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給食かわり「ハマ弁」1食に市費6千円 横浜、16年度

2018年03月26日 | 政治社会問題
給食かわり「ハマ弁」1食に市費6千円 横浜、16年度
3/26(月) 7:24配信 朝日新聞デジタル
給食かわり「ハマ弁」1食に市費6千円 横浜、16年度
横浜市の「ハマ弁」(市教委提供)
 中学校給食を実施していない横浜市が、給食のかわりに導入した配達弁当「ハマ弁」の市費負担が、2016年度に1食あたり6313円にのぼったことがわかった。17年度は改善したが、それでも1食2千円程度となる見通し。利用率20%を想定したのに、実際は1%台に低迷しているためだという。

 20日の市議会予算特別委員会で、井上桜市議(無所属)の質問に林文子市長と岡田優子教育長が答えた。

 ハマ弁は16年7月から段階的に提供が始まり、17年1月に市内全中学校に広がった。民間業者が調理・配達を担い、生徒(保護者)の自己負担と市費で運営されている。

 答弁などによれば、16年度の提供数は計4万7825食。初期投資を除いた市費負担は3億192万円だった。1食あたりで公費が6313円投じられた計算だ。
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長生き怖い…低所得層転落、移民送還で介護士不足。米国理想の老後はどこへ

2018年03月26日 | 政治社会問題
長生き怖い…低所得層転落、移民送還で介護士不足。米国理想の老後はどこへ
3/25(日) 10:00配信 THE PAGE
医療の発達による社会の高齢化は、とりわけ先進国間に共通の問題でもあります。米国でも1946年~64年に生まれたベイビーブーマー世代が、次々に65歳の壁を超える時代に突入しており、現在65歳以上の人口は4600万人ほど。2060年には2倍以上の9800万人となり、総人口の24%近くを占めるようになると言われています(Population Reference Bureau調べ)。

平均寿命も1950年の68歳から2013年には79歳に伸びました。そこで今回は、先進国の多分にもれず高齢化社会の道を突き進んでいる米国の老後のあり方について、老人ホーム事情などを中心にまとめます。

ニューヨーク・ブルックリン在住のライター金子毎子さんの報告です。

長生き怖い…低所得層転落、移民送還で介護士不足。米国理想の老後はどこへ
「倒れてしまって起き上がれない!」のキャッチフレーズでおなじみの緊急時救急呼び出しサービス「Life Alert」(www.lifealerthelp.comより)
助けて!起き上がれない!
アメリカ人ならたいがい知っているある有名なCMがあります。床に倒れた高齢者が「I’ve fallen and I can’t get up!」と24時間体制のオペーレーターに助けを求め、救急発信装置「Life Alert」を首にかけていたおかげで救急車を呼べて助かったね、というもの。昔からやっているのでなんとなく映像が古いのと、お年寄りの悲壮な表情やしぐさ、おなじみのキャッチフレーズなどが相まってインパクト大のCMです。不謹慎ではありますがこれをネタにしたジョークは数知れず。子どもがふざけて真似たりもします。

でも、このサービスが米国における老後のあり方を象徴しているともいえるのです。サイトにいけば、全国各地から87歳、92歳といった高齢者たちの「これがなかったら命はなかった。恩人だ」的お礼の証言が日々アップデートされています。

「老人ホームを回避しよう!」というページもあり、「ある調査でLife Alertがあれば6年間も長く自宅で過ごせることがわかった」と謳っています。つまり、1日でも長く老後を自宅で過ごすことが目標なのです。もちろんこれはマーケティング戦略にすぎませんが、独立と自由を理想とする文化的背景がなかったら、売り文句にさえなりませんよね。

もっともヒスパニック系やアジア系など、個人よりも家族の単位を重んじる文化を背景にした人々の割合もどんどん増えている多様な移民国家ですから、「これが理想とされる老後のあり方だ」という風に文化論を一括りで語ることはますますできなくなってきているのが、今日の米国の姿ではあるのですが……。実際2014年から60年の間に、65歳以上の白人の割合は78.3%から54.6%まで減少するそうです。


