【南極海の巨大な炭酸ガス吸収渦】
コンテンポラリー(世界同時進行性)という言葉があるが、『緊急避難策としてのCCS』をブロ
グ掲載していると同時に、南極海の存在する5つの巨大な渦のメカニズムが解明されたと研究報告
されている。それは次のようなものだ。
地球温暖化の原因となっている二酸化炭素(CO2)が南極海(Southern Ocean)の深海に蓄積される
メカニズムを解明したと、英豪の共同研究チームが29日発表。風と渦、海流の働きが重なって、CO2
を吸収し深海へと閉じ込める漏斗(ろうと)状の水の流れが生まれる。海が吐き出したCO2で氷河期
が終わったとする研究がある中、地球上のCO2の約4分の1は海中に吸収隔離されているが、その約
40%は南極海に集中。水深約1000メートル付近に数百年~数千年にわたって閉じ込められていると
されるものの、CO2がどのようにして深海にたまっていくのかは究明されていなかった。これまでは
風がCO2の溶け込んだ表層海水を一定海域に集め、深海へと降下させているのではないかと考えられ
てきたが、今回研究チームは小型の深海探査ロボットを使って収集した10年分のデータから、風に
加えて平均直径およそ100キロに及ぶ巨大な「渦」も要因の1つであることを見出したという。論文
を執筆したジャンバプティスト・サレ(Jean-Baptiste Sallee)はAFPの取材に対し「渦と風、さら
に南極海の主要な海流の3つの影響が重なり、海水の表面から海中にCO2を取り込む幅1000キロもの
下降水流が生じている」と説明した。こうした下降水流は、南極海の5か所にあるという。強い風
には海を激しくかき混ぜ、海中に隔離されているCO2を大気中に解き放ってしまう効果もあるが、今
回発見した渦がこの影響を打ち消す役割を果たしていることも分かった。サレは「このこと自体は
朗報に聞こえるが、問題はこれらの渦に対する温暖化の影響だ。渦は止まってしまうのか、それと
も強化されるのか、全く不明」という。理論上は、気候変動によって海流が変化したり風が強くな
ったり、気温が急上昇したりした場合、南極海の渦の性質や働きも影響されるというのだ。
いましばらく議論を深める必要があるものの、この吸収渦の消長が地球環境へ多大な影響を与えう
ることが明らかになりそうだし、どうやら、二酸化炭素隔離(carbon dioxide capture and stora-
ge,CCS)システム構築の重要な参考にもなりそうだ。
【金属酸化物中の電子同士の避け合い効果の可視化に成功】
【解説】通常の金属・半導体の場合(左)、電子は自由電子的に振る舞い、電子は空間的にも拡が
った状態を取る。金属酸化物(右)では、クーロン反発(電子相関)のために、電子は避け合いな
がら運動。このために、電子の運動・拡がりは制限されて、原子サイト付近に存在確率の高い状態
を取る。
金属酸化物は、電気抵抗が低温でゼロになる「高温超伝導」や、磁場をかけることで電気抵抗が千
分の1にまで激減する「超巨大磁気抵抗」をはじめ、劇的な物性の変化を示す。このため新しい電
子デバイス材料として大きな注目を集めている。金属酸化物が示す特異な現象は、電子の振る舞い
を大きく左右する電子相関に由来するのだが、電子相関の働きをうまく制御できれば、電子デバイ
ス材料の最適化や新機能の、省電力で発熱を抑えたコンピューターやメモリーなどの新開発に繋が
ると期待されている。とはいえ「電子相関がどのようなメカニズムで働き、どのように電子の振る
舞いが決定されるのか」については未解明の点が数多く残っていた。
このほど、産総研の研究グループは、シンクロトロン放射光を利用した世界最高水準の分解能の角
度分解光電子分光実験で、金属酸化物中の電子の振る舞いを精密に観測し、金属酸化物中の電子同
士の避け合い効果の可視化に成功しましたという。その結果、電子相関の効果が2通りの異なった
現れ方をすることを初めて明らかできた。そのうちの1つは、従来とは異なった予想のできないも
ので、一見異なった現れ方をする電子相関の効果を統一的に説明することのできる理論モデルを構
築したという。この理論モデルにより、金属酸化物をはじめ、多くの物質に広く適用可能であり、
今後、さまざまな物質で電子相関の効果を定量的に評価することが可能になるという。
【遅れる除染作業】
事故から1年以上が経過しているにも関わらず、除染活動が遅々として進んでいなくて、先行してい
る自治体が、すでに学校や公園など公共施設の除染を終了し、戸建住宅の除染に移っている一方で、
まだ測定段階にとどまっている地域があるという。先行している自治体とそうでない自治体の2極
化が進んでいるという。その主要因は、除染方法の具体策が分からなかったことがある。そもそも
国ぱ想定外"として、事故前まで除染についての法的枠組みをつくっていなかった。事故を受けて、
昨年8月に特措法が成立し、環境省は特措法の施行のための基準やガイドラインを昨年12月までに
公表したが、これも詳細な除染効果を示した数字などを示すことができなかった。国が除染モデル
実証事業等の成果を公表し、より具体的な方法を示したのは3月26日になってからだという。
それだけじゃない、原発事故現場では鉛カーバーを放射線測定計に被せ作業していることが暴露さ
れてもいるけれど、所詮、隔靴掻痒。遠くから見ている意外手はなしというわけで今日のところは
寝るしかない。