前田憙孝の牢人日誌

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夏場の刑務所は地獄絵図

2010-10-08 08:44:53 | 日記
冬同様夏も大変である。雑居房には中央
上部の壁面に扇風機がついていて、夜9
時の消灯まで回っているが、全く効かな
い。

と言って水の使用は制限されており、体
を拭けるのは、一日一回洗面器一パイで
ある。もちろん、タオルを水に濡らすこ
ともできない。

したがって、汗で体が不衛生になりアセ
モなど湿疹ができやすい。

舎房では、半そで、半ズボンが許可され
ている。

が、これが工場となると、そうはいかな
い。作業着は長そで、長ズボン、それに
靴下まで履いての作業となる。

中央に一台大型の業務用扇風機、壁面に
小型の扇風機が三台設置されて、フル回
転しているが、温風暖房機のように熱風
をかき回すだけである。

私の工場は、プレハブで増築されたらし
く回りが鉄板で出来ているらしく、室内
の温度が、43~45度になるのが毎日だっ
た。

こんな条件下では、いくら扇風機がフル
稼働しても役に立たない。その中での作
業だから、当然体調不良者も出てくる。

その都度、担当看守に気分が悪いと訴え
るのだが、所内の決まりがあるのか、ま
ず体温を測る。平熱ならどんなに苦しん
でも、取り合ってもらえない。世間で、
今夏の猛暑による熱中症で大騒ぎしても
ここは別世界なのである。倒れるまでは
放置されるだろう。

夏場の刑務所は、まさに地獄絵図と化し
ているのである。塀の中の声はなかなか
外に届かないのだ。


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