~ワシズカ トクイサーン、ワシズカさぁん
~ホソノ ユージサーン、ホソノさぁん
~スガヤ タツキチサーン スガヤさぁん □番グチにお入りくださーい。
とリズムをつけて外来患者のナマエを読みあげるのを、キンチョウして聴いていた。
□番グチというところがはっきり聞き取れないからである。
だからオレの番まで廻って来るには、待っている人の頭数から推してかなりの時間がある筈であるのに、読んでいる文庫本の中身は、ちっとも先に進ます。同じところを何回も往復した。
<近ごろ、団地だの、アパートだのマンションだの、西洋長屋に住む種族が増えて、漬物はおろか、梅干もラッキョウも漬けなくなった。ダイニングキッチン(台所デいいのに―)が狭くて、とても漬けもの樽など置くスペースがない、との大義名分があるようだが、その実は「手のかかることは真平です」という横着千万な手抜き精神があると考えられる。>佐々木久子 酒 はる なつ あき ふゆ
診察が終わり、会計の時財布をそこに置き忘れて笑われた。千六百円だった。
わが脳園(深い意味があるわけではない。一回目の漢字変換がそうなったので、勿体ないからそのままにした。)の傍に、ここには写っていないが隣老夫婦が作る専門家の畑がある。
伜夫婦と同居。畑から野菜を採るのは、栽培した老舅に気兼ねするし、洗うのが面倒だと言って仕事の帰りスーパーで野菜を買ってきていると老夫婦が世迷言を言っていた。