3/25(日) 10:00配信 THE PAGE
ある91歳の老後のあり方
「怖いのは長生きね」「今、遺品を整理しているの」と開口一番に言ったのは、長年の知人であるナンシー・ケントウェルさん。御年91歳です。ところがそんなセリフとは対照的に背筋をまっすぐ伸ばしたまま、さっと歩いて迎えてくださいました。4年前にご主人のラリーさんが94歳で亡くなってから、今日まで一人暮らしをしています。

実はナンシーさん、5年ほど前までマンハッタンにある高齢者用アパートに約7年間ご主人と一緒に住んでいました。昼と夜の食事つき、階下に介護付き老人ホーム(ナーシングホーム)も併設されているので、緊急時の医療体制も万全。安心して老後を過ごせると期待し、ナンシーさんの言葉を借りれば「クルーズの旅にでも出るようなワクワクした気持ち」で入居したそうです。

部屋代は日本円にして月25万円以上。終身入所が前提ということで、まとまったお金を持っていることが証明できないとそうそう入れません。そんなうらやましいようなリタイア生活なのに、結果的にはその施設を出て長く住み慣れた対岸の街に戻りました。夫婦そろって90歳前後というタイミングで、独立した老後の暮らしを再び選んだのはなぜだったのか……。

長生き怖い…低所得層転落、移民送還で介護士不足。米国理想の老後はどこへ
御年91歳のナンシー・ケントウェルさん。今も一人で暮らす。背後の額縁は、その昔おとぎ話のような風景だと憧れて刺繍で制作したもの。その後今は亡きラリーさんと出会って結婚し、エッフェル塔も実際に訪ねた。これまでの人生にはとても満足しており、今はもう自分の決めた方法で「休む」ことが望みだと話してくれた
呼吸するだけの長生きはしたくない
ナンシーさんは米国で看護師のみならず、母乳コンサルタントおよび助産師の資格も持ち、老人ホームに勤務していたこともあります。ただし、スタッフが忙しさのなかで「患者がモノであるかのような錯覚を起こす」場面を目の当たりにしたことでつらくなり、1年ほどでやめてしまったそうです。この個人的な体験も、今の生き方になんらかの影響を与えていることは間違いないようです。

ナンシーさんが夫のラリーさんと前述の高齢者用アパートに入居したのは2006年のこと。ところが食事の献立が毎回ほとんど同じという日常生活を送るうちに、まずラリーさんが食べる楽しみを失って体重を10キロほど減らしてしまいます。ナンシーさんも生きるために食べたいのに、食べるために生きているような状態に疑問がわいてきました。そして限られた空間のなかの限られた顔ぶれ、集団生活にはつきものの規則につぐ規則……。

母乳指導やラマーズ出産法指導などで、長年子どもや若い人たちに囲まれてきたナンシーさんは、そういう交流こそが本当の暮らしだとしみじみ感じ、「まだ動けるうちに」退所を決意。引っ越した日に、今も住む高層マンションの窓から見事な夕焼けを2人で言葉もなく見入ったそうです。

くだんの高齢者用アパートも高層ビルでしたから、窓からの眺めは決して悪くなかったのではないかと想像しますが、解放感から夕日がさらに美しくみえたのかもしれませんね。それから1年ほど2人で好きなものを食べて好きなように暮らし、その後8カ月の自宅介護を経て、ご主人のラリーさんは眠るように旅立っていかれたそうです。


エンド・オブ・ライフ計画
妻として、看護師として夫を看取ったナンシーさん。お子さんたちはみな遠方に住んでいるため、残り少ない余生を子どもたちの邪魔にならないよう、さまざまなプランを立てていました。日本でいう終活ですね。そのなかで実は、日本でも橋田寿賀子さんや最近亡くなった西部邁さんがきっかけで話題になった「死に方を自分で選びたい」というお話も出てきました。

