徳丸無明のブログ

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M‐1グランプリ2018 寸評

2018-12-03 22:37:25 | 雑文
福岡では国際マラソンが開催された12月2日。僕は子供のころ、マラソンランナーに声援を送る大人たちを見て、「人がただひたすら走っているのなんか何が面白いんだ」と思っていました。しかし同時に、「でもひょっとしたら、大人になればマラソンの面白さがわかるのかもしれない」とも考えていました。それからおよそ30年。僕はいまだにマラソンの面白さが理解できずにいます。
・・・さて、M‐1です。通常こういう賞レースというのは、「手堅く優勝狙える実力者」と「肩入れしたい贔屓」と「知ってるけど好きでも嫌いでもない」と「初見」の4タイプが適度に混ざっているものですが(僕は「手堅く優勝狙える実力者」に肩入れすることはないので)、今大会は個人的贔屓が一組もおらず、熱量低めでの鑑賞となりました。


個別の感想は以下の通り。まずはファーストラウンドから。

見取り図・・・ギャロップと同じ関西枠だったんですね。ボケがちょっと弱いかな、と思いました。「子供300人ほしい」とか、非現実的すぎて冷める。「女子中学生歩いてると思われて変なおじさんに連れていかれる」のくだりは、「そもそも女子中学生が下着姿でうろつくか」ってツッコミを加えることができたはず。伏線の回収がそれぞれ違う長さで行われていて、そこの緩急に工夫が感じられました。それと略語の「あたおか」はよかった。ブラマヨ吉田の「てられな」を思い出しました。あたおかを軸に展開した方が面白かったかもね。

スーパーマラドーナ・・・田中の「好きなモン同士でグループになれがトラウマ」という最初の一言、いつまで言ってんの?他の言葉が思いつかないんなら無理に言わなくていいよ。全体的には概ね審査員たちの感想と同じです。前半よかったのに後半失速。田中のキャラのおかしさは、「サイコなおかしさ」と「コミカルなおかしさ」が共存していて、前半は前者が強く、後半は後者に力点が移ってました。おかしさをサイコな点だけに絞って、武智の危ない人キャラをサイコさで圧倒する、という構成にした方がよかったんじゃないかな、と思います。

かまいたち・・・タイムマシンでわざわざポイントカード作る、という細かさ、バカバカしさは好き。でも「わかりにくく説明した」という箇所以外は、ごく普通の日常会話という感じで、工夫が感じられませんでした。「こいつのマイナンバーがネットに晒されますように」というセリフ、唐突過ぎ。あとは観客に悪態つくのがちょっと良かったかな。いっそのこともっと極端な暴言吐いてほしかった。

ジャルジャル・・・去年に引き続きゲームネタ。去年の「◯◯と言ったら✕✕と返す」ゲームはスピードが速く、ついていくのが大変で、そのぶん面白さが咀嚼しにくくなっていましたが、今回はスピード落としめで前回の短所が克服されていました。ゲームが数段階に分かれていましたが、ひと段階ごとに一定のリズムがあって、全体を通してみた時に、音楽を聴いてるような感覚が得られる構成になっていました。同じ言葉の反復(「イン/ドネシア」)や、同じ言葉を区切りをずらしてリズムを変化させていく(「アル/ゼンチン」「アルゼン/チン」)のはまさしく音楽の技法。「ネタの面白さ」を「リズムの気持ちよさ」が下支えする、というのは強み。これは変則的なリズムネタと言っていい。結局ジャルジャルはこれでいいんだな、と思いました。

ギャロップ・・・正統派のしゃべくりって今では割と貴重なんで、もっとハネてほしかった。なんかずっと100点満点中60点くらいを維持してる感じ。もちろん頑張って60点しか出せてないんじゃなくて、その気になればもっと出せるのに出してないということ。「もっと高度を上げろ!」と思いました。「何の話でもない、忘れていい」のところだけ上昇してましたね。

