本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

血肉など

2015-04-08 09:26:08 | Weblog
 永い間、「血肉」を(ちにく)と読んでいた。「同期の桜」の二番目の「血肉分けたる仲ではないが…」では(ちにく)と歌っている。
 
 ところが、実際は(けつにく)が正調のようだ。漢和辞典によると(ちにく)は国訓とある。だいたい日本語大辞典や大辞泉には(ちにく)が載っていない。国訓とはほぼ訓読みと同じ意味だが、肉は音読みで訓読みはないから和漢混合読みといえる。
 
 血祭(ちまつり)も国訓とあり、これは完全な訓読み熟語になる。ただし、音読み熟語の(けっさい)が主とした読みらしい。一方、血道は(ちみち)であって、けつみちやけつどうとはいわないから訓読みが正しいことになる。熱血は音読みで紛れはない。
 
 元に戻って、血肉を「けつにく分けた兄弟」とか、血祭を「てめぇ、けっさいにしてやるぞ」とかではピンときませんね。訓読みのほうがすんなり頭に入る。
 
 それに「血」の字は「ち」の読みを教育漢字としている。つまり、義務教育なかんずく小学生時代に覚えろと指導されている漢字である。だから血(ち)が優先するのかもしれない。

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