体力や気力の衰えとともに孤独感や不安感は増し、何より死に際に家族に迷惑はかけたくないというあせりが付きまとう。望んで手に入れた自由な暮らしのもう一つの姿です。

ナンシーさんが使ったプラットフォームはHospice Support Fundという非営利団体が作成した「End of Life Planner」。1)重体になった時に医療を受けたい場所、2)訃報に含みたい・含みたくない情報、3)葬式のスタイル(棺桶の素材・お通夜の有無・死装束のスタイルなど)、4)埋葬方法(火葬か埋葬かなど)、4)遺産分配の必要情報(弁護士から庭師にいたるまでのコンタクトインフォメーション・スマホやパソコンなどのパスワード・銀行口座情報など)と、「死後家族が困らない」必要事項をすべて網羅しているので、「これさえ記入しておけば少なくとも家族への迷惑は減らせる」という安心感にもつながる内容となっています。

同団体によると、アメリカ人の80%が自宅での最期を望みながら、実際は75%が病院で亡くなっています。ナンシーさんは今度近くの市役所で、このプランナーを公証人(弁護士などの資格者)に法的に認証してもらうそうです。これで意識不明の状態に陥っても、病院ではなく自宅で最期まで過ごす意思を示すことができます。ナンシーさんは「死に方」こそ自分で選ぶことはできませんが(オレゴン州やカリフォルニア州など安楽死・尊厳死が一部合法な州もあります)、最愛の夫と過ごした自宅という「死に場所」を選ぶ道筋はつけることができました。


米国の介護事情
家族や友人に迷惑をかけないで人生の終わりを迎えたいという気持ちは、特殊な文化的背景を必要としません。しかしナンシーさんのような選択や「Life Alertのある生活」は、心と体が健康であることを大前提としています。これは実はとても幸運で贅沢なことです。

一方、一人暮らしを選択したわけではないけれど一人暮らし、という高齢者も増えています。たとえば65歳以上で離婚歴のある女性の割合は1980年の3%から2015年には13%、男性では4%から11%に増えました。2014年に一人暮らしをしている65歳~74歳の女性は4人に1人以上で、それが75歳~84歳になると42%に急上昇、85歳以上では56%というデータもあります。

そういう高齢者の心や体がひとたび健康でなくなった時、米国では誰がいったい面倒をみるのか?

答えは「家族」です。

毎年4400万人のアメリカ人が、370億時間無償で介護にあたっていますが、これを有料の自宅訪問介護サービス料金に換算すると、たとえば2009年では4500億米ドルにもなります。その83%が家族や親類を介護しており、うち24%は同居、61%が1時間以内の場所で暮らしています。ちなみに家族の中で介護をしているのは75%が女性です。

Family Caregiver Allianceという非営利団体によると、全米退職者協会(AARP)などのデータからみる米国の典型的な介護者像は、「仕事を持つ46歳の女性で、母親の介護(無償)に週20時間を費やしており、その大半は既婚、あるいはパートナーと暮らしている」というものでした。

男女ともに介護者の大半は35歳~64歳で仕事をもっており、50歳~64歳の約60%はフルタイム。2014年のデータでは、約34%が週に1~8時間、23%が41時間を介護に費やしていました。家族にとって介護が大変な負担となっていることがわかります。同データ内では、妻を介護している夫の40%がそれによって夫婦関係にヒビが入った、両親を介護する娘では30%が親子関係について同様に回答しました。

介護者の重荷を軽くするハワイ州の試み
2017年12月15日付のニューヨークタイムズ紙の記事「介護者の重荷を減らす」は、ハワイ州で施行された「Kupuna Caregivers Act」について報じています。

