狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

軍歌

2008-02-18 09:40:34 | 反戦基地
自衛隊小部隊が、小銃などを携えて、後部を開けっ放しの幌付きトラック荷台両側に分乗して走って行く光景や、同じような自動車部隊が、高速道サービスエリアの駐車場などで休憩している姿は、よく見かけるのであるが、歩兵(もちろんこんな名称はないだろうけれど便宜上そう呼ぶ)の行軍演習(これも便宜上の表現である)に出会うのは、長く自衛隊の町にいても初めての事だった。10人乃至15人の小部隊が間隔を置いて、国道を東へ移動した。それだけに異様だった。
偶然午後、これらの小隊が帰隊のため合流したのだろう、道路の側面の広場で5~60人が休憩している処を通って、目の当たりにした。

私の町は昔海軍の町だった。航空隊が主流の海軍基地だったが、一般道を隊伍を組んだ縦隊の列が指揮者の号令に従って、軍歌を歌い歩調をとった光景は特に珍しい事ではなかった。
こんな軍歌がよく歌われたのを憶えている。


一、
四面海もて囲まれし
我が「敷島」の「秋津洲(あきつしま)」
外(ほか)なる敵を防ぐには
陸に砲台海に艦(ふね)
二、
屍(かばね)を浪(なみ)に沈めても
引かぬ忠義の丈夫(ますらお)が
守る心の甲鉄艦
いかでかたやすく破られん

この昔々の光景をダブルイメージしてしまった。…自衛隊員が遠足に行っても特に不思議な事ではないし、当然過ぎるほど当たり前の筈なのに、何故こんな事を考えるのか私にも分からない。
また逆に、これらの陸上自衛隊大部隊が、歩武堂々の行進を路上で一般公開したら…。それこそ北の某国と戦争になるかも知れないなどという杞憂に襲われるだろう歟。

憲法上で軍隊の保有が禁止されている事から自衛隊は軍隊ではないとされる。
だからこれで良いのだと納得するしかなかった。