僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

悔しいよ

2018年06月12日 | 日記
九州へ、月忌回向のお手伝いに行きました。
台風の影響が残り、空はどんよりと曇っていました。

最初のお宅は、10年ぶりにお伺いするお宅です。
ご主人は、歯学部の先生です。

二年前に退官しました。

私は、上品なお宅が苦手です。

ぼろを出してはいけないと意識するあまり、
緊張してしまいます。

そういえば、若いころから、苦手だったんだっけ・・・。
頭をよぎる、黒歴史。

目の前には、お洒落なティーカップ。
紅茶の香りが漂ってきます。

「どうぞ・・・」
にっこりとほほ笑む、奥様。

緊張のあまり、ロボットのようにぎこちなく動く、身体。
ギシッ、ギシッときしむ、指先。

『ダメだ』
目の前が、真っ暗になりました。

『お坊さんは、何事にも落ち着いて、優雅でなくちゃ』
心の中で、誰かがつぶやきます。

『僕も、優雅に紅茶を飲みたい』
多分、一生無理な願い。

「いいじゃないの。人それぞれよ」
微笑む家内の慰めも、僕の耳には届かない。

ps

皮膚科に行きました。
もちろん、家内と一緒です。

僕は愛されているから、いつも家内がそばにいます。

診察の後、看護師さんが言いました。
「外にいらっしゃる方は、ご家族の方ですか?」

『はい』

「娘さんですか?」

『はい?』
私は、言葉を失いました。

僕と家内は、二才しか年が離れていません。
それなのに・・・親子だなんて、失敬な!

でも、正直に言うと、よく間違われます。

多分、頭がはげているからだと思うのだけど、
僕って、そんなに老けて見えるの。

「ちがうわよ。私が若く見えるのよ」

嬉しそうな、家内の顔。
悔しくて、今夜は眠れそうにありません。