『 ヘボのアルバム 』

“ヘボ”ちゃんをこよなく愛する蜂狂さんとのコミュウニケーションの場です・・・

     『 スズメバチの記憶思考回路について考える・・・⑧ 』

2012-11-16 21:04:34 | Weblog
             


「複眼」と対をなす「単眼」は、昆虫に存在する特徴的な視覚器官だ!
蟲に興味のない御仁は、「複眼」「単眼」等と言っても何の事か判らないだろう・・・
老い耄れ爺は、「単眼」の存在を国民学校に上がる前から知っていた。 それは、毎日のように烏帽子(えぼうし)の山を切り開いた開墾畑の斬り藪へ蝉取りに出掛けていたので、蝉から学んだ! 蝉取りは、比較的大きな熊蝉や油蝉の幼虫(ハイボコ)が脱皮の為地中から出て来る夕方を狙って出掛けた。 夕方と言っても日暮れ近くで、早い御仁は、もう背丈ほどの切り株に這い上がり脱皮をしていた。
こういう蝉達を毎日30匹とか50匹という単位で捕まえ、家の柿の木のたかし脱皮させるのを喜びとしていた・・・
だから、蝉の体の器官は自然に知り尽くし、大概の事は脳味噌に入っていた。
国民学校低学年で熊蝉の産卵光景を見た時は、興奮した!!! 確か、国民学校2年生の夏だったと記憶している。
栗の枯れ枝に鋭いお尻の剣を指し込み一つ一つ産み付けていた。
蝉は、昆虫の中でも大型の方なので軆の部位:器官を見るのは、肉眼でも見易く、また、手で触っても何ら危害を加えないので、扱い易い蟲だった。

昆虫の「単眼」は、極々一般的には、3個ある!!! 種によっては無いモノもあり、1つ備えているモノも居る。
が、常識的には、三ツ星様のように3個備えている!
餓鬼の頃、何故3個なのか?不思議で不思議でならなかった。
この解明は、ツイツイ最近まで解明出来ない儘何10年という月日が流れた。
定年間近になって「ヘボ」ちゃんと接するようになった。 当然の事だが、「ヘボ」ちゃんにも「単眼」があるのは知ってはいたが、蝉ちゃん同様何の為3つもブラ提げているのか?すら知らなかった。
もう時間がたったが、10数年前、矢島稔先生の「謎とき昆虫記」をTVで見ていて単眼が、照度計の働きをしている事を知る!!!
 「そうだったのか!!!」   

だが、この程度の事しか判らず、少々、物足りなかった!
それから、また、月日が流れる!!!

 今度は、水波先生の「昆虫---驚異の微小脳」から青天の霹靂の知識を得る!!!  

「ヘボ」ちゃんの行動観察については、得意とする所で、自慢ではないが誰にも負けない知識を持っていると自負している!
先生方の予備知識を応用して行くと「単眼」の実の鮮明な働きが解明されて行った!!!
3つ星様、「単眼」は、物凄い感度を持った照度計である。多分、1ルックス以下の明暗でも感知出来る性能を持ち合わせていると考えられる。
どちらかというと夏場の蟲:「ヘボ」ちゃんは、最盛期、朝は辺りが白け出す時は、もう、一働きも二働きもしていて、巣に帰還して来る!
僅かな照度があれば十分に飛行出来、そして採餌さえも可能なのだ!!!
夕方の帰還を観察していても真っ暗闇になってもゾロゾロ帰って来る。 そして、飼育箱の何処かに着陸すると歩いて通い穴から中に入って行く! この暗さは、人間様では見る事が出来ない照度である。 
何より、明快なのは、殆ど真っ暗闇の巣穴の中で巣造り、育児という大仕事をしているではないか!!!
まだまだ、数え上げれば幾らでもあるが、何れにしてもこの照度計は、大したものだ!!!
更に、驚くべき学問を学んだ。
三ツ星様の秘密だ!!!
   