Kupunaはハワイ語で高齢者という意味。自宅で高齢者の家族を介護する人々の重荷を軽くすべく、1日最大で70ドルを支給するというプログラムです。支給は、介護者が週に少なくとも30時間以上働いていることが条件で、お金は介護の必需品や介護のために削られた収入の補足、ヘルパーを雇うことなどに使えます。この法律は、ハワイ州の家族の大半が両親や祖父母を老人ホームではなく自宅で介護したいと思っていることを反映したものだということです。

いずれにせよ長期にわたる介護は米国の家計を圧迫しています。ワシントン州では、超党派の議員たちが一律の長期介護支援を提供できる「Long Term Care Trust Act」法案を2017年提出。可決・施行されれば、給料から一定額が天引きされ、そのベネフィットを必要に応じて州民の誰もが受けられるというものです。

このプログラムは自宅介護だけでなく、老人ホームへの入所にも適用され、その額は最大で1日100ドル。つまり、国民皆健康保険ならぬ州民皆介護保険です。もっとも2018年3月現在で5回も再提出されていますが、まだ州議会下院の採決にさえ至っていない状態。国民皆健康保険制度にさえかなり抵抗感が強い米国では、介護限定とはいえ「皆保険」制度の実現がなかなか難しいであろうことは想像にかたくありません。

長期介護は誰が払っているのか
英語でいう「Long term care」(長期介護)の必要性は、言うまでもなく歳をとればそれだけ増します。自宅での長期介護は、先述のようにしばしば家族の手で行われますが、障がいが重度だったり、健康状態が深刻、または何らかの理由で在宅介護を受けられない人たちは、関連施設に入所するのが一般的です。

一番要介護度が高い人は「Skilled Nursing Home」(以下ナーシングホーム)に入所しますが、これは日本でいう介護療養型医療施設のイメージに近いです。「Assisted Living Facility」と呼ばれる施設が特別養護老人ホームというところでしょうか。この二つのもっとも大きな違いは、医療従事者が常駐しているかどうか。つまり要介護度の違いです。

長期介護のなかでもっとも費用がかかるのは、やはりナーシングホームで、月額平均は4500~1万2000ドル。一方「Assisted Living Facility」は2500~6000ドルです。一見するだけでかなりの高額ですが、誰がこれを支払っているのでしょう?

少し古いデータになりますが、2010年に長期介護に費やされた総額は公的資金および自費ほかも含めて2079億ドルにのぼります。その60%以上は、メディケイド(低所得者・障がい者のための公的医療保険制度)がカバーし、個人が支払った割合は20%ほどにすぎません。約10%は民間の長期介護保険や健康保険から支払われました。ちなみに2040年にはこれが3460億ドルに膨れ上がると米議会予算局が算出しています。

2010年にメディケイドがカバーした長期介護関連費用は金額にすると1293億ドルで、総支出の約31%にあたります。一方、自費でナーシングホーム代を支払っている人々のケースでも、その額は平均して高齢者の年間収入の241%。州によって異なりますが最高で444%というケースもあり、高齢者自身の収入では全くカバーしきれていない実態がこれらの数字から一目瞭然です。

これをカバーしているのは長期介護の主要プレイヤーである家族です。また、45歳以上で突然の無期限長期介護が必要となった場合に、経済的にその準備ができていない人の割合は4人に1人とされており、メディケイドを共同負担する州および連邦政府を筆頭に、長期介護をめぐる公的負担がかなりのものであることがわかります。


備えあれば憂いなしとはいかない現実
2017年7月7日付けのニューヨークタイムズの記事「One Woman’s Slide From Middle Class to Medicaid」は、メディケイドが必ずしも低所得者や障がい者を救済するだけの公的保険ではない例を示した記事です。

ある女性は、夫を亡くした直後の1998年当時、60万ドル(6400万円)ほどの貯金がありました。健康状態も良好で、3年間のナーシングホーム費用がカバーされる長期介護保険にも入っていました。ところが昨年94歳で亡くなる前の数年は認知症を患って、ナーシングホームへの入居も5年半におよび、最終的には記事のタイトルにもあるように、「中流からメディケイドに転落」してしまったのです。

