃ。

休憩します。

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