万世(以下:万):さて去年の『慟哭の涙』から早1年。またこのスプリンターズSを迎えたわけです。早速展望の方ですが、まずは大雑把にスプリント戦に関することを。
万:まずスプリンターズSへの関連性と言うことでこういう表を作ってみた。
虎観委員長(以下:虎):スプリンターズS関連レースか・・・。去年と違って1つ項目が増えているな。
万:「キーンランドC」ね。これはサマースプリントシリーズ第4戦で札幌1200mで開催されるレースだ。
虎:去年と違って、セントウルSが「A」から「AorB」になっていて、キーンランドCが「A」になっているな。GⅡよりGⅢの方が重要と言うのが解せないんだが・・・。
万:セントウルSが重要でなくて、キーンランドCが重要であるということを示しているんじゃないんだ、これ。
局長(以下:局)じゃあ何を表しているんです?
万:ではまずセントウルSについて考えてみよう。自分がこれを「A」じゃなくて「AorB」にしたのは、セントウルSをどういう風にとらえているか・・・。これによってセントウルSの重要度が変わる。自分はこれをAかBって少々甘い見たてをしているが、場合によってはこのレースの重要度はCかDかもしれないんだ。
虎:何でそんなに両極端なことになるんだ?
万:では、委員長。このセントウルSの位置づけってなんだ?
虎:そりゃあ、サマースプリントシリーズの最終戦にして、スプリンターズSの前哨戦じゃないか。それがどうしたってんだ?
万:で・・・どっちなんだ?
虎:へ??どういうことだ?
万:・・・・・。これがセントウルSに関する落とし穴だ。
局:どういうことです?
万:委員長の言うとおり、このレースは『サマースプリントシリーズの最終戦』、そして『スプリンターズSの前哨戦』。それは全く間違っていないのだが、これを両方とるのではなく、どちらをとるかなんだ。まずこれをサマースプリントシリーズ最終戦としてとるなら、スプリンターズSではやや割引く必要がある。というのは・・・サマースプリントシリーズは対象レース5戦のうち1勝以上をして、かつポイントが一番高い馬に賞金が与えられる。
虎:ああ、そういうことか・・・。
局:今のでわかったんですか?
虎:まあ・・・あれだ。サマースプリントシリーズは5戦あるからその内3戦は走らないといけない。①のローテみたいに夏競馬中心・・・具体ローテで言うとアイビスSD⇒北九州記念⇒セントウルSみたいな感じか。そうなるとそれの王者を狙っている馬はセントウルSは状態をピークに持っていく。そこで仕上がった馬が中2週のスプリンターズSでどうなのかと。だからサマーシリーズの最終戦という認識でセントウルSに出走した馬は本番では割引く必要があるかもと言うことだな。
万:まあ概ねそういうことだ。スプリンターズSの前哨戦という認識で、このレースに来る馬の場合は、前者とは逆に実績馬で、夏休みをとってきた馬だ。ここは叩き台。それで本番に臨む、この場合のセントウルS⇒本番はそれほど問題はないし、期待もできる。
以下は藤沢先生の夏競馬の認識についての語録だが・・・。
『冬の重賞を勝った馬が春のGⅠであまりいい結果を残していないように、夏好調だった馬も秋GⅠで信用できない場合が多い。「夏の上がり馬」というのはなかなかいない。GⅠ本番になるとやはり(夏休みを取っていた)実績馬にはついていけないのが現状だ。』
まあ藤沢先生は夏好調だからその勢いがレースを消化することで秋までもつのかという点と、夏競馬は実績馬より一枚落ちるのでどんぐりの背比べで抜けてきた馬が実績馬に敵うのかという点を指摘していると自分は解釈している。
局:夏競馬中心のローテだと本番で息切れするという解釈と言うことでいいんですね。
万:自分は短距離馬にとってと『スプリンターズS』と『サマースプリントシリーズ王者』という2つの目標があることが、夏好走馬の落とし穴で、「二兎追うものは一兎も得ず」だとおもう。実力があれば連勝で上がれるが、スプリンターズSの前においしいそうな餌がある。だからサマースプリントの王者をとるか、スプリンターズSをとるか・・・出走馬のローテをみることでどういう狙いなのかを見分けるのも候補馬を絞るポイントと言えるだろう。
局:でも②のローテも夏競馬中心のローテですよ。①とどう違うんですか?
万:①は通常の夏競馬。ただ②の場合は夏の2レースとも北海道に偏っていることに注目してほしい。
虎:函館SS⇒キーンランドCだな。1戦目と4戦目か。レース間隔はどれくらいだっけ?
万:函館SSとキーンランドCの間は中8週か。7月上旬と8月下旬のレースだしな。キーンランドから本番も中4週だから、セントウルSの中2週と比べてもゆったりとしていると言えるだろう。あとこのローテのいいところは北海道中心のローテと言うことだ。
局:涼しいから夏休みとるんじゃないんですかね。そこで。
虎:あのなあ・・・軽井沢の別荘で夏休みとるノリじゃないんだぞ。
万:いや、大雑把だがそういう認識で間違いではないんだよ。
虎&局:はあ?
万:まず北海道は有数の馬産地だ。まあ競走馬のほとんどが北海道で育っている。で放牧するときは北海道の牧場に帰る時が多い。まあ涼しいからリフレッシュできる。さらに最近は牧場の性能が上がってきて、牧場と一緒のトレセンみたいな設備が整っている牧場もある。放牧と同時に乗り込みで放牧ボケをしないように態勢を整えることもできる。
虎:そういえば函館競馬場と札幌競馬場は馬房がたくさんあるんだよな。
万:まあ本土と比べると涼しいから、馬にとっても、そして騎手にとっても過ごしやすい。
局:じゃあ函館SS⇒キーンランドSのローテは・・・。
万:これ以降、もしかして黄金ローテになる可能性を持っている。レースは涼しいところでできて、休みは同じ北海道の牧場で短期放牧ができる。体調管理もしやすいだろう。
虎:今年のサマースプリントシリーズはワンカラットがとったんだよな。
万:本当に夏は女性陣強いなあ・・・。過去4年全部牝馬が王者だな。でもその王者もスプリンターズSでは夏の勢いが嘘のように衰えてしまうはずなんだが、今回のワンカラットは最終戦を待たずに2勝していた。それでスプリンターズSなので、ローテもゆったりで、涼しい北海道で待機。スプリンターズSに対して「人事尽くして天命を待つ」状態た。天命・・・いやな響きだが・・・。
虎:それはいいから!!
万:有力馬もセントウルSじゃなくて、キーンランドSを叩きに持ってくることになる時代が来るかもしれないな。
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