指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

羽仁進、樋口源一郎作品4本

2020年02月12日 | 映画
樋口源一郎は、記録映画でも古い人だが、以前見たら意外にも面白かったので、見に行く。
『女王蜂の神秘』は、蜜蜂の生態を記録したもので、非常に不思議なことに驚くが、途中少々眠くなる。
女王蜂、働き蜂、オスとメスのハチは、それぞれがばらばらの個体なのではなく、全部で一つの個体だと言うのには感心する。
代表作の『真正粘菌の生活史』にあっては、その不思議さはさらに増す。『きのこの世界』といい、すべて微細な生物、それも植物と動物の境目のような生物に異常と言うほどの関心を持って作品を作ったのは凄いと思う。




羽仁進で、最初に見たのは『不良少年』で、次は『初恋地獄篇』で、共に池袋の文芸坐だったと思う。
すごいとは思ったが、どこか気分の悪さを感じていた。
1954年の『教室の子どもたち』は、東京墨田区あたりの小学校2年の生徒の記録で、文部省作品なので「生徒指導の記録」となっているが、特に指導しているようには見えない。羽仁は、言うまでもなく相当に裕福な家の生まれだが、このように貧困な地域の人間を対象にするのは興味深い。
冒頭に、汚わい樽を積んだ荷車が交差点を横切っていく。当時は見慣れた風景で、バキューム・カーはまだできていない。
中では、中年のおばさんのような少女と非常に内気な少年にこだわっているのは、彼の性向故だろうか。
以前、知人で羽仁のプロダクションに出入りしている新聞記者がいたが、彼に言わせると「そこにはいつも美少年たちがいた」とのこと。
『不良少年』『初恋。地獄篇』『午前中の時間割』などの少年たちが想起される。
また、彼は野生動物へもこだわりがあるらしく、『動物園日記』は、上野動物園の記録だが、動物とその飼育員の姿に引かれるらしいのも彼の性向だろうと思った。要は、やさしい幼児的な人なのだろう。
最後、ライオンの子供が草原を走っていて「これは・・・」と思うと、今度できる多摩公園の動物園とのことで、1957年のこの時期にすでに計画が進んでいたのを初めて知った。
多摩動物公園は行ったことがないが、一度行ってみようと思う。
国立映画アーカイブ

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