日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

ポン酢おばちゃん

2006年12月02日 | お仕事な日々
では、昨日のゆずポンのおばちゃんのお話。

私が少し遅刻して、
担当の人を探しているときにはすでに、
おばちゃんの準備はある程度目処がついてて、
他のメーカーのマネキンさんと、
雑談していた。

私が「おはようございます」と挨拶すれば、
なんだかめんどくさそうだった。

で、一回の冷淡さで、すべてを認識しないのが、
私の悪いところ。

自分の準備で、おばちゃんの前を通ったときに、

「ポン酢を売るんですか?」と、聞いたら、

「……そうよ。ポン酢よ(なんか文句ある!?)」
という怪訝そうなリアクションをされた。

さすがに、「あ、もうだめだ。近づかんとこ」と悟る。

ところが、本格的に準備をしていると、
今度はおばちゃんのほうから話しかけてきた。

「え!?そこで売るの?」と嫌そうなトーンそのままに。

どうやら、私のカレーの売り場が、
棚をひとつ挟んだ隣とだというのが、
とても嫌だという感じのようだった。

お客さんがやってくる方向が、
私側の方向からやってくるとわかっていたからだと、
後になってわかった。

「近すぎるわ。もっと、離れてしてくれないと、
私の試食、食べてもらわれへんやろ」という感じ。

確かに、カレーをもぐもぐ口の中に入れたら、
すぐ隣の試食には、手を出しにくいよな。
「私ってあつかましい?」みたいな、心理状態も働くし。

でも、
んなこといったって……な、ところだ。
私にしてみれば。

     ★

お店が開店し、
少し手間取ったが、
派遣元から送られてきていた電子レンジで、
カレーをチンして、販売開始。

と、言っても、客は足を止めてくれないが。

お客さんに避けられていたら、
ポン酢おばちゃんが近づいてきた。

「何を売ってるの?一個ちょうだい」と、
マッシュルームなどの具材が多めに入っている試食皿を取った。

私は、店の人に見られていないかなぁと、
少し不安になりながら、「どうぞどうぞ」と差し上げた。

私は、他の人が売っているものに、
関心がないわけじゃないけれど、
食べてみたいとか、買ってあげようとか、
そういう互助的というか、物々交換的なレベルまで、
コミットメントする気がしない。

ひととおり商品の説明を求められたので、
一応「どうせ買わないのになぁ」と思いながら、
説明をした。

すると今度は、
生野菜に、ポン酢をかけたものを、
おばちゃんが持ってきて、

「食べて食べて。おいしいから」と、
カレーを乗せたトレイの横に、置いていった。

お礼を言いつつ、
あぁ、これで同罪かぁ……。なんて思いながら、
店の人が通っていないことを確認して、
小さく丸くなって食べた。

しばらくすると、おばちゃんがきて、
「食べた?おいしかった?」と聞いてきた。

食べた、というと、私にDSを早口で言う。
そして私に食べた感想を求める。

後で様子を見ると、お客さんが捕まらないので、
私の感想を、早速、レポートに書いているようだった。
まだ、午前なのに。しかも休憩中でもないのに。

お昼も、おばちゃんは
10分早く切り上げて取り、
10分遅くもどってきて、仕事をし始めた。

それでも、15分、DSをしたら、
30分は、どっかに行っているという様子だった。

最初は、野菜を切りに、ウラへまわっているのかと、
思っていたけれど(それもあるみたいだけれど)、
他の同世代のマネキンさんのところへ行って、
いろんな話をしていたようだった。

その証拠に、戻ってくるたびに、

「このお店はあかんわ。
ウィンナーとかのマネキンさんですら、
暇をもてあましているもの。
子どもすら、試食せぇへんもん」

と、情報を収集しては、話してくれた。
(ちなみに、他のマネキンさんもおばちゃんところに、来たりしていた)

私に言わせれば、
でも、おばちゃん、もっと、この場にいて、
声だして、人呼ばな、なげてるやん、って感じなんだけど。

     ★

4:30ぐらいになって、
偶然、おばちゃんは尼崎で、
私が東大阪から来ているということがわかった。

おばちゃんは、

「それやったら、今日は6:00になったら、
即かえらなあかんで。
バス6:09やから。その次は6:49やねんから
9分のに乗ったら、新快速は6:34にすぐ乗れるし。
それで乗られへんかったら、あんた、悲惨やで」

と、いう。

6:00ジャストまで呼び込みをして、
片づけをはじめたら、
6:09には絶対に間に合わない。

だが私は、
「遅いんだったら、遅くてもいいんだけどなー」
ぐらい最初からあきらめていたし、
どうみても、
おばちゃんより、後片付けに時間がかかるのは、
明白だった。

だから、6:49で、バスを待たずに乗れてよかった、
ぐらいな心持ちで行こうと思っていた。

が、おばちゃんは、私を利用した。

仕事が終わると、
レポートに担当の人のサインなどをもらわなければならないのだが、
それは、原則6:00以降お願いできる行為なのだが、
帰りのバスの時間が、時間であること、
そして、それが困るのは、私(おばちゃんのことね)だけではなく、
あのカレーの販売の女性も同じだからということで、
担当の人に訴えたらしく、

「一緒に行こう、今担当者捕まえたから、
サイン先にもらっとこ」と言って、私を連れてウラへ回った。

時間はまだ、5:00を回っていなかった。

ズルするために、利用されたとしか思えないけど、
現実、普段の三分の一しか
お客さんが、くいついてこないので、
時間をもてあましていることも事実だったので、
いい子になって断る意欲も湧かず、
一緒にサインをもらってしまった。

その時ですら、おばちゃんは、
無意味ないちゃもんをつけてくる。

「え!?、
9:30~10:00は、時給がつくの!?
私らサービス残業やのに」とかとか。

うちは、日給で、もらっているんです……。
そんなところまで、チェックして、
つっかかってこないで……。

そんなに損することが、嫌か?おばちゃん。

     ★

いくら急いでいるとはいえ、
おばちゃんは、6:00十分前には、
すべての後片付けを終えて、一服していた。

私はと言えば、
電子レンジを直す段ボール箱が見つからなかったり、
梱包し終えたと思ったとたん、
説明書を入れ忘れたり、
宅急便で、派遣元に送り返すのだが、
サービスカウンターを探す途中で、
お客さんにいろいろ尋ねられて、
一緒になって探したりとかして、
気がつけば、6:10だった。

もちろんおばちゃんは、
バスに乗り込んだのだろう。

結局私は、
中途半端に早めに終わったかたちになり、
出口で出店の時間を用紙に記載しているときは、
6:20となっていた。

バスの時間まで、30分以上あった。

でも、6:09のバスにおばちゃんと一緒に乗って、
新快速で大阪まで、微妙に一緒というのを想像すると、
(いや、利用し終わった私は用無しになって、突き放すな。間違いなく)
こっちのほうが、まだマシかな、と思う。

都合よく振り回されちゃったなぁ~と、思いながらも、
どこか、その要領のよさを羨ましがっている自分も、
右も左もわからない、滋賀県の空の下で感じ取っていたりもした。

お元気で。もう別に会いたくないけれど(笑)

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