ゴマメ日記2

息子が3人(7.4.1才)いる、転勤族の妻のつぶやき。

もののけ姫、曇りきった眼で観た感想 キャラクター編

2020-07-06 01:24:08 | アート(OTAKU)
テレビで何度もみていますが、大きなスクリーンでみると迫力が全然違いますね。映像が大きいので気づかなかった小さな箇所も発見があったりしますし。声が大きくて心情がよりわかっていいです



こちらの記事はネタバレが多々ありますし、私の主観での意見なので実際の解釈と違う場合があります







一番好きなキャラクターは、モロ。
モロの成熟した人格で最後までブレない所が本当にすき。美輪様の声も説得力があってまた、たまらない

モロの「私の娘をかえせ」と最期の力でサンを助ける所がこの作品で一番好きなシーン。その後、アシタカにサンをたくして、ゆっくり倒れていく一連の流れがとても美しい。
アシタカがサンをうけとる時にモロは凄く優しい目をしている。「死ぬな」とサンを抱きしめながら泉に沈むアシタカの表情は彼の一番好きな顔だ。


最近になっておもうけど、アシタカってめちゃめちゃサン好きだよなぁ。トンボなみのポジティブさと聖司なみの粘着質的な情熱をもっている、ある意味最強キャラかも。イケメンで強くて正義の味方でよかった。あの数々の言動はアシタカだからゆるされる
「この娘私がもらいうける」って凄い発言。聖司の「俺と結婚してくれ! 雫、大好きだっ!」と同じくらい甘酸っぱい上に、なんかエロい。そうよね、戦利品?なわけだから、生かすなり殺すなり美味しくいただくなり自由よね。そんな時代よね。


子どもの頃はこの作品は生きることをテーマにした複雑で壮大な話だと思っていたけど、最近はアシタカの壮大なリビドーの話に見えて仕方ない。それは私の眼か曇りきっているからか


とりあえず、サンが綺麗でかわいい。タタラ場襲った時と森で普通にしている時のギャップがいい。ひたすらかわいい。後、なんかエロい。こんなに可愛くて綺麗でエロくて、しかもツンデレ。そりゃぁアシタカも一目惚れするわなー。最初の口を血まみれにして睨んでたのに、ラストは乙女の顔して頷いてるその変貌がいい。私がアシタカでも故郷帰らない。

着ている毛皮に耳とかしっぽつけてたりするのが健気。ちょっとでも山犬に近づきたいんだね。アシタカの服を繕ったのってサンだよね? 人間嫌いって言いながら、人間としていきるスキルはちゃんと身につけている所が個人的に好き。服とかちゃんと畳んであげてなんならお弁当まで用意してあげて、女子力高いなぁ。かわいいっ
アシタカからネックレスもらってキュンとしてたけど、「それ許嫁からもらったヤツやで」って教えてあげたくなる。ヤックルは故郷の話をサンにした時にそういう話はしなかったのかな? ヤックルめっちゃ空気読むいいヤツやん。


エボシは、特に好きとか嫌いとかないかなぁ。いい人悪い人というよりも賢い人だ。ああなるまでに色々と地獄を見たんだろうなと感じさせる何かがある人。タタラ場の人たちに信頼されてはいるけど、その好意を利用してやろうとする打算的な性格はたくましいとおもう。後、なんとなくだけど、男のことが嫌いそう。


モロは大好き。美輪様最高。
人間に捨てられたサンを最後まで山犬の一族として愛していたのがわかる。アシタカにいった「サンは私の一族の娘だからこの森と滅びる」という言葉に深い愛を感じる。モロからしてみたら、人間の親のエゴのために捨てられたサンを今まで自分の娘として育てていたのに、なんか急に首つっこんできた男に「彼女は人間だから解き放て」って言われたらそりゃ「黙れ小僧!」ってなる。でもその後に「サンが救えるか」って聞くところが大人だよね。


ジコ坊は小林薫さんが好きだからセリフをいくらでもきいてられる。上手いよね。癒やしだ。

後、この作品のキーパーソンって実はトキじゃないかなとおもっている。
アシタカってアスベルに似ている。顔も服装も。アスベルが成長したらアシタカみたいな人格になるんじゃないかなぁ。実際声優さんはアスベルの声をやっていた人だし。
トキの声をしている人が過去にナウシカの声をしているというので、トキに少しナウシカを重ねている気がする。現に「生きていたらなんとかなる」って言っていて、「生きろ」というこの作品のテーマの言葉をいっているのって、アシタカとトキなんだよなぁと。
トキと甲六夫婦は癒やし。トキってなんだかんだいいながら甲六のことが大好きだよね。いいお嫁さんだ。


