経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

社長がやってはいけない事

2020-07-14 10:08:52 | サラリーマンは魔術師

 社長と言ってもトヨタ自動車のように国際的な超・大企業から、従業員ゼロの超・零細企業まであるので、これらを一律に論ずることはできない。また創業者社長、二代目社長、サラリーマン社長と、企業規模とは関係なく、その生業も異なるものである。従ってここでは、それらを区分しながら話を進めてゆきたいと考えている。

 まず全ての社長がやってはいけない事として、取引先の選定や人事考課などを、好き嫌いや感情だけで決めてはいけない。ことに感情だけで役員等を決めたりすると、会社の将来に暗い影を落とすことになるだろう。結果として会社の器が小さなるし、他の従業員たちのモラルの欠落を招くことになるだけである。
 
 また一部上場企業の社長でありながら、役員人事どころか女の子の人事にまで口を出す社長がいた。これでは彼女の上司の面目は丸潰れで、「社長にだけゴマを擦ればよい」という考えが全社に蔓延し、役職者が力を発揮できなくなる。もちろん結果として、仕事の効率ダウンを呼び込んでしまうだろう。
 
 さらに大企業の社長がやってはいけないことに、証券会社の営業マンなどとの直接会話がある。これにより、せっかく経理部長が阻止してきたデリバリブなどのハイリスクな投資に巻き込まれ、大損を被って本業にも悪影響を及ぼすことになるからである。投資と言えば聞こえはいいが所詮博打に過ぎない。博打は胴元だけが儲かり、他のものは良くてトントンが常識だ。だからこそ、部長の頭ごなしに飛び込んでくるような、非常識な営業マンとは絶対に話をしてはいけないのだ。

 またコンピューターや新しいシステムの導入についても、社長がどこかで聞いてきた新しいシステムに惚れ込んで、トップダウンで無理矢理自社に導入してしまう例が実に多い。これも要注意!というより、危険信号の点滅がはじまってしまうだろう。
 コンピューターやシステムについては、現場の第一線で働いている従業員たちが日々使用しているものである。それを実務を全く知らない社長が勝手に決めてしまい、現場は大混乱という例を何度も経験しているからだ。

 社長が気に入るようなシステムというのは、どちらかと言えば外国製が多いため、消費税との絡みなど日本の風土にはそぐわないものが多いのだ。結局新システム構築に膨大な時間と出費を重ねた挙句、従前より効率ダウンしてしまったという企業のなんと多いことか…。従って新システムの構築は、現場の職員自らが使い易いシステムを考えて、トップに提案するという形が望ましいのだ。社長はその効率と投資金額を秤にかけて、有益と判断すれば稟議書に〇をつければ良いのである。

 さてここまでは大企業の社長の「べからず集」になってしまったが、逆に従業員10名程度の零細企業の社長でありながら、大企業の社長を真似て、何もしない社長が存在することも確かである。これでは社長の人件費がもったいない。少なくとも営業や開発・企画などの業務はこなして貰わないと会社が持たないではないか。こうした社長も1人ではじめたころは、何でもこなす実力者だったのだが、多少従業員に囲まれてくると、何を勘違いするのか急に何もしなくなる場合があるので要注意である。

作:蔵研人

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