狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

文明の利器

2007-06-04 22:09:56 | 反戦基地

愚息が、車を購った嬉しさに○を乗せて東京から、ドライブにやってきた。(新しい車を購入したのは、よっぽど嬉しかったらしい。その「タンジュン」さは、ボクも嬉しいが、さらにその上前をはねて、僕ら夫婦は○も一緒に、近所の野道をその車に同乗してドライヴを愉しんだのであった。

 いくらオレが古くても「カーナビ」の存在ぐらいは知っている。しかし数年の間に、これほどの進歩があるとは魂消てしまった。

 話は飛躍するけれど、610日がすぐやってくる。忘れもしない1945年の6月である。曇り空の上からこのあたり一帯に爆弾が降ってきた。この小さな村でも20名近くがB-29の爆弾で死んでいるのだ。

 当時日本にも電探(デンタン)と呼ばれるレーダーがあった。ボクもそのブラウン管をのぞいたことがある。今の子供の玩具より幼稚だった。そんな昔の事を思い出してしまった。

 偶然いまここに与謝野晶子の詩がある。長い詩である。その一部分を引用してみたい。

君死にたもうことなかれ
すめらみことは 戦いに
おおみずからは出でまさね
かたみに人の血を流し
(けもの)の道に死ねよとは
死ぬるを人のほまれとは
大みこころの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されん

ああおとうとよ 戦いに
君死にたもうことなかれ
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまえる母ぎみは
なげきの中に いたましく
わが子を召され 家を守()
安しと聞ける大御代(おおみよ)
母のしら髪()はまさりぬる