歯科医の独り言

日々の診療をしていて思う事

「セールスドクター」の宣伝にはご注意を

2009年10月15日 15時11分37秒 | Weblog
最近の歯科医院の広告には、「インプラント専門医」、「インプラント研究所」等を標榜して、いかにもインプラントの専門家のように謳った歯科医、俗に言う「セールスドクター」の広告が横行しています。「インプラント専門医」は、日本歯科医師会が認めたものでなく、各種学会が単独でただ認めたものです。また、「インプラント研究所」等も、作ろうと思えば当院でも申請すればすぐできます。どうしてこのような広告が横行しているかと言えば、不況下でのインプラント患者の取りあいにあると思います。インプラント治療は必ず「骨がある所しかできない」という前提があります。歯を抜いた後は、上顎では必ず骨の吸収が起こり、顎の幅が昔の歯があったときより、あごの幅が狭くなります。もしそこにインプラントを埋入すれば、将来舌の運動範囲が狭くなり、インプラントでは噛めるが、舌運動の違和感等の不定愁訴が出てくる恐れもあるのではないかと思います。不況下で経営がしんどい気持ちはわかりますが、あまりに何でもインプラントは考えものです。インプラントはいい治療法ですが、もっと大事にこの治療法を扱わないと世間からしっぺ返しを喰らうかもしれませんね。