golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

バッハ「無伴奏チェロ組曲第2、3、6番」鈴木秀美

2009-03-25 20:55:15 | Weblog
ケンイチは、夜会社から帰るとクラシック関連サイトを10箇所ほどチェックするのが日課になっていた。

彼はクラシックファンだということを周囲にカミングアウトしていなかったが、結構なクラヲタであり、毎日のサイトチェックは大きな楽しみの一つと言えた。

日々訪問するのは、何れもお気に入りのサイトだが、その中でもいつも「くらくら苦楽」を真っ先に覗いていた。

マーラーやブルックナーという好みの作曲家も共通していたし、テンシュテットやヴァントなど好きな指揮者もかなりかぶっている。

仕事や私生活には余り触れていなかったが、話題から察すると自分と同じ30代前半の様子。

システムエンジニアで独身らしいことも共通項。

いつしか、コメントのやり取りが盛んになり、一度も会ったことは無いのだが、親友の様な親近感さえも覚えていた。

ケンイチだけでなく、「くらくん」というそのサイトの管理人も彼に親近感を感じているのが、言葉の端々から見て取れる。

ただ、バーチャルな会話は音楽の話が中心であり、くらくんも同じ東京近郊に在住している程度しか分からず、どこに住んでどんな会社でどんなシステムに携わっているのか、などは皆目見当が付かなかった。

今日もいつものように残業で、帰宅したのは0時を廻っていた。

疲れていたし会社で嫌な事もあった。

前から隣席の奴とはウマが合わない。

いや、それどころか些細な事でいさかいになることだってしばしば。

今日だってそう。

2人の机の「国境線」のところにマンガ本を積み上げており、それが何となく中立地帯の様相を呈している。

3時半頃だったろうか、客先からちょっとしたトラブルのメールが届いた。

全く想定外のトラブル。

じっくり読もうと、飲みかけのペットボトルを机に置いた。

ところがディスプレイに注視していた為、ペットボトルは不安定なマンガ本の上を経由して国境の向こう側に倒れた。

コーヒーが隣席の奴の書類を茶色に染めた。

ちょうど部長が通り掛かったので暴発は回避されたが、一触即発の雰囲気が会社を出るまで続いた。

早くあの事を忘れたかった。
早く好きな音楽に思いを馳せたかった。
早く親友と話がしたかった。

急いで「くらくら苦楽」にアクセス。

しかし、思いもしない文字が目に飛び込んで来た。

クソ~~、あのコーヒー野郎!

積んでいたマンガ週刊誌や周囲の様子の描写も昼間の光景そのものだった…。

鈴木秀美(チェロ)(Deutsche Harmonia Mundi盤)

DHM50枚BOXからの1枚。

最初に収録されている第3番冒頭のプレリュードを聴いて驚きました。

高速なだけでなく、ビートの利いたノリの良い演奏。長いフレーズを一息に弾き切ってしまう。

あれぇ~、3番ってこんな曲だったっけ?というのが一聴した感想。

ちょっと渋味のあるバロックチェロから、切れ味の鋭いイキの良い音楽が湧き出して来る。

しかしただの先鋭的なバッハでは無い。歌うところは伸び伸び歌う。

世界に誇る日本のオリジナル楽器奏者の凄いバッハが聴けました。

今朝から何回も聴いていますが、いやはや驚きの名演です!

こんな素晴らしい世界に誇るバッハを演奏するチェリストが、遠い外国ではなく同じ小さな島国にいらっしゃるんですね~。

もしかしたら、コンサートなどで貴方の隣席に座っていらっしゃることもあるかも…。

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