さばく、漬け込む、干す――日本の「干物」がフレンチのメインディッシュに大化けする
1/27(月) 7:30配信
アーバン ライフ メトロ
さばく、漬け込む、干す――日本の「干物」がフレンチのメインディッシュに大化けする
かつて食卓の定番だった「干物」(画像:写真AC)
毎朝の食卓に「干物」、なんて今は昔?
かつて日本食の定番だった魚の「干物」。古くは奈良時代から献上物として重宝され、江戸時代には庶民の食卓に並ぶようになりました。海洋国・日本の保存食また栄養食として、長く親しまれてきた伝統の食材です。
【目からウロコ】華やかさをまとった「干物」の劇的ビフォーアフター
しかし、近年ではめっきり食べる機会が減った感があります。干物が私たちの日常から縁遠いものになっている状況は、統計データからも読み取ることができます。
総務省の家計調査によると、干物を含む「他の塩干魚介」の1世帯当たり年間支出額は、直近の2018年で5821円(1か月平均約485円)。食料品全体の年間支出(81万3023円)における割合は0.7%程度で、同じく加工食品である「加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)」の1万3611円と比べても半分以下の値にとどまっています。
ちなみに、魚介類全体の支出額は年間5万9257円。そのうち「他の塩干魚介」が占める割合は約9.8%です。肉類全体の支出額は6万9457円と魚介類より1万円以上多く、そもそも魚介類そのものが日本の食卓から遠のきつつあることがデータから見て取れます。
一方、品目別の支出額を経年変化で眺めると、ある意外な点に気がつきます。
さばく、漬け込む、干す――日本の「干物」がフレンチのメインディッシュに大化けする
干物(他の塩干魚介)・魚介類全体・肉類全体の家計支出額の経年変化(画像:総務省の家計調査を基にULM編集部で作成)
そもそも魚食そのものが減少傾向
干物(総務省家計調査における「他の塩干魚介」)の家計支出額は、2018年が5821円なのに対して、10年前の2008(平成20)年は6506円、15年前の2003(同10)年は6805円と、それぞれ約10.5%、14.5%の減。しかし、干物以上に大幅な減少傾向にあるのが魚介類全体の支出額です。
肉類の支出額が増え続けている一方で、2018年の魚介類全体の支出額は、03年比で26.4%減。15年間で実に4分の3以下に落ち込んでいるのです。
これは、逆に言えば、魚介自体の消費が落ち込むなかでも干物には一定程度の根強い需要があるということも意味しているといえるかもしれません。
そこに目を付けた会社がありました。食品のプロデュース業などを展開する「.science(ドットサイエンス)」(中央区銀座)。干物にこれまでとは異なる価値づけをしアップデートすることで、新たな需要を掘り起こそうと試みています。
伝統干物の良さを、科学的に証明する
代表を務めるのはウェブ業界でマーケティングなどの経歴を積んだ小澤亮さん。国内の農畜水産の生産者の支援に取り組むなかで、干物業界の現状を知ったと言います。
いわく、干物を取り巻く状況で支出額の減少以上に深刻なのが「古くからの生産者の減少」。
同社の調べによると、従業員数9人以下の小さな干物メーカーは、2002(平成14)年から2016年の14年間で約33%が廃業しました。工場などの大量生産に頼らない、丁寧な手仕事をする職人の数が減ってきているというのです。小澤さんが現場取材で訪れた神奈川県の小さな漁師町、真鶴町では、かつて十数軒あった干物屋の数がわずか2軒にまで衰退していると言います。
「工場生産による干物が流通の主流になるなか、価格競争では伝統の干物は太刀打ちできません。それならば、伝統製法の良さを客観的なデータとともに明示して、さらには新しい食べ方・調理法も一緒に提案できないかと考えました。価格相応の価値がある食材なのだということを、消費者に知ってもらいたかったのです」(小澤さん)
小澤さんのほか農業科学者やフレンチシェフといったメンバーで構成される同社の特長のひとつは、プロデュースする食品の価値に科学的エビデンスでアプローチすること。
地場産の魚を「さばく」、伝承の調味液に「漬け込む」、乾燥台に載せて天日でじっくり「干す」という“手間ひま製法”の干物の良さを科学的に証明するため、日本獣医生命科学大学(武蔵野市境南町)に成分分析を依頼。
結果、伝統製法のサバ塩干しは工場生産された同種の製品と比べて、グルタミン酸などのうま味成分が高く、逆に魚特有の臭みは非常に少ないことを発見したそうです。
