日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 プロの報道媒体にもミスはあります。うっかりした間違いとか誤報とかいろいろ。あえて誤報を流すようなところもあるかも知れません。

 ただ今回はあまりにお粗末なので晒しageます。

 主役は標題にあるように共同通信。これまた標題にあるように、

「中国の反発は必至だ」

 という一節で締めるという様式美(笑)を完成させたことでも有名です。中国語サイトも持っていまして、中共系メディアもしばしば共同電に拠って記事を書いています。……まあただけそれだけのことで、今回の主題とは関係ないのですけど。

 で、昨日(10月24日)のことなのですが、この共同通信が奇妙な記事を配信しました。私にいわせれば怪文書。



 ●「謝罪」削ったのは誰だ? 胡主席会見で憶測呼ぶ(共同通信 2007/10/24/11:28)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007102401000206.html

 【北京24日共同】中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)が22日の2期目指導部“お披露目会見”で、長時間待たせた報道陣に「ごめんなさい」と謝罪した発言が国内報道で削除され、「最高指導者の発言を一体誰が削ったのか」と憶測を呼んでいる。

 胡氏は予定より約30分遅れて午前11時半ごろ始まった会見で「9時から大勢待っていたそうで、本当にごめんなさい。党大会事務局を代表してみなさんに感謝する」と述べ、テレビでも生中継された。ところが23日の新聞や再放送の映像から「謝罪」は消え「感謝」だけに。

 一部国内記者に配られた演説原稿に謝罪の部分はなく、胡氏のアドリブ発言だった。

 ある中国筋は「共産党では最高指導者といえども勝手な発言は許されない。制度(ルール)化が進んでいるということ」と指摘、メディアを統制する党宣伝部が削除したと分析する。




 先に申し上げておきますが、これは『東京新聞』以下ががうっかりしていた訳ではないでしょう。たぶん共同通信であることに安心して使ったのだと思います。

 中国語要員に乏しいであろう地方紙はなおさらです。……とはいっても、膨大な配信記事から選んでいるので、掲載責任はあるでしょうけどね。

 ――――

 ●東京新聞
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102401000206.html

 ●静岡新聞
 http://www.shizushin.com/national_international/2007102401000206.htm

 ●河北新報
 http://www.kahoku.co.jp/news/2007/10/2007102401000206.htm

 ●秋田魁新報
 http://www.sakigake.jp/p/news/world.jsp?nid=2007102401000206

 ●山梨日日新聞
 http://www.sannichi.co.jp/kyodo/news.php?genre=World&id=2007102401000206.xml

 ●東奥日報
 http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20071024010002061.asp

 ●福井新聞
 http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news4/article.php?topicsid=4&pack=CN&storyid=48046

 ●山陽新聞
 http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2007/10/24/20071024010002061.html

 ――――

 私は某巨大掲示板の関連スレでこの記事を知りました。

 思わず目を疑いました。

 というのはもちろん誇大表現で(笑)、

「……え?何それ?」

 と感じたまでです。

 いや、だってこの「胡錦涛が謝った」という記事、全く削除されていませんから。私は原文の方で、つまり中共系メディアでこの記事を拾っていましたし、一時は人気記事ランキングにも並んでいたので、削除と聞いて「どうして?」と思ったのです。

 ソース。

 と言われる前に出しておきます。いまも削除されずに残っていますよ。



 ●国営通信社「新華社」電子版(新華網 2007/10/24/09:24)
 http://news.xinhuanet.com/politics/2007-10/24/content_6932851.htm

 ●党中央機関紙『人民日報』電子版(人民網 2007/10/23/09:01)
 http://cpc.people.com.cn/GB/104019/104922/6418649.html




 胡錦涛はこの記事において、

「眞切地向在場的記者致歉」(心を込めてその場にいた記者たちに謝罪した)

 ……ってちゃんと謝っていますし、

「聽說9點多鐘很多朋友就來到這裡等候,非常對不起大家。」(9時すぎからたくさんの皆さんがここで待っていたそうですね。本当にごめんなさい)

 と胡錦涛の台詞(肉声)までついています。さらにいずれの記事にも、この「ごめんなさい」が予定稿にない胡錦涛の「アドリブ」だったことにふれ、「総書記の情味あふれる心温まる話」風味に仕立て上げられているのです。

