極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

圧力容器下の日本政府

2011年04月03日 | 緊急|東日本大震災



【福島原発事故 メディア報道のあり方】

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【予言されていた事故シナリオ NUREG-1150

1990年に米国のNRC(Nuclear Regulatory Commission 核規制委
員会)は「シビア・アクシデントのリスク」(NUREG-1150
という名前の報告書を発表。これは確率論的リスク評価とい
う手法を用いて、米国に実在する5つの原発についてシビア・
アクシデント(過酷事故)がどのくらいの確率で発生するか
分析。地震がどのくらいの確率で来るのか、部品の破損の確
率はどうか、安全装置の動かない確率はどうかを推測して、
これらを掛け合わせて最終的に炉心溶融の起こる確率を計算。



この報告の中で、地震発生→制御棒挿入→地震により送電線
の碍子が壊れて外部からの電源喪失→非常用ディーゼル発電
機の立ち上げに失敗→温度上昇による炉心損傷というケース
がおきる割合が高いという結論が提示。恐ろしいほど今回の
事故の展開に良く似ている
。発電所全体を1000年に1度の地
震から守るのは不可能でしょう。しかし非常用電源であるデ
ィーゼル発電機とその燃料タンクを守ることは、ある程度お
金をかければできる(2011.3.19 日本科学者会議)。



【冷却水の行方】

緊急炉心冷却系(ECCS)の安全審査基準に、被覆管温度が
1200℃を超えると、ジルカロイの酸化が進み大変脆くなって
ECCSの注水があると、熱衝撃で被覆管がばらばらに壊れて、
水の流出口につまり炉心が冷えなくなる。

表1 崩壊熱と冷却に必要な水量(炉心)


表2 崩壊熱と冷却に必要な水量(燃料プール)

                                          (日本科学者会議HP)

炉心の場合、圧力容器の壁を通して伝熱でも冷却される。半
分の熱がそのような熱伝導で逃げ出すとしても、まだ1時間
当たり3㌧(1分当たり50㍑)の水を注ぎ込まないとだめで、
注入水は格納容器を経て、結局は環境に出て行くことになる。
燃料プールの場合、伝導で冷されるものは僅かで、4号機の場
合1時間あたり 3トンの注水が絶対的に必要で、これを下回る
とプールの水が干上がって、中の使用済み燃料が高温になる

プールにひび割れがあり漏水していればさらに多くのの水を
注がなくてはならない。

 

福島原発では、1、3号機のタービン建屋内で、1㍉㍑ル当たり
380~390万ベクレルときわめて高濃度の水が床上に溜まって
いる
。その総量は分からないが、これと通じているとされる
屋外トレンチに溜まっている高レベルの水の量が合計13300㌧
といわれているので、床上の溜まり水を1万トンと仮定して計
算すると、3京8000兆(3.8×1016)となり、スリーマイルでの
高レベルの回収水の4倍近くになる(2011.3.31)。




【福島原発保有核燃料規模:チェルノブイリの約10倍】

福島第1原発には、昨年3月末現在で1万149本(1755㌧
※1本当たり約173㌔㌘

※使用済み核燃
1号機米GE.     50㌧
2号機GE・東芝連合  81
3号機東芝       88
4号機日立            135
5号機東芝            142
6号機GE東芝連合   151
スリーマイル          35
チェルノブイリ    180




ブログを打ち込みはじめ暫くすると彼女が、近江八幡の水ヵ
浜にランチをと気を利かし(気分転換しなきゃダメと)誘う
ので中抜き。定番の近江牛と干しぶどう入りのドライカレー
を摂る。ツーリングの客がごった返していたが、レストラン
にオープンテラスデッキの拡張工事をしていたので、年配の
作業者に聞くとそうだと肯首。比良八荒で奥比良まで見晴ら
しが良かった。来週当たりは桜が開花し行楽日和になるねと
いいながら、途中、
栃狂っているのか、地方選挙カーで大ボ
リュームで名前を連呼
している候補者
と出会い苦々しく思い
ながら帰ってきた。



この先どう乗り越えようとするのだろうか。
はっきりしていることは、わたしたち老夫婦の余命より、息
子達の生命と生活の安心・安全をどのように担保するかにか
かっている。
日本科学者会議(舘野)のタンカーを調達し汚
染水を回収→濃縮保管隔離するのか。広瀬隆のいうコンクリ
ートの石棺閉じこめの2つの選択肢の他になにか妙案がある
というのだろうか、
原子力委員会に謝罪されても事態は収束
しない
。勿論、上手く事態が収拾できた暁には、関係者及び
それを推進してきた権力者や旧政府自民党などの関係者の引
責は、わたし(たち)が止めても国民の怒りは止め得ないだ
ろうが、兎も角も、政府のリーダシップの再構築を願うほか
ない。
   
                                        



※「原子力安全委員会反省の弁」(読売)
※「
原子力委員の年収」(週刊ポスト2011年4月15日号)

 

 

コメント
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