こうしたデータに加えて、男性シェフが新たな調味液やハーブやスパイスで下味をつける製法を考案。アクアパッツァやアラビアータ、ガーリックグリルなど、従来の干物料理のイメージを刷新する華やかなメニューの調理レシピと併せて、自社ブランド「アタラシイヒモノ」商品を2018年に発表しました。
古くからの職人技術を失わないために
真鶴町で5代続く老舗干物メーカー「魚伝(うおでん)」と共同で作る「アタラシイヒモノ」は今、伊勢丹新宿店(新宿区新宿3)や銀座三越(中央区銀座4)などの百貨店で販売されているほか、人気料理雑誌「オレンジページ」とコラボレーションした調理イベントを開催するなど、少しずつ知名度と売り上げを伸ばしているそう。
商品を使った十数種類のレシピをウェブサイト上に公開し、干物になじみの薄い若い世代にも調理方法を紹介しています。
これまで全国200人以上の農畜水産の産者を訪ね歩いた小澤さんは、古くから培われてきた日本の食文化や職人の技術が、まだまだ各地に残っていることを実感しています。そしてそれらが、放っておけば廃業などによってどんどん失われてしまう恐れがあるということも。
「大量生産が当たり前の時代に窮地に追いやられる、そうした技術や文化、そして生産者を、マーケティングの力で価値づけをして支援する取り組みをこれからも続けていくつもりです」(小澤さん)
現在、干物のほかにもお餅のオリジナルブランドを立ち上げたほか、今後は「みりん」やバターなどの商品も地場生産者たちと共同で展開していくそうです。
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
1/26(日) 16:11配信
ESSE-online
家族が多くても、安い材料を使っていても、バラエティ豊かでボリュームのある食卓はつくれます!
それを実践しているのが、インスタで食費節約ワザを発信しているあみんさん。5人家族で外食込みの月の食費が3万円以下! その買い物の仕方からお買い得品を徹底的に使いまわすコツまで、たっぷり紹介します。
週の食費5000円。男の子2人も満足のリアル1週間献立
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
節約はしていてもボリュームは減らさない!
安く買った食材を使いきってボリューム献立を実現
二男を出産した直後から、本格的に食費節約に取り組み始めたというあみんさん。
「それまでは家族4人で食費が8万円超えの月も…。なんとなく買って、使いきれずに捨ててしまう食材が多かったのが原因でした」
とはいえ、家族みんな食事の時間がなによりの楽しみのため、ボリュームは絶対に減らせないのが大前提。そこで、「安く買って全部使いきる」を徹底することに。
まず、買い物方法を見直して、お肉は思いきって半額品のみ、野菜は旬の特売品を中心に、種類を多めに購入。食材の使いきりも意識して、おかずの品数を維持しつつ、ボリュームたっぷりの献立に変えていったそう。
「半年後には、食費も週5000円までダウン。外食も含めて月の食費は2万8000円に! なにより家族が喜んでくれるのがうれしいですね」
●あみんさんの食費節約の流れ
<予算>週5000円でやりくり
5000円×4週分の2万円で、肉や野菜などのその週使いきる食材を購入。残りの8000円は米代(30kg5000円前後)と外食(月1~2回3000円前後)に回します。
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
買い物前はガラ~ン
<買い物>週末に2つのスーパーで1週間分をまとめ買い
買い物に行くのは、前週に買った食材をすべて使いきり、冷蔵庫がからっぽになってから。特売や値引きのタイミングに合わせて、肉を買う店(予算1500円)と、それ以外を買う店(予算3500円)の2店舗を使い分けています。
<献立決め&下ごしらえ>メニューを決め、肉はその日のうちに下ごしらえ
買い物した当日、半額で購入した肉をメインに1週間分の献立をメモし、使う食材をふり分け。肉はすべて下処理後に下味をつけておき、火をとおす直前の状態で冷凍保存。
家族5人で食費週5000円!を実現する1週間分の食材の使い方
食材は、週末に2つのスーパーで購入するというあみんさん。
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
esse
買ってきた食材をほんの少しもムダにせずに使いきる、そのワザとは?