 共同通信の記事によると、



 ところが23日の新聞や再放送の映像から「謝罪」は消え「感謝」だけに。



 ということになっていますが、そんなこたーありません。上に示した原文記事の日付をみれば明らかでしょう。ウラをとっていなかったのはお粗末ですね。しかも北京発の記事なのに。

 そのくせ「中国筋」なる怪しい人まで引っ張ってきているし。



 ある中国筋は「共産党では最高指導者といえども勝手な発言は許されない。制度(ルール)化が進んでいるということ」と指摘、メディアを統制する党宣伝部が削除したと分析する。




 何ですかその「指摘」と「分析」は(クスクス)。「党宣伝部の反発は必至だ」てことになりますよ(笑)。あと正確を期すなら「中央宣伝部」ないしは「党中央宣伝部」と書くべきかではないかと。

 だいたい消息筋にあたる前に、というかあたるヒマがあるならまずウラを取れ,記事を確認しろ、と。プロなのにそういう基本すら踏んでいないんだから「The End of Asia」の糞ブログにこうやって叩かれる訳で。

 ま、カネもらって仕事して、カネ取って記事売っているんですからしっかりして下さいな。私はこれから本業・副業に復します。……あ、その前に「千のナイフ」でも聴いておこうかな。

 ――――

 【※】余談ですがもうひとつのアドリブを紹介しておきます。香港紙『蘋果日報』(2007/10/23)によると、お披露目の場所から引き上げていく胡錦涛以下9名の党中央政治局常務委員の中で、温家宝・首相が最後にひとりだけ隊列を離れて、報道陣に向かって手を振ったそうです。温家宝ですからいつものサービス?と捉えてもいいのですが、たぶんこの記者は温家宝首相引退説が流れていることを念頭に、伏線ではないかと考えてこの記事を書いたのだと思います。




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コメント
 
 
 
起義 (参謀本部作戦課)
2007-10-25 11:35:15
私事で恐縮です。
香港での生活も残すところあと二日となりました。
晩秋の日本、美しい日本、ため息が出ます。
御家人様、一週間の連投お疲れ様でした。
少し息抜きをなさって下さい。
十七大の結末を見て、異臭を放つ腐敗物として
生き続けることを肯定(極めて消極的に或いは
為すすべもなく)したのだなと思いました。
このまま朽ち果てるまで行くのですかね(笑)。
出でよ毛沢東、義は我にあり。
 
 
 
Re:起義 (御家人)
2007-10-25 17:04:03
>>参謀本部作戦課さん
 香港!香港は晩秋になると山火事警報が出るような湿度が低めで、さえざえと晴れる日が何日かだけありました。私は香港生活の大半は「ひとりだけ日本人」な仕事環境だったので、そういう日に「ああ日本の秋もこんな感じだった」としみじみ思ったものです。
 4~5月と10~11月ごろの東京出張はうれしかったのを思い出します。モドキではなく、ホンモノの冴えた空気を味わえましたし、空の色がまた何とも。
 香港企業の駐在員で東京在住となって、そのあと台湾の会社に引き抜かれてそのまま駐在していたのが、台湾の現場に回ることになったとき、冬空の写真を撮って持っていきました。偶然ながら靖国神社です。飯田橋で角川に寄ってから九段下まで歩いて地下鉄に乗るとき、次のアポまで時間があるといつもあそこで休憩していましたので。まだそこを特別な場所と思っていなかったころでしたけど、あそこは周囲に高層ビルがないから空が広いのです。台湾でこんな空は見られまいとふと思ってデジカメで1枚。
 東京もここ数週間で急に秋の気配を帯びるようになりました。靖国神社ではこれから1カ月くらいかけて参道のイチョウ並木が色づいていきます。何はともあれ、お帰りなさいと言わせて下さい。香港で身についた垢なんざ、日本の秋を堪能するうちに洗い流されてしまうでしょう。
 それから、お願いですから「御家人さん」と呼んで下さい(笑)。
 
 
 
例の謝罪シーン (Unknown)
2007-10-27 11:00:25
YOUTUBEに「ごめんなさい」シーンがありました。

http://jp.youtube.com/watch?v=0eBV64_VWKY
 
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