ゆにばーす・・・まず出だしで、「あれ、名人緊張してる?」という驚き。去年も出てるのに、2回目でこんなになっちゃうの?これがM‐1に潜む魔物のなせる業なのか。ネタのクオリティも明らかに去年より落ちている。はらちゃんの「ヘドが出るわ!」で最初のひと笑いが来なくちゃいけないのに、会場は静まり返り、この時点でああきついな、と。みんな年々成長するのが普通なんだけどな。こんなこともあるのか。でもゆにばーすにはまだ時間があるから、これからに期待しましょう。

ミキ・・・昴生の早口になってセリフ聞き取りづらくなるところが改善されており、早口だけど早口過ぎないラインを抑えられるようになっていました。でも内容的には普通の口喧嘩で、ひねりが感じられませんでした。気が利いてたのは「誰と誰と誰や」と「簡単なアハ体験」くらい。林の自虐はダメだけど、昂生の自虐はアリだという上沼恵美子はどうかしている。

トム・ブラウン・・・中島みゆきによる木村拓哉には、おもわず「しょーもねえ!」って呟いちゃったんですけど、なのに気付いたら笑ってた、という不思議。これはもう「燕よ」に「ちょ、まてよ」が嵌め込めるという気付きの勝利でしょう。徹底的に無意味・無内容なのが好感持てる。なかじマックス完成で思い切りどつかれるのも理解不能。トム・ブラウンは今大会一番の収穫。

霜降り明星・・・最初心配したんですよ。「ボラギノールのCM」のボケでせいやが動いちゃってて、「静止画になってねえよ」と思いましたので。でも徐々に加速していくボケの畳みかけが素晴らしかった。普通ボケの手数を多くすると、そのぶん面白さは薄まって「質より量」になっちゃうんですけど、このネタのボケは一定レベル以上の質を保っていた。あとやっぱ粗品のツッコミの声、気持ちいい。「声の快感」ってネタの評価にけっこう影響してるんじゃないでしょうか。ツッコミが説明ツッコミになってて、ボケを理解する気持ちよさと声の気持ちよさが合わさる相乗効果で、より強い快感が得られるようになっていました。

和牛・・・しゃべくりで始まって、このまま最後まで行くのかと思いきや、最後だけコント形式になって、なんでこんな構成にしたのか謎。コント形式のほうがウケてたので、最初からそうしてればよかったんじゃないかな、って思いました。和牛にしては屁理屈弱め。もっと水田に腹が立つぐらいの屁理屈がほしかった。


続きましてファイナルラウンド。


ジャルジャル・・・前段の指差し自己紹介、内輪で遊んでるかんじで好きじゃない。後段の指差しコントも子供が戯れてるみたい。一本目がすごくよかっただけに肩透かし感がもう・・・。

和牛・・・なんかただ騙すお芝居をしてるだけのような・・・。「たまたま信二」はちょっとよかった。

霜降り明星・・・基本的には一本目と同じ構成で、安定感がありました。「プリンセス転校生」が好き。


終わってみて一番の感想は、「霜降り明星を軽く見ていた」ってこと。急速に腕を上げていて驚かされた。若手でここまでやれるのならば、この先どこまで伸びるんだ、って期待しちゃいますね。逆に、文句なく面白いだろうと踏んでいた和牛はいまひとつで残念。あと、言っても詮無いことですけど、プラス・マイナスに勝ち上がってほしかった。プラマイもラストイヤーだったんですね。これだけ実力ありながら一度も決勝行ったことないなんてねえ・・・。
僕は16年の銀シャリ、17年のとろサーモンと、2大会連続で優勝予想を的中させていたのですが、今回見事に外れてしまいました。どうでもいいですか?
ラストイヤー組がいくつか去ることで顔ぶれが入れ替わるはずですから、来年は新顔の登場や、くすぶり組の浮上に期待したいです。
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