●野菜:肉と組み合わせておかずをボリュームアップ!
その日の特売品から旬のものを10種類を目安にセレクト。
「肉料理には必ず野菜を加えるのがルール。ボリュームが出て栄養バランスも整います。モヤシ、キャベツ、小松菜は、おかずのかさ増しになるのでよく買います」
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
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<野菜はスーパー以外でも。農家の直売や家庭菜園も活用>
散歩ついでに農家などにある直売の採れたて野菜を格安で購入。また、庭で数種類の野菜を育て始めてからは、食卓がさらに豊かに!
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
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<家庭菜園の野菜は、ソースや漬物にして保存>
たくさん採れた野菜は、簡単な漬物やソースにして冷凍。夏に大豊作だったキュウリは漬物にして夫の晩酌のつまみに、トマトはソースにしてパスタなどに。
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
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●肉:下味冷凍でムダと手間をカット!
半額セールを狙って店へ行き、10パック(約3kg分)を目安に肉を購入。
「豚4:鶏4:牛2の割合で買って、帰宅後すぐに下味をつけて冷凍。下味の種類をシールに書いて貼り、クリップで保存袋につけておけば中身も一目瞭然」
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
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タテ収納で取り出しやすく!
<こんな下味をつけて冷凍>
・豚バラ切り落とし肉:豚丼用
タマネギの薄切り、しょうゆ、酒、砂糖、白だし、ショウガ
・牛切り落とし肉:牛焼き肉用
しょうゆ、酒、砂糖、ニンニク、ゴマ油
・豚トンカツ用肉:トンテキ用
オイスターソース、しょうゆ、みりん、砂糖、ショウガ、ニンニク
・鶏モモ肉:塩から揚げ用
塩、しょうゆ、酒、ゴマ油、ショウガ、ニンニク
・豚ロースショウガ焼き用肉:豚のショウガ焼き用
しょうゆ、酒、みりん、ショウガ
●半端食材:食材が余ったら“副菜もう1品”で使いきり
食材が少しだけ余ったら、冷蔵庫のすみにつくった「半端食材コーナー」へ。野菜はもちろん、毎週レギュラーで購入するちくわやカニかまも、1~2本余ったらこのコーナーへ移動。副菜や汁物の具にして使いきります。
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
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半端食材コーナーで使い忘れを防止!
5人家族で食費週5000円。買い物リストと下味冷凍レシピを大公開
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<余ったちくわ2本で!チリちくわ>
輪切りにしたちくわとタマネギのみじん切りをゴマ油で炒め、ケチャップと豆板醤で味つけ。クセになるピリ辛味で、ご飯もすすむ!
買い物の仕方と食材の使い方を見直したら、半年後には食費が週5000円までダウン。あみんさんのケースを参考に、まずは買い物習慣から見直してみるのもおすすめです。
●教えてくれた人
【あみんさん(34歳)】
会社員の夫(33歳)、長女(7歳)、長男(4歳)、二男(2歳)の5人家族。週4日、経理事務のパートへ。食費節約や家計管理について、インスタグラムで発信
<撮影/林ひろし 取材・文/ESSE編集部>