あれほど完全な老後の備えをしていたはずが、認知症と予定より2年半長かったナーシングホームの入所でそこまで計画が狂うことになるとは、誰にもなかなか想像できないことでしょう。多くのアメリカ人は、歳をとれば高齢者用の医療保険「メディケア」のお世話になることは意識していても、メディケイドのお世話にまでなることまでは実感していないはずです。

しかしKaiser Family Foundationによると、65歳以上の高齢者の3人に1人がある時点でナーシングホームに入居し、その62%は費用を自費でまかなうことができません。

たとえば2017年のナーシングホームの個室1カ月の費用は平均8121ドル。筆者の住んでいるブルックリンなら1万2927ドルだそうです(大汗)。これに認知症などで「メモリーケア」と呼ばれる介護がつけば、その額はさらにはね上がります。これを問題なく支払い続けられる人はなかなかいません。年金生活を10年も20年も続けた後となればなおさらです。

その上、すべてのナーシングホームがメディケイド認定施設なわけではありませんし、たとえ認定であったとしても、すべてのメディケイド入所希望者を受け入れなくてはならない義務があるわけでもありません。ということは、入所当時には少なくとも自費で支払う能力がある人の方が、希望のナーシングホームに入れる確率は高いだろうということになります。

さらに現在、トランプ政権のもと共和党が支配する米議会では、メディケイドの予算を削減する議論が進行中です。たとえば、上院に提出されている法案が制定されれば、2036年までに予算の35%が削減される可能性があるといいます。多くのアメリカ人が、メディケイドは貧困層と障がい者のためのものと他人事でいるうちに、いつか自分もお世話になる可能性が高い制度の予算が大幅に削られようとしているのです。


メディケイドなら出て行って?
CDC(米疾病予防管理センター)(米疾病予防管理センター)によると、2014年の時点で全米のナーシングホーム数は1万5600。営利目的の施設がうち69.8%、認可された床数は170万、入居者は140万人となっています。入居者の年齢層でもっとも多いのは85~94歳で総入居者数の3分の1を占めます。ナーシングホーム介護を必要とする65歳以上の人口は、ベイビーブーマーの高齢化とともに、2010年の130万人から、2030年には230万人(75%増)となり、これにあわせて、ソーシャルセキュリティ(公的年金)とメディケアの支出割合も現在の国内総生産8%から、2050年には12%まで上昇するとみられています。

ちなみにメディケアがカバーするナーシングホーム費用は最初の20日間が100%、その後の80日間は80%と100日目でおしまい。そこで起きてくる問題に「強制退所」があります。

2018年2月22日付のニューヨークタイムズ紙の記事では、足の切断処置後6週間入所していたナーシングホームからの退所を勧告された女性の話が紹介されていました。ナーシングホームはその女性に、ホームレスシェルターに行くか、1週間分のモーテル代なら立て替えると伝えてきたと言います。

記事によるとこうしたケースが増えているのだそうです。この傾向が近ごろ連邦政府当局の目に止まり、入所者を保護する連邦法の執行を強める方策を模索し始めています。近時のデータは2015年のものですが、米保健福祉省に同年提出されたナーシングホームに対する不服申し立て14万0145件のうち、9192件が退所勧告関連でした。

ある政策提言団体によると、連邦政府によるナーシングホームの規制はすでに強力ですが、執行力が弱いといいます。たとえ違反行為で施設が摘発されたとしても、そこそこの罰金処分を受けるだけなのが現状のようです。

そもそも、なぜこのようなことが起きるのか。ナーシングホームがメディケア患者から受け取る給付金は1日500ドルなのに対し、メディケイドでは200ドルとかなり差があることが理由のひとつとして挙げられます。罰則の脆弱さと相まって、施設側にとっておいしいメディケアの支給が終わった患者はお払い箱という風潮は、一朝一夕では解決されそうにありません。