伊達や酔狂に3つ並んでいるのではない!!!
この照度計は、飛行中、超感度で左右の明暗を見分け、どちらに傾いているのか?チャンと計測、飛行のバランスを採っているのだ! この照度のバランスで明暗を感知し、旋回等自由自在に飛びコナシテいる。 言うなれば、50~60㎞/hというハイスピードで飛行出来ているのは、この「単眼」のお陰かも知れない!!!
そして、視界を把握する「複眼」の補助的視覚器官として対をなす働きをしている。。。

よく出来た部位:部品ではないか!!!  

こういう部位が、脳の超近くに存在して分散型神経節として脳の働きを一層高速ならしめている!!!
そして、そして、更に、驚くべきセンサー:「触覚」が、同様、「複眼」「単眼」の脇に存在している。 分散型神経節の一番のセンサーとして君臨している。

この解説は、後日しよう!!!
  

     『 スズメバチの記憶思考回路について考える・・・⑦ 』

2012-11-16 00:09:04 | Weblog
             


ヘボちゃんの思考回路を補佐する外部センサー:「複眼」について考えて見たい。

御存知のように、ヘボちゃん等:昆虫の眼は我々哺乳動物のレンズ系の眼と違って「複眼」である・・・
何と言っても「複眼」の特徴は、小さな「個眼」が幾つも寄り合って構成されていて、昆虫によっては、蜻蛉、蠅や虻のように個眼の塊のような複眼をもった蟲も居れば、それ程多く持たない蟲も居る。
蟲:昆虫によって複眼の個眼の数はそれぞれ異なる。目利き程個眼の数は多い!!! 蜻蛉で10000~28000個、家蠅で4000個、蜂類:4000~5000個、蟻:100~400個、土の中に住む昆虫類には数個というモノもある。
複眼の一番の特徴は、動的特性に優れていて、高速飛行や外敵に対する脅威反応が敏感である。 そして、蟲により個眼の数を保有が異なり、より敏捷に動き回る蟲程その数は多い!!!
御存知のように「メダカ蜻蛉」等は、複眼がグルッと300度近くも視界が効く構造になっているので、言うなれば、殆どの視野を捉える事が出来る。 魚眼レンズの上を行っている!!!そして、最近の研究で複眼の構造が判って来た。
系統的には、レンズ系と複眼の違いはあるものの、目から視神経、脳に至る経路は我々人間族と何ら変わらない仕組みになっている。そして、視覚情報は、より早く判断処理すべく、略、脳:キノコ体に直結していてその伝達経路は早い!!!
複眼、個眼の塊から入った視覚情報は、網膜を経てラミナメダラロビュラという視葉を経て脳:キノコ体に達する。キノコ体で、体中に張り巡らされている神経節からの感覚情報、運動情報が集約統括され各々の神経節に命令として伝達され、反応もしくは2次指令として伝達される。
(注)
ラミナ:像の輪郭をより強調させて認識する。
メダラ:視野内の極狭い空間領域での運動にだけ反応する。
ロビュラ:物体の形の識別をする。 等々の認識役割分担が確認されている。
前にもカキコしたように、この司令系統は、脳に相当する神経節が軆の角節に梯子状に分配されているので、非常に早く伝達され、アクションに結び付く。 ノロマの昆虫も、儘、居るが、多くは敏捷で、人間様等の比ではない!!!
複眼は、動特性に優れているので、例えば、蜂や蜻蛉等が時速50~60㎞もの高速でビュンビュン飛べる訳である。
オモシレ~事に、複眼は、我々人間や哺乳類の眼とは違って波長の短い紫外線辺りまでよく見えるという・・・
昆虫達が、餌とする花の蜜との関わりが極めて強く、また、深い事と関連付ければ「成程!!!」と頷ける!!! 花の在り処は匂いの他に花の蜜源部に紫外線を発している個所が存在して居る事を見れなより理解し易い!
こうして、複眼は紫外線に強い視覚器官として進化してきたのだろう・・・

蟲ケラの眼!!!あんなモノ!と見下すことなかれ!!! 中々どうして優れモノの視覚器官である!!!