道を直角に、間違えて、
ひたすら歩く。
さっき、ジグザグに歩きながらも、
決して見えなくならなかった、
TV塔が遠ざかっていく。
「きっと関係ないんだ。TV塔は。
だって、今度は、地図の中でも、簡単な、
一本道を歩いているはずなんだもん。
ずっと歩いていけば、
この突き当たりに、チン電の、
線路が見えてくるはずなんだもん。
間違ってないんだもん!!」
と、事実を怪しく思うことなく、
歩き続けていく。
地図で目測した、想像以上に、
一本道を歩き続けた。
すると、線路が見えてきた。
「ほらみろ。線路に突き当たったじゃないか」
と、誰に言うでもなく、言い聞かせる。
だが、その突き当りの標識がおかしい。
絶対に、「松山市駅」のことが書かれるはずなのに、
どこにも書かれていない。
目立ったのは「松山空港」の文字だけ。
「松山市駅の近くに、松山空港があるんだろうか」
と、
これまた、都合よく勘違いして、
突き当たりを、さらにまた、
松山空港のほうへ直角に曲がって歩く。
歩く。歩く。歩く。
しかし、歩けば歩くほど、
先ほどの松山市駅前の華やいだ賑やかさとは、
かけ離れた道になっていく。
人里離れていくような……。
やがて、JRの高架が見えてきた。
くぐってさらに歩いていく。
車がびゅんびゅん通る中、
「やっぱりこれはおかしい!!!」と、
さすがに自分を疑い始める。
そんなところへ、
チン電の線路だと思っていたのに、
私鉄の電車が私を追い越していった。
「あれは確か、大手町で乗った電車と同じ!!」
さすがの私も、間違いだったとようやく気づく。
そしてようやく、地図を見直して、
ホテルをでた、最初の交差点で、
直角に道を間違えていたことに気がついた。
それでも、突き当たりの線路を見つけたとき、
「松山空港」へは行かず、
反対の道を歩いていたら、
線路沿いに松山市駅には行けたのだということにも、
気がついた。
ことごとく、遠ざかるように歩けるのも、
一種の才能なのかも……、と、
ポジティブに思って自分を慰める。
来た道を戻り、さらに、
私鉄の線路沿いの道をひたすら歩く。
ここに沿って歩けば、松山市駅。
ここを沿って歩けば、松山市駅。
しかし、歩いている途中で見つけたのは、
土橋駅というところ。
松山市駅を下ったひとつ手前の駅(と後に知る)。
いかに、反対方向の
松山空港依りに歩いていたかがわかる。
「……いや、私が目指したのは、
松山市駅のはずよ。
ここで、妥協するというの!?
道は間違っていない。
この線路沿いの道を歩けば、
松山市駅は見つかるのよ!!
なのに、妥協して、電車に乗るというの!?
電車に乗るというの!?」
と、心の中の声に叱咤され、
土橋駅を通過する。
……が、ものすごく、しんどくなってきていた。
軽くしたとはいえ、かばんも重く感じられる。
車が一台、横をかすめた。
不意にきれた。
土橋駅へUターンした。
その時、土橋駅の中に入ってきた電車。
慌てて切符を買うけれど、間に合わず。
単線列車は松山市駅へ、私を置いて去っていった。
「もう少し早く、Uターンを早くしていたら……」
と、悔やまれてならない。
田舎の列車はなかなか来なかった。
本当に、何をするでもなく、長々と待った。
ようやく電車が来て、
松山市駅にたどり着いて、
道後温泉行きのチン電に飛び乗って、
道後温泉駅に着いた時はもう、6:00だった。
こんなに、時間をかけて、
道後温泉にたどり着く人もいないだろう。
せめてもの救いは、
道後温泉駅に着いた時刻がジャスト6:00で、
からくり人形が、踊ってくれたことだ。
「あぁ、この人形を見るタイミングのために、
私は、道を迷い続けなければならなかったのね!!」と、
思うことにする。
どこまでも、ポジティブ。どこへ行ってもポジティブに。
写真右下の傘の下にいるのは、
おそらく、足湯をしている人たち。
親戚たちに、「足湯した?」とやたらと言われたが、
写真で見るまで気がつかなかった。
それだけ、時計台の「マドンナ」人形を見ながら、
「これを見るための長い道のりだったのだ!」と
ポジティブに思おうとしていたようです(笑)
そして、七転八倒は、
これだけでは終わらない。
道後温泉でも。帰り道でも。
そんな話はまた、後日。長くてごめんあそばせ(笑)