そして誰もいなくなった
日本では社会の高齢化のみならず出産率の低下から、介護分野での人手不足に対する懸念が深まっています。米国でも近ごろこの問題が語られていますが、ちょっと日本とは様相が違うようです。

不足している、あるいは不足していくのではないかという懸念の理由が若者の人口減少ではなく、移民の人口減少なのです。今年2月に、これもまたニューヨークタイムズ紙ですが、その名もずばり「もし移民が追い出されたら、だれが高齢者の介護をするのだろう?」という記事が掲載されました。

テキサス州ダラス在住のある93歳の女性は、週に4日買い物や洗濯、掃除、運転をしてくれているヘルパーの女性の行く末を案じています。彼女が大きな信頼を寄せるヘルパーはメキシコからの非正規滞在者のため、いつか拘束され、強制送還されてしまうのではないかと恐れているのです。

ニューヨーク市ブルックリンでは、大手リハビリ介護センターが、人材派遣会社に20人ほどの看護師アシスタント派遣をいつものように要請したところ、今までは翌日までに山のように送られてきていた履歴書が、今回は1カ月で5通しか来ませんでした。

センターの責任者は、トランプ政権の移民政策が移民を応募から遠ざけてしまったと考えています。この施設では、一時滞在と労働を認められていたハイチ出身の看護師アシスタントや介護士が昨年11月に突如許可を取り消され、現時点では2019年7月までに出国しなければならなくなりました。

記事内で紹介されている国勢調査のデータ分析によると、ナーシングホームやAssisted Living Facility、ホームケア仲介所の介護職の4人に1人は外国生まれ。前出のテキサス州の高齢女性のケースのような個人契約ともなれば、その割合はさらにずっと高いことが想像されます。

ニューヨークの調査団体P.H.I.は、介護職の人材不足が拡大しているこうした現状について、介護業界全体、そして高齢者や障がい者、その家族に直接的な影響を及ぼす可能性を指摘しています。それと同時に、この分野の労働力不足は長期的な人口の変化によるところが大きいという指摘もあります。

高齢者の寿命が伸び、ベイビーブーマーが高齢者層に突入する中で、これまで典型的に無償・有償の介護を提供していた働き盛りの女性の人口が減少傾向にあり、かつ彼女たちのキャリア選択も広がっていることなどがその理由です。

介護は米国生まれの人々があえてつかない職業の典型例になりつつあるのです。体力的にもきつい職種にもかかわらず、たとえば2016年の平均時給はわずか10ドル49セントで、通常は福利厚生も含まれません。一方、そんな穴を埋めるかのように、介護職につく移民の数は2005年の52万人から、2015年には約100万人にまで増えました。ニューヨーク州・カリフォルニア州・フロリダ州などでは介護職の40%超が移民です。

もし移民が入国管理の取締りを恐れて仕事ができなくなったら、その打撃は計り知れません。記事によると、実際すでに人出不足に陥って閉鎖を余儀なくされたり、入居者募集を停止したナーシングホームも出ているそうです。

米国における介護士の人手不足や劣悪な労働条件は、日本と大いに共通点があるようです。移民大国の米国ではそのひずみをこれまで移民がカバーしてきたという点は大きく異なりますが……。日本では今後やってくる超高齢化社会に備え、国を挙げてベトナムなどの東南アジア諸国から看護師および介護福祉士を受け入れる試みが一部進められており、そのコントラストが興味深いところではあります。

移民ありきの米国は移民を失ってはじめて、そこにぽっかりとあいた穴に気づくことになるのかもしれませんね。ある調査によると、先の大統領選でトランプ氏に投票した年齢層は65歳以上が53%ともっとも多かったそうです。

しかし、彼の移民政策および年金・公的保険政策が高齢化社会に与えつつあるインパクトを、高齢者自身が肌身で感じるようになったとき、今度はいったい誰に投票するのか。早ければ今年秋の中間選挙でもそれを垣間見ることになるかもしれません。

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