日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

松山あっちこっちめぐり②

2007年08月10日 | その他の日々
道を直角に、間違えて、
ひたすら歩く。

さっき、ジグザグに歩きながらも、
決して見えなくならなかった、
TV塔が遠ざかっていく。

「きっと関係ないんだ。TV塔は。
だって、今度は、地図の中でも、簡単な、
一本道を歩いているはずなんだもん。
ずっと歩いていけば、
この突き当たりに、チン電の、
線路が見えてくるはずなんだもん。
間違ってないんだもん!!」

と、事実を怪しく思うことなく、
歩き続けていく。

地図で目測した、想像以上に、
一本道を歩き続けた。

すると、線路が見えてきた。

「ほらみろ。線路に突き当たったじゃないか」
と、誰に言うでもなく、言い聞かせる。

だが、その突き当りの標識がおかしい。

絶対に、「松山市駅」のことが書かれるはずなのに、
どこにも書かれていない。

目立ったのは「松山空港」の文字だけ。

「松山市駅の近くに、松山空港があるんだろうか」
と、
これまた、都合よく勘違いして、
突き当たりを、さらにまた、
松山空港のほうへ直角に曲がって歩く。

歩く。歩く。歩く。

しかし、歩けば歩くほど、
先ほどの松山市駅前の華やいだ賑やかさとは、
かけ離れた道になっていく。

人里離れていくような……。

やがて、JRの高架が見えてきた。
くぐってさらに歩いていく。

車がびゅんびゅん通る中、
「やっぱりこれはおかしい!!!」と、
さすがに自分を疑い始める。

そんなところへ、
チン電の線路だと思っていたのに、
私鉄の電車が私を追い越していった。

「あれは確か、大手町で乗った電車と同じ!!」

さすがの私も、間違いだったとようやく気づく。

そしてようやく、地図を見直して、
ホテルをでた、最初の交差点で、
直角に道を間違えていたことに気がついた。

それでも、突き当たりの線路を見つけたとき、
「松山空港」へは行かず、
反対の道を歩いていたら、
線路沿いに松山市駅には行けたのだということにも、
気がついた。

ことごとく、遠ざかるように歩けるのも、
一種の才能なのかも……、と、
ポジティブに思って自分を慰める。

来た道を戻り、さらに、
私鉄の線路沿いの道をひたすら歩く。

ここに沿って歩けば、松山市駅。
ここを沿って歩けば、松山市駅。

しかし、歩いている途中で見つけたのは、
土橋駅というところ。

松山市駅を下ったひとつ手前の駅(と後に知る)。

いかに、反対方向の
松山空港依りに歩いていたかがわかる。

「……いや、私が目指したのは、
松山市駅のはずよ。
ここで、妥協するというの!?
道は間違っていない。
この線路沿いの道を歩けば、
松山市駅は見つかるのよ!!
なのに、妥協して、電車に乗るというの!?
電車に乗るというの!?」

と、心の中の声に叱咤され、
土橋駅を通過する。

……が、ものすごく、しんどくなってきていた。
軽くしたとはいえ、かばんも重く感じられる。

車が一台、横をかすめた。

不意にきれた。
土橋駅へUターンした。

その時、土橋駅の中に入ってきた電車。
慌てて切符を買うけれど、間に合わず。

単線列車は松山市駅へ、私を置いて去っていった。

「もう少し早く、Uターンを早くしていたら……」
と、悔やまれてならない。

田舎の列車はなかなか来なかった。
本当に、何をするでもなく、長々と待った。

ようやく電車が来て、
松山市駅にたどり着いて、
道後温泉行きのチン電に飛び乗って、
道後温泉駅に着いた時はもう、6:00だった。

こんなに、時間をかけて、
道後温泉にたどり着く人もいないだろう。

せめてもの救いは、
道後温泉駅に着いた時刻がジャスト6:00で、
からくり人形が、踊ってくれたことだ。

「あぁ、この人形を見るタイミングのために、
私は、道を迷い続けなければならなかったのね!!」と、
思うことにする。

どこまでも、ポジティブ。どこへ行ってもポジティブに。

       
       写真右下の傘の下にいるのは、
       おそらく、足湯をしている人たち。
       親戚たちに、「足湯した?」とやたらと言われたが、
       写真で見るまで気がつかなかった。
       それだけ、時計台の「マドンナ」人形を見ながら、
       「これを見るための長い道のりだったのだ!」と
       ポジティブに思おうとしていたようです(笑)
 

そして、七転八倒は、
これだけでは終わらない。

道後温泉でも。帰り道でも。

そんな話はまた、後日。長くてごめんあそばせ(笑)      

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