ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「疫学的な環境整備が、子豚育成の良否を決める」

2018-07-09 08:37:17 | 日記
養豚農業経営が一貫経営の形態に変化してから30年以上になります。これは、関東東山地区での経営形態でした。技術指標としては、子豚の育成が重要課題となっていました。現在は、経営技術も高度化し、飼養頭数も100頭から数百頭規模へと大型化しており、年間分娩頭数は1母豚当たり24頭に達しています。 肉豚出荷頭数に関しては、30kg到達時といった育成時期ごとでなく、ト-タルで1母親当たり年間24頭以上を指標としています。 養豚農業経営のカギは、子豚生産です。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スを利用することによって、分娩頭数が12頭以上であり、かつ丈夫であることが第一に認められます。子豚を手でつかむと固太りのコリッとした感触で、被毛とともにしっかりとしたツヤが力強く感じられます。これは、活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スが母親の胎内で感化されてくるためであり、免疫賦活作用が備わるためと考えます。 それに加えて、生後3日齢でタンパク同化ホルモンのマクロビン1ml、鉄剤1mlを注射することです。これは、特に早発性の白痢、または大腸菌性の下痢症に対する予防・治療となります。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スの感化により、これらの処遇をスム-ズに行うことができ、子豚の生理的な働きに同化しやすいことが認められます。 生後の初期に基礎的なことをやっておけば、あとは温度と湿度の管理です。特に温度には敏感な子豚のことですから、十分な管理が必要となります。 そして、疫学的な環境整備も欠かすことができません。豚舎周辺に1坪当たり5kgの石灰散布を年2回以上、豚舎内の床面から2mくらいの高さまで石灰乳を塗ります。HACCPの原点となります。 疫学的なものの見方が大切です。疫学とは、疾病、事故、健康状態について地域、職域などの集団を対象として原因や発生条件を統計的に明らかにする学問です。 伝染病の研究から始まり、現代では公害や災害などの問題が対象とされています。その起源は、ギリシャのヒポクラテスの時代までさかのぼるのです。 疫学研究でよく知られるのが、イギリスの疫学者ジョン・スノ-の研究である「コレラの伝藩様式の解明」(1855年)です。その昔、コレラが大流行したときに、病人がいる家を地図で塗りつぶしたところ、特定の井戸を使っていることが発見され、疾病の伝藩を食い止めることに役立ったといいます。これは、コレラ菌が発見される約30年前のことです。 現在、生活習慣病予防の指導に用いられている喫煙と肺ガンの関係や食塩の摂取量と血圧の関係などは、こうした疫学研究の結果といえるのです。