アシタカは客観的にみたら、他人を護ったせいで命に関わる呪いをもらって村を追放されて自分には関係ない神と人間の争いに巻き込まれてっていうハードな経験をしているけど、そんなに悲壮感がみえない。むしろなんかいきいきしてる。
サンへのスキンシップが多いからかな。修羅場にまぎれてスキあらば触ってる。シシ神の首をかえす所でさりげなく抱き寄せてるが、手の位置……。結構さり気なく口説いてるよね。タタラ場での「こいつは俺の女」発言(違う)にモロに「娘さんを僕に下さい」発言(違う)と、周りへのアピールを欠かさない所も流石アシタカ様やで。
サンをみる目線がいつも熱い。カヤとの今生の別れではあっさりだったのに、ラストでサンが去っていくのをじっと見ている所が個人的にアシタカの本気度を感じた。

サンがタタラ場襲撃する時に誰よりも早く気づいて走り出したり、猪たちと戦場に出てる時もサンの状況が頭に思い浮かんだけど、なんでわかったの? 呪いの力ってそんな第六感まで備わるの?
山犬が泥吐きながら猪の死骸から抜け出そうとしてる時に「サンはどうした」空気読まずにきいてるのと、シシ神の森の所の「モロ、死んだのか」っていう塩対応にちょっと笑った。
愛の力なのか、流石アシタカ様やで。


山犬がかわいい。声とかイケメンボイスなのにサンにグルグル甘えてるのがかわいい。アシタカの頭ブルブル噛んでたけど、その割に無傷だった。甘噛みだったの? やっさしー!
山犬大好きだ 癒やしだ 大好きだ

そして、真のヒロインはオスであろうとヤックルだと思う

もののけ姫をみてきました

2020-07-05 23:30:37 | おでかけ
子どもたちもいるので観るのを諦めていたのですが、夫が見ておいでよとチケットをとってくれました。



ナウシカと物凄く悩んだのですが、やっぱり特別な作品のもののけ姫にしました
もののけ姫は初めて映画館でみたジブリ作品です。初めて見たときは、観ている間、予想をひたすらに裏切られ続けて子どもながらストーリーに没頭していました。

違う角度からみるとイメージがガラリとかわる作品なので、見るたびに新鮮です。



次男も行きたいというので、退屈でも静かにしていると約束して一緒にいきました。
映画を観ている間、声も出さないで動いたりしないで、騒がずに静かにしていたので、ご褒美のアイス。


私はこれ。あれ? 今写真見て思ったけど、私、抹茶を頼んだはず……? まぁ、仕方ないか


風立ちぬをみた

2020-07-02 10:43:00 | アート(OTAKU)
風立ちぬをみました。
素晴らしいの一言でした。

弟に送った感想を書き直したものです。
これは私の主観による感想と考察なので実際の解釈のものとは異なる場合がありますが、ご了承ください
そしてネタバレを多いにしています。








戦争が始まる中の行き詰まったノスタルジックな時代を抽象的な夢や空のロマンを交えて中和させつつ、生きることの大切さを説いているスタンスはやっぱり宮崎作品。

ひとつのものに没頭する不器用さと、最初あった時はそれほどでもなかったにもかかわらず「帽子をとってくれた時から愛してた」とかいう都合いい卑怯さが男性としてのリアリティが出てる。
夫婦の会話も、もののけ姫のカップル(アシタカがサンにアプローチするシーンが多かったので若さゆえのギラギラした性的な色気があった)とは違った生々しさと情緒がこの作品の魅力の要だとおもう。


戦争中で人種や日本人同士でもギスギスしている背景をだしつつ、主人公たちの周りは人としての尊厳を失わない人たちばっかりでそれもまた尊い。。。

綺麗な所だけみせて、ラストの夢の中で日本が負けて菜穂子はずっと前に死んでるっていう、夢から覚めたらボロボロの二郎の状況をさりげなく伝えてるものまた表現がとてもとても上手い。
戦後が終わってからも二郎はずっと生き続けてなんなら後妻とかもらって(二郎は多分そんな男)生きていくんだろうけど、若かりし頃の綺麗な思い出として残っていくんだろうなというのがよくわかる。


良い飛行機を作りたいってつくったものが、多くの日本人を死なせたっていう悲しさもちゃんと表現している。あの二郎の「一機も戻ってきませんでした」という言葉は淡々としているけど日本人としてきくと刺さる。


メインは二郎の飛行機作りだから出てこないのは当たり前だが、クライマックスに出てくる菜穂子の存在感がすごい。他の作品に比べたらさりげない描写ばかりなのにドラマチックに表現している宮崎先生は流石。駅で出会うシーンとかマジで上手いよなぁ。

結婚式のシーンからひたすらに泣いていた。三男がティッシュで涙をふいてくれた
黒川夫人の「綺麗なものだけ 好きな人にみてもらったのね」で号泣。な、菜穂子ーーーーーー


