指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

遠藤琢朗氏、死去

2020年02月09日 | 演劇
演出家の遠藤琢朗氏が亡くなられたそうだ、91歳。
彼は、演劇好きの人には知られていたが、そう有名ではなかっただろう。
その理由は、遠藤氏が有名になったのは、メジャーな演劇界ではなく、ややマイナーな場所で活動されていたからだろう。
横浜の運河の船で上演していた横浜ボートシアターの仮面劇で話題になり、私も『ミュージック・マガジン』で激評した。
説教節を基にした『小栗判官・照手姫』で、これは他の場でも上演され、紀伊国屋演劇賞ももらった。
その後、インドの『マハーバーラタ』を基にした『王子アビュマニの死』なども優れた劇もあったが、この10年間くらいはやや不振だった。
理由は明確で、ボートシアターの特色の一つである仮面劇の問題である。
役者は、自分の姿を見せたい者であり、それが仮面で顔を見せなくするのだから、役者は耐えられず、多くの方が辞められてしまうからだ。

             

「もう遠藤さんも限界だな」と思っていたが、2年前に見た『愛護の若』は非常に素晴らしく、大変に感動したものだ。
この時、遠藤さんは、「若い役者への訓練が大変だった」と話していた。
要は、現在の俳優には、文語文の台詞を言う訓練がなされていないので、文語文台詞が言えないのだ。
このことは、現在の演劇界で、歌舞伎出身の役者が評価され、活躍されていることにもつながっていると思う。
日本の演劇界に多大な功績を残された遠藤さんのご冥福をお祈りする。

コメント   この記事についてブログを書く
« 『沖縄 久高島のイザイホー』 | トップ | 日露戦争は、 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

演劇」カテゴリの最新記事