『 ヘボのアルバム 』

“ヘボ”ちゃんをこよなく愛する蜂狂さんとのコミュウニケーションの場です・・・

     『 テヘランの“キイジス”・・・ 』

2012-02-09 22:03:01 | Weblog
              


中近東の四方山話を書いておこう・・・  

先の旅でイラン、テヘランに着いたのは夕刻近かった。
タイ:バンコックからエール・フランスに乗り、テヘランにダイレクトに着いた。 まだ、ボーイング DC-8 が飛んでいた時代の話である・・・
テヘラン空港では、どういう訳か?yの荷物が降りて来なかった。 1時間、2時間待てど降りて来ない。 どうやらパリまで運ばれてしまったらしい!
テヘランのサービス・センターで小言を言ったのは言うまでもない。 (結局、3日後、手元に来たが・・・)
この間の不便は言うまでも無かった。 一番困ったのは、下着類が無い事だった。

テヘランの3日目、偶々、日曜日で、近くの公園を歩いた。
11月初旬だと言うのに公園は暖かく、多くのイラン人が散歩していた。
信じられないと思うが、公園では多くので店が軒を連ね、闇市のような販売をしていた。
その中の一つに、肉屋があった。 
信じられないと思うが、肉は、勿論、マトン、羊で切り売りというより、片足を何本もブラ提げ、これを切り刻んで売っていた。
オモロイ商売をするんだ!!!と、暫く覗き込んでいた。
するとどうだろう!!!
皮を剥ぎ取られたマトンの片足に黄色い蠅が群がっている!!! 
よくよく見ると蜂だった!!!
    
そして、齧っては何処ぞへ飛んで行く!!! それが1匹や2匹ではない!!! 
かなり群がっていた!    
肉屋の親父さんに断ってこの蜂を2~3匹頂戴する事にした。
思い付いたのは、これ、親父さんにお土産にしよう!!!と・・・・     親父さんは、故郷地元では有名な蜂狂だったからである。
黄色くなるくらい居るので、捕まえるのは容易い! 棒切れで捕まえ紙で包んだ!!!
そして、よくよく見ると、何と、諏訪地方の高原地帯に居る「キイジス(キオビクロスズメバチ)」だった。
こんな所に「キイジス」が居るんだ!!! 驚いたのは言うまでもない!!! 
一番のお土産話が出来た。

そして、余りにも居るので、肉片を咥え切った「キイジス」を追い掛けて見た。 
紙縒り等という洒落たモノは持ち合わせている訳もない。 だから、実に、追い難かった。 それでも20~30m追い掛ける事が出来た。 やや曇天だったので、「キイジス」がよく見えた。
結局は、公園の藪の中え飛び込み御名御璽!!!!! 今考えると惜しい事をしたと持っている。 当時は、今ほどの蜂狂でもなく、興味半分の遊びだった。
それにしても、店先に吊る下ったマトンの片足に「キイジス」が群がっていたのには驚いた。」
思うに、今でもこの地に「キイジス」が生息している事は間違いないと信じている・・・ 訳は、簡単! この地には蜂狂なる天敵が皆無だからである!!!  

それから何年かして北アメリカ大陸にも「キイジス」が生息している事を知る。 実際、この目で見て来た・・・

時は流れる・・・
定年間近、訳あって「蜂狂」に嵌っていく・・・
そして、三重大学のハチ教授:松浦先生と話す機会に恵まれ、また、先生の色々な文献等読むようになり、「キイジス」が世界の主流なる事を知る・・・
日本に居る「ピン(クロスズメバチ)」や「軍(シダクロスズメバチ)」は、寧ろ、マイナー種で、珍しいんだそうな!!!
こんな事を学んだり聞いて、「キイジス」の魅力に取り付かれて行った!!!     

今にして見れば、「キイジス」騒動は、中近東の旅の最大のお土産になった。
      
アハハ… 野暮な爺さんよ!