狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

「筍」の味噌汁の作り方

2006-04-23 17:02:41 | 日録

拙宅で「筍」の初物を食するのは、毎年決まって3月22~3日頃であった。
何故覚えているかというと、その頃丁度お彼岸の中日になるからである。数年前の日記を遡ってみたら、思っていたその通りだった。

判で押したように毎年、運送店従業員のH君が、自宅の竹山に出る初物の「筍」を、3~4本朝の出掛けに掘って持ってきてくれたからである。

今年は「筍」が初めてわが家の食膳に登場したのは、4月9日であった。寒い冬だったので、今年は「筍」の出がだいぶ遅いらしい。

運送店を止め、当然のことながらH君とは疎音になってしまったが、4月に入ると近所に住む義兄の裏山にも、孟宗筍がそろそろ出始めるのである。

 毎日1本ずつ掘ってきては、それを味噌汁の具に供するのである。一週間も経つと「筍」は背丈ほどにもなる。そうなると足で蹴飛ばして折ってしまうようだが、今年はまだまだ小さい。

 わが家の味噌汁の具はずっとこのところ、「筍」が続いている。僕は三度三度食しても厭きない。

 ところが今頃(4月中旬)ともなると、近所から大袋に一杯、1袋も2袋も届く。
 折角頂いたものを捨てるわけには行かない。友人知人宅に2~3本ずつ持ち歩く。

電話で訊いてからである。
「昨日頂いた所なので…」「買ってきたばかりなので…」
などと断わられるところが多い。しかしそれはそれとして、僕は皆さんどうした「筍」料理を作るのか、甚だ疑問でならない。

ITで調べると、
「たけのこ料理に取りかかる前に、茹で方、下処理の方法。筍料理の定番のレシピ(料理の材料や調理法)です。写真をクリックして下さい。」などとでくる。

料理の基本としての「筍」の条件だが、
「朝掘りで、筍に付着している泥土が湿っているもの。底部の切り口はみずみずしいもの。」とある。

僕が持ち歩くのはいうまでもなく、すべて1時間以内の掘りたてのものばかりである。

去年、親友宅で奥さんが、「早速茹でるわ。米糠も用意しておいたの…。」というから、

「ダメダメそんな事をしては、オレが教えるから、云う通りやってみてください」といって、
「ハイ先ず皮を剥いてー」
「次は、薄く切って鍋に入れてー」
「若しアクがでる様だったら掬ってー」

応接間とお勝手の部屋とで大声の交信しながら、30分ぐらいで味噌汁が出来上がった。
「すぐ飲まなくてはダメ!」出来上がるのを待って、オレは親友宅を辞したのだった。

果たして「あんなおいしい味噌汁初めてだったわ」と夜親友夫人から家内に電話があったそうだ。