狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

編集後記

2008-01-30 16:32:19 | 怒ブログ
九百字の編集後記
 俳句会報の空領域をうめるのに、「一句鑑賞」なる雑文を書かされることが多い。内容はそのタイトルが示す通り、句会に出された俳句の中から任意の一句を選んで「短評」を加えることである。しかしボクは作品の批評は大のは苦手である。どだい他人様の作品に批評を加える程の器ではない。従ってその作品の主題から想像できる作者の思いを書き連ね、最後に宛がわれた字数に削っていくという作業になってしまう。
 今回は、
 触れてみる永遠の師の句碑落ち葉降る   K K
 というKKさんの句に焦点を当てた。
 これは会場に充てられた広大な公園敷地の一角あるわれわれ句会の師であった俳句人IS氏の句碑があって、作者は句材を探しつつこの句碑周囲散策したものだろう。
 句碑はあまり目立たない公園の隅に建っているとは聞いたが、まだお目にかかっていない。
この先生は句集やエッセーやの出版数は勿論数え切れない程あるが、その中に、氏が主宰していた「排誌」の編集後記だけを編んだ叢書がある。昭和61年の創刊号から、平成6年までの後記120篇が収められている。身近な方なので、丁度今先生の講座を受講しているような錯覚の襲われた。

「額」我が家の郵便受けに、ある日、大きな書類袋が挟まっていた。その大きな茶色の書類袋は、しっかりと郵便受けにすがりつき、零れ落ちないよう必死に堪えている格好であった。
 このたび、貴台の永年のご精励に対する感謝をこめて、知事が色紙を揮毫いたしましたのでお送り申し上げます。
 送られてきたその色紙には、人事課長からのこんな書面が付けられていたが、要するに「永年勤続の記念品」として知事から退職の県庁職員に贈られるお決まりの色紙である。
 だが、「今頃になって」と、私は苦笑せざるを得なかった。」
 と言うのも、四十二年間の亘る茨城県庁職員としての勤務を終え、私が定年退職したのは四年前の昭和六十一年三月で、物によっては時効の成立するような期間を経過している。
 既に4年も過ぎてしまい、日々俳句に忙しい私には、無事に勤めを終わったと言う退職の感激など、すっかり薄らいでしまった。
「暫く飾って置こうか」と呟いたら家内はすぐ、「いまに書斎に掛かっている額の方が値打ちがあるでしょう」と言い出した。
そういえば確かにそうだ。それは私が江戸崎土地改良事務所勤務時代に「永年優良安全運転管理者」として県警察本部長からの表彰状である。
こちらの方は知事の色紙と違い、滅多に戴ける物ではない。
結局、知事の色紙は袋に戻され、お蔵入りになってしまった。
ところで、家内も退院後既に三ヶ月を経過し、リハリビもかなり順調に進み、毎日の歩行距離も郡と伸びてきた。
そして知事の色紙をめぐっての家内のこの判断も適切だし、細かなことを相談できるようになってきたことは何とも嬉しい、