ひたすら歩く。
さっき、ジグザグに歩きながらも、
決して見えなくならなかった、
TV塔が遠ざかっていく。
「きっと関係ないんだ。TV塔は。
だって、今度は、地図の中でも、簡単な、
一本道を歩いているはずなんだもん。
ずっと歩いていけば、
この突き当たりに、チン電の、
線路が見えてくるはずなんだもん。
間違ってないんだもん!!」
と、事実を怪しく思うことなく、
歩き続けていく。
地図で目測した、想像以上に、
一本道を歩き続けた。
すると、線路が見えてきた。
「ほらみろ。線路に突き当たったじゃないか」
と、誰に言うでもなく、言い聞かせる。
だが、その突き当りの標識がおかしい。
絶対に、「松山市駅」のことが書かれるはずなのに、
どこにも書かれていない。
目立ったのは「松山空港」の文字だけ。
「松山市駅の近くに、松山空港があるんだろうか」
と、
これまた、都合よく勘違いして、
突き当たりを、さらにまた、
松山空港のほうへ直角に曲がって歩く。
歩く。歩く。歩く。
しかし、歩けば歩くほど、
先ほどの松山市駅前の華やいだ賑やかさとは、
かけ離れた道になっていく。
人里離れていくような……。
やがて、JRの高架が見えてきた。
くぐってさらに歩いていく。
車がびゅんびゅん通る中、
「やっぱりこれはおかしい!!!」と、
さすがに自分を疑い始める。
そんなところへ、
チン電の線路だと思っていたのに、
私鉄の電車が私を追い越していった。
「あれは確か、大手町で乗った電車と同じ!!」
さすがの私も、間違いだったとようやく気づく。
そしてようやく、地図を見直して、
ホテルをでた、最初の交差点で、
直角に道を間違えていたことに気がついた。
それでも、突き当たりの線路を見つけたとき、
「松山空港」へは行かず、
反対の道を歩いていたら、
線路沿いに松山市駅には行けたのだということにも、
気がついた。
ことごとく、遠ざかるように歩けるのも、
一種の才能なのかも……、と、
ポジティブに思って自分を慰める。
来た道を戻り、さらに、
私鉄の線路沿いの道をひたすら歩く。
ここに沿って歩けば、松山市駅。
ここを沿って歩けば、松山市駅。
しかし、歩いている途中で見つけたのは、
土橋駅というところ。
松山市駅を下ったひとつ手前の駅(と後に知る)。
いかに、反対方向の
松山空港依りに歩いていたかがわかる。
「……いや、私が目指したのは、
松山市駅のはずよ。
ここで、妥協するというの!?
道は間違っていない。
この線路沿いの道を歩けば、
松山市駅は見つかるのよ!!
なのに、妥協して、電車に乗るというの!?
電車に乗るというの!?」
と、心の中の声に叱咤され、
土橋駅を通過する。
……が、ものすごく、しんどくなってきていた。
軽くしたとはいえ、かばんも重く感じられる。
車が一台、横をかすめた。
不意にきれた。
土橋駅へUターンした。
その時、土橋駅の中に入ってきた電車。
慌てて切符を買うけれど、間に合わず。
単線列車は松山市駅へ、私を置いて去っていった。
「もう少し早く、Uターンを早くしていたら……」
と、悔やまれてならない。
田舎の列車はなかなか来なかった。
本当に、何をするでもなく、長々と待った。
ようやく電車が来て、
松山市駅にたどり着いて、
道後温泉行きのチン電に飛び乗って、
道後温泉駅に着いた時はもう、6:00だった。
こんなに、時間をかけて、
道後温泉にたどり着く人もいないだろう。
せめてもの救いは、
道後温泉駅に着いた時刻がジャスト6:00で、
からくり人形が、踊ってくれたことだ。
「あぁ、この人形を見るタイミングのために、
私は、道を迷い続けなければならなかったのね!!」と、
思うことにする。
どこまでも、ポジティブ。どこへ行ってもポジティブに。
写真右下の傘の下にいるのは、
おそらく、足湯をしている人たち。
親戚たちに、「足湯した?」とやたらと言われたが、
写真で見るまで気がつかなかった。
それだけ、時計台の「マドンナ」人形を見ながら、
「これを見るための長い道のりだったのだ!」と
ポジティブに思おうとしていたようです(笑)
そして、七転八倒は、
これだけでは終わらない。
道後温泉でも。帰り道でも。
そんな話はまた、後日。長くてごめんあそばせ(笑)