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日本全土を「軍事基地」化する米国の戦略

2006年06月01日 | 基地・有事体制
■ 「米軍再編」政府の取り組みを閣議決定

 政府は5月30日、米軍再編についての政府の取り組みについて閣議決定を行ないました。
 この米軍再編の本質は、米軍基地の機能強化と、日米軍事一体化を推し進めるものだということについては、言うまでもありません。沖縄県や名護市、山口県の岩国市など地元自治体は、この「頭越し」の閣議決定に、不快感をあらわにし、設置が予定されている「協議機関」にも参加しない方針を伝えるなど、政府への反発を強めています。
 何より、政府が唱えた「負担軽減」どころか、一層の負担を押し付けられようとしている住民の皆さんにとっては、このような政府の暴挙は許せるものではないと思いますし、米軍の移転費用に3兆円とも言われる巨額の税金を投じることも納得できるものではありません。

 しかし最近の動きを見ていると、このような暴挙ですら、まだ「序の口」に過ぎないのではないかと思えてなりません。

■ 「武力攻撃事態」の判断のための情報は米国

 現在、もし政府が「武力攻撃事態」だと言いさえすれば、空港・港湾・道路・公共施設・電波などを、米軍・自衛隊が優先的に使用することが可能になります。
 一般の空港は米軍・自衛隊の基地となり、上空を軍用航空機が爆音をまき散らしながら飛び交い、近くの港が軍港となり、家の前の道路を戦車や装甲車が走り、近くの公共施設に武装した米軍将兵や自衛隊が駐留する、という光景を思い浮かべてください。自治体が協力するということは、単に首長や職員が協力するという問題ではなく、そこに暮らす住民全員に降りかかってくる問題なのです。

 このとき「武力攻撃事態なのだからしょうがない」という意見もあるでしょう。
 しかし「武力攻撃事態」かどうかは、「政府がそう判断するかどうか」にかかっています。しかもそれを判断するための情報は、米軍や米国政府が日本政府に与えるものがほとんどです。
 こうした情報が「まともな情報ばかりではない」ということは、イラク攻撃の根拠とされた大量破壊兵器の議論を通じて証明された、言わば「世界の常識」ではないでしょうか。
 
■ 拡大する協力の「責務」

 さらに、政府は「周辺事態法」の改定を検討を始めています。
 内容は、「周辺事態」が発生した場合に、米軍・自衛隊への協力を、自治体の「責務」、つまり強制力をともなう義務にするということです。
 その理由について政府は、「実際に日本が攻められることより、周辺での有事の可能性が高い」と説明しています。

 それでも「周辺事態なのだからしょうがない」という意見もあるでしょう。
 しかし「周辺事態」というのは、法律上も具体的な定義は全くありません。政府答弁も「地理的概念ではなく、事態に即した概念」などという説明です。つまり、日本から遠く離れた地で米軍が引き起こした戦争でも、政府が「日本にも関係が深い」「日本の安全にも影響する」と言えば、日本全国の自治体の施設を使用できることになります。
 現実に米国は世界のあちこちで戦争を繰り返してきました。今後も改める気配はありません。
 そうした米軍の戦争のたびに、あらゆる場面で日本全土が「軍事基地」化されてしまうのです。
 しかも、この検討を始めたのは、5月初めに行われた「2プラス2」協議での、米国政府の要求によるものです。共同発表の中には「2国間の安全保障・防衛協力の実効性強化」が盛り込まれ、日本政府は直ちにこの法改定の検討に取りかかったのです。
 米軍再編協議と同様、政府は自治体や日本国民の声よりも米国政府の声を重視するのか、と言わざるを得ないのではないでしょうか。

■ 「平時」にも日本中を「軍事基地」化

 ところが、米国の要求はそれにとどまらないのではないか、と思える出来事が2月に北海道の室蘭港でありました。
 米軍のミサイル巡洋艦が室蘭への寄港を求めましたが、その頃、この巡洋艦の母港である横須賀で起きていた殺人など米兵による犯罪や不祥事が相次いでいたことから、室蘭市は市民の不安を考慮して、米軍側に入港を見合わせるよう要請しました。しかし、この要請を米軍は拒否し、強引に入港してきたのです。
 この件に関して、日本政府は抗議どころか調査すらしませんでした。

 このことについて「~なのだからしょうがない」と言えるでしょうか。
 今、日本は「武力攻撃事態」でしょうか。「周辺事態」なのでしょうか。また、このミサイル巡洋艦の室蘭入港に、どんな防衛上の必要性があるのでしょうか。
 何もありません。何もない、つまり「平時」のときでも、日本全土を「軍事基地」として使用するための既成事実づくりと考えれば、辻褄が合うように思います。

 米国側から見れば、日本中を「軍事基地」として使用することについて、2年前「武力攻撃事態」の場合について認めさせることに成功し、今後は「周辺事態」の場合、「平時」と、その範囲を拡大していく、このことが米国の軍事戦略の一つとしてあるのではないでしょうか。

■ 過剰な公共事業は誰のためか

 そう言えば、公共事業への赤字国債の乱発により、国や自治体の借金は膨大な金額になっていますが、ここ十数年で急増した国債は、90年の海部内閣のときの「日米構造協議」での米国の要求と、橋本内閣のときの米国の要求に、応えたものが大半(元本だけで総額630兆円)を占めています。

 日本国民から集めた税金だけでなく、多額の借金を作らせてまで、米国が日本に公共事業をさせた理由について考えるとき、この十数年で過剰なまでに整備が進んだインフラが、空港・港湾・道路・公共施設・電波、すなわち現在既に「何かあれば、自衛隊、そして米軍が優先的に使用できるもの」と、ほぼ一致していることに目を向ければ、決して軍事戦略と無縁だとは思えません。

 整備が進んだのは、もちろん物質的なインフラだけではありません。
 これまで述べてきたように、法制度面での条件整備があります。小泉内閣の5年間だけを見ても、有事関連10法、テロ特措法、イラク特措法などが作られましたし、今国会での成立は見送られたものの「共謀罪」創設法案や、教育基本法改定案、国民投票法案が、既に国会に提出されています。また、憲法改定の自民党案も昨年、発表されています。それぞれについて詳しくは語りませんが、米国の戦略・要求と、極めて強い因果関係があることを指摘しておきたいと思います。

■ 日本の「軍事基地」化を食い止めるために

 このような米国による日本全土の「軍事基地」化や、これに追随して国民を米国に売り飛ばすかのような自民党という政党は、決して許せるものではありません。

 こうした大きな動きを食い止めるためには、一つ一つの小さな動きに目を配り、その本質を見抜き、対応していくことが大切だと考えます。
 まずは、今回の閣議決定にあきらめることなく、これに反対する住民の皆さんとともに声を上げ、自分たちの自治体でも、こうした動きに協力しない勢力をつくり、そうした声を広げながら、米国政府よりも自国民の声に耳を傾ける国にしていくことが必要だと思います。

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2 コメント

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広めてください (starstory)
2006-06-18 16:13:52
はじめまして。Keep9ブロガーズ・リンクから来ました。憲法改悪以前に大変な法案が提出され、法律になろうとしています。新聞では小さくしか報道されず、何が問題なのか話題にすらなっていません。マスコミがあてにならない状況下で、ブログ上あるいはクチコミで広めていただけますようにお願い致します。トラックバックさせていただきます。
starstory様 (goo-needs)
2006-06-19 18:02:24
こちらこそはじめまして。

コメント・TB有難うございます。

貴ブログにお伺いし、コメントを書かせて頂きました。

貴重な情報を有難うございました。

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