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映画 サクリファイス(1986) 名監督アンドレイ・タルコフスキーの遺作です

2018年09月12日 | 映画(さ行)
 ソ連の映画のレベルの高さを世界中に広めたアンドレイ・タルコフスキー監督。その作風はよく難解だと言われる。そして映像の詩人と呼ばれ、特に水をモチーフにした自然描写は独特の感性がある。よく彼の作品で家の中に居るのに雨が降っているシーンがあるが、『何で?』と質問されても、それはタルコフスキー監督の個性だという答えになってしまう。特に後半の彼の作品群になると人類の救済をテーマにした作品に偏ることになるが、核戦争をテーマにした作品が今回紹介する映画サクリファイスだ。
 ちなみにタイトルのサクリファイスの意味は『生贄、犠牲』といった意味。日本人は神社に行って『世界が平和になりますように』と祈ってるだけの人が多いが、俺に言わせれば、こんなのは平和という尊いものを冒涜しているにしか思えない。祈っているだけで平和がやってくるはずがない。祈った後に具体的に行動しないとだめだ。だいたい神様も人間の限りない我儘を全部聞けるはずがない。そりゃ~、神様だって祈ってくる人に対して何か見返りを求めてくるのは当然だろう。そのことは旧約聖書に親しんでいるヨーロッパ人はよく理解しているようだ。

 さて、本作の主人公は核戦争が勃発した時に彼は神様に何を犠牲として差し出すのか?それではストーリーの紹介を。
 舞台はスウェーデン、バルト海をのぞむゴッドランド島。かつて舞台俳優と名声をはせていたアレクサンダル(エルランド・ヨセフソン)だが、今は上手く仲がいっていない妻と娘と喉を手術したために声が出せない幼い息子と暮らしている。そして女性の召使が2人がいる。
 アレクサンダルの誕生日の日、郵便屋さんのオットー、医師であるヴィクトルもやって来て、誕生日祝いをする。
 ある日のこと、二階で息子を寝かして降りてきたアレクサンダルだがテレビで核戦争が勃発したことのニュースを見る。そのことに妻は発狂してしまう。無神論者だったアレクサンダルは初めて神様に祈るのだが・・・

 最初の方は伝説、文学、絵画などの話がグタグタ言っているが、そういうことに興味の無い人は退屈するかもしれない。まあ、だいたいタルコフスキー監督作品は最初はダラダラしているので退屈だ。しかし、この映画がちょっと面白くなるのはやはり核戦争が起こってから。別に核戦争が起こっているシーンなんかは出てないが、その場にいる人間の本性が少し垣間見れてから楽しい。アレクサンダルの妻は自己中だし、女性の召使の一人であるマリアは魔女だと噂されていることがわかり、けっこう男を誘っていることがわかる。
 そして感動するのがアレクサンダルが神に祈るシーン。彼は日本人のように『お願いですから助かりますように!』なんて自分の願望だけを言ったりしない。自らの大切な物を犠牲にすることを誓うのだ。そして祈った後に目的を達成するために実行する。俺はキリスト教徒ではないが、たまには参考にすると自分の心の癒しになる。
 しかし、この映画は何気に美しい。アレクサンダルとマリアが愛するシーンの空中を浮遊したり、湿地帯に建てられている家が燃え上がっているシーン、冒頭のシーンとエンディングのシーンの映像など。そして結末は暗闇の絶望の中にも、わずかな希望を感じさせる光が小さいけれども生きる気力を感じさせるのが良い。
 そして、アレクサンダルに届くお誕生日プレゼントが色々あったが、果たしてこれらは何かのメタファーなのかと深読みのしがいがある。まあ、タルコフスキー監督の映画を観て彼の意図を探ろうとすればするほど無間地獄におちいりそうになるが。
 アンドレイ・タルコフスキー監督作品と聞いて心が躍る人、キリスト教の考え方に少しでも触れてみたい人、宗教画やロシア文学に詳しい人、そして神社に行くたびに同じことばかりお祈りしている人、自分さえ良ければ良いという自己中の人、難解な映画が好きだというレアな人・・・等に映画サクリファイスを今回はお勧め映画としておこう。

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 監督は前述したアンドレイ・タルコフスキー。水、火、木、などの自然を写し出し、犬、馬、ヤギなど動物を登場させ、宗教、平和への祈りを込めた独特の映像は、まさに映像の詩人と呼ぶのに相応しい。彼のお勧めはストーリー性はしっかりしている僕の村は戦場だった、そして2001年宇宙の旅とならぶSF映画の金字塔とでも言うべき惑星ソラリス、タルコフスキー監督がイタリアで撮った平和と祖国への想いが伝わってくるノスタルジアが良いです。でも、彼の映画はどの作品も合う合わないがあると思います




 


 




 
 


 

 





 
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