この所暖かな日が2~3日続いた。
やっと春めいて来たかと思っていたら、またまた、冬戻り! 三寒四温とはよく言ったものである。
爺も年々老いが酷く寒いとついつい外に出るのを躊躇うようになった!
何となくボケ~~~ッとしてTVを観る日がある・・・ 本来、TVはそれ程見ない! 依って本気で観ている訳でもない? だから、観ていて観る端からス~~~ッと脳味噌から抜けて行く・・・ 言うなれば、ラジオと同じでナガラ族!!!
最近、今迄見た事も無い「アーカイブス」なるNHKの物故版を見る機会がある・・・
その中に「曜変天目」という稀に見る不思議な「天目茶碗」を観た。
第一、こんな変梃りんな名前聞いた事もなかった。
孫娘を陶芸教室に連れて行って嵌り込みつつある陶芸!・・・昨今では「蘭鉢」と「グイ呑み」の大家?になりつつある!!!
こんなこと言ったって誰も信用しない!!! 自己満足の作陶である。。。
こんな聴き齧り陶芸モドキから、少々、この番組に興味を持った。
そして、見て行く内にこの番組の真髄にノメリ込んで行った・・・
何とも何とも不思議な事だらけで、元技術者崩れ!好奇心深き老い耄れ爺、この不思議の世界に興味を持たざるを得ない程の神秘を抱えていた。。。
「曜変天目」は、中国:南宋の時代の作で、作者不明?、世界に3点しかなく、それが、総て、日本に現存している。
それ等は、静嘉堂美術館、藤田美術館、それに京都の大徳寺龍光院に鎮座していると言う国宝である・・・
古くは、足利義正、織田信長や徳川家康が所蔵し代々家宝として受け継がれてきたと言う・・・
黒塗りの地に宇宙の果から飛び出して来たかのような瑠璃色をした曜変が碗の内側に散りばめられている・・・ 老い耄れには、少々、派手派手な「天目」と見たが、何せ世界に3つしかない銘器!!!国宝である!!!
国宝であるが故にこの贋作に挑戦している陶芸家を紹介していた・・・
日本の長江惣吉さん、林恭助さん、中国の超建興さん。
夫々に生涯を掛けこの「曜変天目」の再現に挑戦しているが、未だ、陽の目を見ていない!!!
「曜変天目」の作陶には色々な分析が試みられているようだが、未だ、その真髄は判っていない。
不思議なのは、遠い昔、南宋時代、中国福建省辺りで造られたようだが、作陶場のガラクタ放棄場にこの銘品の欠片一つすら落ちていないと言う・・・ 依って、先人作の学術的解析すら出来ないでいる!
そして、不思議なのは、大中国の作にも拘らず、中国には一品も無く、完全品がタッタ3個、日本に存在していると言うのだ!
今の中国感情からすると、地団駄を踏んで悔しがっているに違いない! 感情的には判る気がする・・・
そして、神秘は更に深まる。
作陶プロセスが一向に読めて来ないとい言う・・・
迷作陶家になりつつある老い耄れ爺?でなくても、これ丈の銘品ともなると贋作を思いつく・・・も、未だ、この国宝3品に類似した作品は出来ていない!!!
前出の3氏が先行しているようだが、まだまだ、その領域には達しておらず、長年掛け悪戦苦闘しているようだ。。。
何故それ程までに難しいのだろう?
この秘宝、未だ、焼き術が未熟の時代焼き窯のムラ、火の強さ加減の不安定さ、酸素供給ムラ、釉薬の不完全さ等々で偶然出来上がった不具合品だったのでは?という珍節すら飛んでいる・・・
本場、中国や朝鮮で、高級品と言えば青磁や白磁とされてきた!!!
この「曜変天目」が、高級品と考えられれば、それはそれは、数多く作陶されてきたに違いない!!! 第一、「天目」自体、それほど重要視されてきた陶器ではなかったという説もある・・・それにしても世界で、タッタ3器とは!!!
番組は未決のまま終わったが、実に、奇怪、不思議な銘器「曜変天目」であった!!!
実に多くの謎に包まれている「曜変天目」、もう少し、時間を掛けて勉強して見たいと思った。。。