二郎は結局己の夢しか愛せない男。二郎は確かに菜穂子を愛しはしたけど、(特高に目をつけられたというのもあるが)飛行機を設計することがなによりも大切。だから菜穂子の前でタバコも吸える。

では、菜穂子は不幸せだったかというと、女としてみると菜穂子はとても幸せだったとおもう。子どもの時に白馬の王子様と思った人と奇跡的にであい、病気の身の自分をうけいれてくれて愛された。最後まで菜穂子にとって二郎は白馬の王子様だったとおもう。


菜穂子の大人な所は、二郎は自分だけを愛しているわけではないということをちゃんとわかっていることだ。二郎が自分ではなく絹に気があることも知っていて(菜穂子は子どもだったのでその時に好きになるのもどうかとおもう)プロポーズの時に「帽子をうけとめてくれた時から」という二郎の嘘に「風があなたを運んできてくれた時から」という あなた意識するよりも前に好きだった、と暗にいっている気がするのだけど、気のせいかな。

傘を受け取った時よりも、すでにその前から二郎が同じホテルにとまってるって気づいてたよね?
(もしかしたら、菜穂子が実際に意識したのが軽井沢で傘を受け取ってくれた時でそれまで二郎は絹にとっての白馬の王子様だったとしたら、「風が運んでくれた時から」のセリフがまた違った意味になるなぁ。それも面白い)


でも、二郎は夢のことしか考えないダメな男かというとそうではない。
子どもの時は下級生を身体をはって守ったし、下心もあるかもしれないが絹を助けてあげたし、子どもにシベリアをあげようとした。彼は優しさや自分よりも弱い者を守ろうとする人として大切なものをきちんともっている。菜穂子が二郎に惹かれたのもそういう所じゃないかとおもう。
そして、そんな男が夢をおいかける姿にノックアウトしたのだろう。夢を全力でおいかける男は本当にカッコイイ。布団の中で仕事をしている二郎をみていた菜穂子は幸せだったとおもう。

「うつります」「綺麗だよ」のシーンも私はいいとおもう。体調崩して寝ている姿って健康な時よりも美しくはない。でも、そんな弱った彼女を綺麗っていえる二郎は、やっぱり菜穂子の存在そのものを愛していたんだと思うなー。


個人的に、震災の時に菜穂子が自分の荷物をもたずに二郎の荷物を運んでいるシーンがすごく好き。
宮崎作品の好きな所は、男性はみんな包容力があって女性はみんな自立している所だけど、菜穂子もそんな自立した女性なのがわかるシーンだった。


映画をみてから主人公の声をした人をしったのだけど、あまり違和感はなかった。確かに最初は ん? と思ったし もっと感情をこめてもいいのでは とおもった時もあるけど、飛行機しか興味のない悪く言うとオタクっぽい人の喋り方ならこんな感じだよなーと。


宮崎映画は映像をみなくても、セリフだけでどんな気持ちでいっているのかがありありとわかる。目をとじて声だけきいてキャラクターの気持ちを考察したりするのが好きだ。どのキャラクターの声も自然で耳障りがいい。そしてその声質や喋り口調でどんな人間性なのかがわかるのが凄い。

みんな好きだけれど、西島秀俊さんと野村萬斎さんが特に凄くよかった。もう、声だけでその人のすべてがわかる。本庄のせっかちだけど人情家な所とカプローニの飄々としているけど愛情深い人間な所が実際の役者さんのイメージとも重なった。
そういう意味では、常に机にかじりついている仕事の庵野監督が二郎の声でよかったのかも。


黒川夫婦がいい。西村雅彦さんのなんだかんだいいながらも面倒見のいいキャラクターがいいし、そんな夫をうまく転がしながら妻として女として菜穂子の気持ちを一番理解している黒川夫人の愛情の深さがなんか、もう、いい。

カストルプいいよねー。さりげなく二郎と菜穂子の恋を見守っているところ、好きだ。そんな人が自国の政権をうれいている所にやるせなさをおもう。そうなんだよ、みんながみんな戦争に賛成しているわけじゃないんだよ。嫌なんだよ。「この夏いい夏です」が切ない。


々とした中でドラマチックでよく計算されて美しい、とてもよい作品だった。引退作品とのことだったけれど、個人的にそれにふさわしい作品だったとおもう。音楽も相変わらず素晴らしい。久石先生マジすごい。日本の宝だ。

ラストの菜穂子の「生きて」が印象的でとても美しかった。よかった。

ブログ新しくしました

2020-07-01 12:07:39 | 日記
前にゴマメ日記で日記を書いていたのですが、IDが使えなくなったので新しくしました。

夫の在宅ワークや子どもたちの休校もおわり日常にもどりつつあります。

少し時間と気持ちに余裕ができたので、好きなことをまた好きに書いていけたらと思います。




中田裕二さんのアルバム、新作もすばらしかったです




ジャズを聴きながらコーヒー飲む幸せ