狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

皇紀2601年12月8日

2007-12-08 12:03:08 | 怒ブログ
あゝもう八日か…、同窓会への往復葉書、喪中の葉書などが、毎日のように配達されるこの頃、忘年会、俳句会、その他の行事が書き込まれているカレンダーに、昨日決まった某氏との約束日などを、書き入れながら、師走の慌しさを実感いていたが、新聞の十二月八日の見出しで、やっと思い出した。
コラム「天声人語」に、<ジャネット・ランキンの名を知る日本人は多くないかもしれない…>という書き出しに始り、▼信念に満ちた平和主義者でもあった。66年前のきょう、日本軍は真珠湾を攻撃した。それを受けた議会の対日宣戦決議に、たったひとり反対票を投じた。議会は日本への憎悪を燃やし、上院は満場一致で可決した。下院は賛成が338、彼女だけがノーを唱えた▼…と、開戦日について触れているだけである。勿論社説の論点にはならなかった。

「あおられた戦意[写真が語る戦争]:戦時下の美術」1ページ大(広告なし)の特集記事が組まれているだけで、投書欄「声」に鎌倉市にお住まいで、当時軍需工場のタイピストとして香港に渡り、東京大空襲の翌日故郷の横浜に戻られたという、落合松枝さん(83歳)の「開戦を知って覚悟の身震い」という投書を見つけた。小さな記事である。

 また今日は、2~3人の友人と、電話やメールで雑用の交信もしたが、「開戦日」についての、思い出の話題はオレからはじめ、みんな忘れてしまっていた。

<銘記すべき、皇紀2601年12月8日、この日早朝、大本営陸海軍部は歴史的臨時ニュースを全国民に発表した。
 臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。
 大本営陸海軍部12月8日午前6時発表。帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ・イギリス軍と戦闘状態に入れり。帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ・イギリス軍と戦闘状態に入れり。>
ラジオは、何回も何回も繰り返し放送した。

宣戦の詔書は翌日の新聞に大きく載った。朝日新聞縮刷版を見ると、東京版は、12月9日付夕刊である。
  帝国・米英に宣戦を布告す
 宣戦の大詔渙発さる
 【情報局発表八日十一時四十五分】只今、アメリカ、英国に対する宣戦の大詔が発せられ、また同時に臨時議会召集の詔書が交付されました


 詔 書
天佑ヲ保有シ万世一系ノ皇祚ヲ践メル大日本帝国天皇ハ昭ニ忠誠勇武ナル汝有衆ニ示ス
朕茲ニ米国及英国ニ対シテ戦ヲ宣ス朕カ陸海将兵ハ全力ヲ奮テ交戦ニ従事シ朕カ百僚有司ハ励精職務ヲ奉行シ朕カ衆庶ハ各々其ノ本分ヲ尽シ億兆一心国家ノ総力ヲ挙ケテ征戦ノ目的ヲ達成スルニ遺算ナカラムコトヲ期セヨ
抑々東亜ノ安定ヲ確保シ以テ世界ノ平和ニ寄与スルハ丕顕ナル皇祖考丕承ナル皇考ノ作述セル遠猷ニシテ朕カ拳々措カサル所而シテ列国トノ交誼ヲ篤クシ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ之亦帝国カ常ニ国交ノ要義卜為ス所ナリ今ヤ不幸ニシテ米英両国卜釁端ヲ開クニ至ル洵ニ已ムヲ得サルモノアリ豈朕カ志ナラムヤ中華民国政府曩ニ帝国ノ真意ヲ解セス濫ニ事ヲ構ヘテ東亜ノ平和ヲ撹乱シ遂ニ帝国ヲシテ干戈ヲ執ルニ至ラシメ茲ニ四年有余ヲ経タリ幸ニ国民政府更新スルアリ帝国ハ之ト善隣ノ誼ヲ結ヒ相提携スルニ至レルモ重慶ニ残存スル政権ハ米英ノ庇蔭ヲ恃ミテ兄弟尚未タ牆ニ相鬩クヲ悛メス米英両国ハ残存政権ヲ支援シテ東亜ノ禍乱ヲ助長シ平和ノ美名ニ匿レテ東洋制覇ノ非望ヲ逞ウセムトス剰ヘ与国ヲ誘ヒ帝国ノ周辺ニ於テ武備ヲ増強シテ我ニ挑戦シ更ニ帝国ノ平和的通商ニ有ラユル妨害ヲ与ヘ遂ニ経済断交ヲ敢テシ帝国ノ生存ニ重大ナル脅威ヲ加フ朕ハ政府ヲシテ事態ヲ平和ノ裡ニ回復セシメムトシ隠忍久シキニ弥リタルモ彼ハ毫モ交譲ノ精神ナク徒ニ時局ノ解決ヲ遷延セシメテ此ノ間却ツテ益々経済上軍事上ノ脅威ヲ増大シ以テ我ヲ屈従セシメムトス斯ノ如クニシテ推移セムカ東亜安定ニ関スル帝国積年ノ努力ハ悉ク水泡ニ帰シ帝国ノ存立亦正ニ危殆二瀕セリ事既ニ此ニ至ル帝国ハ今ヤ自存自衛ノ為蹶然起ツテ一切ノ障礙ヲ破砕スルノ外ナキナリ
皇祖皇宗ノ神霊上ニ在リ朕ハ汝有衆ノ忠誠勇武ニ信倚シ祖宗ノ遺業ヲ恢弘シ速ニ禍根ヲ芟除シテ東亜永遠ノ平和ヲ確立シ以テ帝国ノ光栄ヲ保全セムコトヲ期ス
 御 名 御 璽
  昭和十六年十二月八日
                           各大臣副署