日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

タイムリーにガンダム見ちゃった。

2005年08月20日 | TV・映画などの日々
か、からだの調子ワルーイ。何故ならば、昨日の夜から、翌朝5時にかけて、BSで、『まるごと機動戦士ガンダム』をずーっと見てしまったからだ。

タイムリー(8月15日の日記参照)だったので、つ、つい……。

本当は、監督の富野さんのインタビューを見たら、
さっさと寝ようと思ってたのに、
富野さんのインタビューの時間帯に、
夫が帰ってきて、
ごはんの準備とか、
彼のガンダムウンチクがうるさくて(ごめん)、
ほとんどちゃんと聞けなかったことと、

意外と忘れているディテールとか、
何度も見ている故に、前に注目しなかった部分が、
急に新鮮に見えたりしたもんだから、
きっちり見たくなってしまったのだ。

     ★

話を集中して聞けなかったものの、
思ったとおり富野監督って、
偏屈な人だった。
どう見ても、インタビュアーが困っていた。
周りの人も大変だろうな、と思った。

やっぱり、すごい人とはそういうもんだ(偏見……?)。

集中せずに聞きながらも、
印象に残った話は、

子供向きを望むスポンサーを騙しながら、
アニメ好きではなく、
世間一般に通用するような作品をという志で、
作ったということ。

それが、
おもちゃ化したロボットが全然売れなくて、
6回分ほど短縮で打ち切りになった挫折。
数年後再放送で大ブームになって映画化されても、
アニメ好きにしか浸透していないと思い、
あんなに注目されてたのに、悔しい思いをしていたこと。

インタビュアーが
「社会現象とまで言われていたのに?通用してないと?」と言ったら、
「僕の世間に通用するような作品というのは、
スピルバーグやルーカスの作品のような評価です」
と返していた。

でも、実写ではなく、アニメだからこそ、
ここまでできたんだとは思っていると言っていた(と思う)。

     ★

話を聞きながら、偏屈な人の源は、
「貪欲」なんだなぁと思った。

たったひとつの底なしの欲があって、
突き進む。
その分、他の欲のハードルが極度に低い。
だから、周囲に我慢を強いらせているような気がした。

例えば、生理的なことに億劫で、クサクなりやすいとか(想像だけど……)
例えば、寛大さがなくって怒りっぽいとか(想像ですって……)

たったひとつの欲望とは、表現欲(今勝手に作った)。
しかも、その表現欲を満たす道具(アニメですな)も、
ある純粋な水の一滴のための媒体に過ぎない。

ある純粋な水の一滴……「哲学」と言ってもいいかもしれない。そういうもの。

で、すんごく、惹かれてしまうのだ。私は。
表現欲の強い人とその作品に。
完成度以前に、エネルギーが磁石のように私を引き寄せる。

が、絶対の絶対に、
日常生活の中で、関わりたくないと、強く強く思った。
別のところから、反発しあうのが目に見えているから。
対談でも嫌だ(ありえねー!)。

TV画面という一枚の壁を隔てた
この世でのいい出会いであった幸福を思う(笑)

     ★

(以下、ガンダムを知らない人には不親切な文章です)

今回三部作を一気に見て、思ったのは、
アムロの成長だけじゃなく、フラウ・ボゥの成長も、
これまたすごいな、と思ったことだった。

あの子、Ⅰの冒頭で、両親やおじいちゃんを
目の前で亡くしていたの、忘れていたのだ。

で、その冒頭があって、
アムロが急成長を遂げた頃、
アムロを遠い存在として受け入れたときの、
あきらめに近い接し方をしているところ。

少年と少女の冒頭のキャラも違えば、
成長した結果のキャラも違うという、
当たり前といえば、当たり前なのに、はっとした。

フラウは
世話焼きでお母さんぽいのが、冒頭の頃で、
やきもちも焼かず、劣等感も持たず、
ただ存在するだけで、落ち着くものをもたらす、
そういったものが最後のほうで表面化していたのが、
成長の結果として描かれている(ように私には見えた)。

ある意味、アムロの成長と真逆。

フラウって好きじゃなかったけど、
なんか、今回は好ましく思えた。

でも、なんか、こう……。
もうひとつ気がついたんだけど。

戦争モノのせいかな。
ガンダムに出てくる女の人って、
すごく我慢を強いられているようにも、
初めて思った。

子供の頃から、
感情移入を抵抗なく
アムロやシャアとか、
男の人たちに、同化してたのが、
今回はかなり女の人にしていた。

子供の頃に、女の人に同化してたら、
好きじゃなかったかもしれない、ガンダムって。

ガンダムに登場する女の人たちの悲劇を、
今までのように、ひとごとのように思わなかったのが、
今回の最大の発見だったかもしれない。

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2 コメント

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Unknown (稲本)
2005-08-21 13:56:13
ファーストガンダム…弟が(強調)好きでした。

今でも、ガンプラ(ガンダムのプラモデル、の略)買ってます弟(30)は。



弟が見ていたので、なんとなく大筋の話や大きなエピソードは憶えているのだけど、

フラウのその成長の結果、というのにあらためて興味を持ちました。

ファーストだけみると、

フラウはアムロを好きで(マチルダさんにヤキモチやいてたりしたよね)、

オンナノコの願望的思考では

「きっとアムロとフラウはいつかけっこんするのよ」

みたいに自分はどっかで思っていたのですよ、なのにハヤト(以下、Ζガンダム等に続くわけだが)。

女性は、セイラやミライのように最前線にたとうとも、やはり支えの存在であるようにおもいます。

支えである故に我慢を強いられるのでしょうか。









しかし。

私は



ブライト艦長が19歳



と知ったときのショックが今でも忘れられません。

てぃーんえいじゃーかよ…。







オトナになってから、もう一度アニメをみなおすと、さまざまな意図や発見がみられますよね。

『鋼の錬金術師』もおもしろいですよ☆



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フラウ・ハガレン (いなだっち)
2005-08-22 12:43:45
そうそう。フラウ、マチルダさんにやきもち焼いてた(笑)



安彦良和さんが確か今、ファーストガンダムのマンガを書いていて、

どこまで進んでいるか知らないけど、

夫がちびちび買っていて、

最初のほうで、

「フラウって、どっか、戦争のせいで気が狂ってるわ」

とつぶやいた箇所があって、

(TVシリーズにしかないエピソードなんだけど)

私はそうは思わなかったけど、

そのエピソードから考えても、

よくよく見ると、アムロに負けず劣らず、無鉄砲だったよな、というのを前フリ的に数年前思っていたのも、今回の感想につながった気がします。



Ζ(ゼータ)、前の家でケーブルTVで何回も再放送していて、

本格的に見ようと思い始めた矢先、

引っ越したので(ケーブルないの……)、悔しいっす(笑)



映画、見に行きたくなってます。

(終わってるのかな?)



『ハガレン』もケーブルでところどころみて、

「奥深そう……」と思ってました。

ただ、たまたま辛い話を見たとき、

辛すぎて、連続で見ることが出来なかくなった(笑)



夫も、コミックを買ってきたけど、一巻どまり。



こういうのは、年齢とは思わないけど、

タイミングってきっとあるのでしょうね。
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