日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 何やらここ一両日で色々な動きがありましたね。

 ●温家宝首相の訪欧延期。
 ●陸上自衛隊の「防衛警備計画」なるものを『朝日新聞』が報道。
 ●中国海軍が東シナ海を担当する予備役部隊を編成。
 ●香港立法会議員団の訪中。
 ●炭鉱への出資問題をめぐり大量の造反官僚。
 ●中国、東アジア首脳会議への米国の参加反対を表明。
 ●中国のネット規制強化。 
 ●温家宝、訪中した日中経済協会代表団に「歴史問題の勉強を」。
 ●アジア開発銀行、中国に45億ドルを融資。

 ざっと並べてみてもこのくらいあります。

 中国海軍の予備役部隊というのは旧日本海軍でいうと鎮守府直属の二等駆逐艦による駆逐隊みたいなものでしょうか。そりゃまた豪気だねー、と。いきなり海軍部隊を出してきた日にはこちらも海上保安庁ではなく海上自衛隊で対応しなければならなくなりますね。

 中国がいままで活動家を丸腰で派遣していた尖閣諸島問題、いまは活動家の先走りを抑えに抑えているのでしょうが、国内世論や党上層部の主導権争いがありますから、次に中国が手を出してくるときはガチ(奪還作戦かどうかは別として、護衛艦艇つき)だろうと私は思います。

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 党の重要会議である「五中全会」(党第16期中央委員会第5次全体会議)も間近ですから、とりあえず石原都知事にまた沖の鳥島へ行ってもらって、日の丸を振ってもらうか具体的な施設建設に取りかかるなどして煽ってみたらどうでしょう。

 人民解放軍の機関紙である『解放軍報』などは最近、胡錦涛総書記のもとに一致団結するよう繰り返し強調していて、それを国営通信社の「新華網」などが転載したりしています。しきりに強調しなければならないほど団結が揺らいでいるのでしょう。表に出て来ない動きが色々あるのだと思います。政権運営の主導権をどの政治勢力が握っているのかちょっと見えにくい状況が続いています。

 香港の立法会議員団の広東省訪問も地味ながら面白いニュースです。広東省トップとの会見で議員の一部(民主派)が天安門事件(1989年)の名誉回復を求めたのに対し、

「名誉回復はできないし、名誉回復が行われることもない」

 ときっぱりと拒絶されています。

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 他にも番禺太石村に新展開があるなど題材は豊富なのですが、とりあえず「炭鉱への出資問題をめぐり大量の造反官僚」、この続報をお伝えします。地味なようですが、冒頭に並べたニュースの中で最も異常な出来事といえるかも知れません。

 ●関連記事
 「造反官僚続出『炭鉱投資、クビになってもやめない!」(2005/09/25)

 地方の党官僚が炭鉱(無許可のヤミ炭鉱含む)に出資するのをやめろ、と中央政府が通達を出して、その撤退期限が9月22日でした。20万元投資すれば最低でも年に20万元の収益があるというオイシイ話に地方の幹部が飛びついて、事故が起きても地元党官僚が隠蔽してしまうという官民癒着の構図を打破しようというものです。

 各地方が通達に大人しく従うかどうかは中央政府の威厳を示すバロメーターでした。ところがフタを開けてみるとこれがまた惨澹たる状況。直轄市・省・自治区レベルでこの通達に従順だった地区は皆無といっていいでしょう。

「まだ正確な数字がつかめないので……」

 などと言い訳されて面従腹背、内蒙古自治区では何と資本撤退に従った党幹部は一人もなく、

「クビになっても炭鉱投資はやめない」

 という言葉まで飛び出して、それが中国国内メディアに報道される始末。要するに温家宝首相率いる国務院(中央政府)の面子が丸潰れとなった訳です。

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 この内蒙古自治区の総員通達無視、それに「クビになっても炭鉱投資はやめない」という反応は各方面に衝撃を与えたらしく、関連評論がわらわらと湧いて出てきました。

 ●何が役人に「クビになっても炭鉱投資はやめない」と言わせるのか(中国経済時報)
 http://opinion.people.com.cn/GB/51863/3723935.html

 ●「クビになっても炭鉱投資はやめない」とは誰を挑発しているのか(大河報)
 http://opinion.people.com.cn/GB/1034/3722245.html

 ●「クビになっても炭鉱投資はやめない」は虚言だ!(斉魯晩報)
 http://opinion.people.com.cn/GB/1034/3721851.html

 ●「クビになっても炭鉱投資はやめない」に対する3つの提案(法制日報)
 http://news.xinhuanet.com/lianzheng/2005-09/26/content_3543850.htm

 ●恐るべし、資本撤退した官僚は皆無(瞭望)
 http://news.xinhuanet.com/lianzheng/2005-09/26/content_3546682.htm

 ●炭鉱の「官民癒着」根絶は任重く道なお遠し(新華社)
 http://news.xinhuanet.com/zhengfu/2005-09/26/content_3544427.htm

 ●炭鉱の「官民癒着」役人の「資本撤退無視」が示すものは?(人民日報)
 http://society.people.com.cn/GB/1063/3725083.html

 ――――

 ものすごい反響です。で、恥を晒した中央政府は昨日(9月26日)、資本撤退者の最新統計を明らかにしています。

 ●国家機関職員と国有企業経営者497名が炭鉱から資本撤退
 http://news.xinhuanet.com/politics/2005-09/26/content_3546408.htm

 この497名は25日夜時点での人数なのですが、全国統計ではありません。「貴州、河南、河北など9省の不完全統計」というごく一部の地域に限られた、しかも大まかな数字なのです。随分腰が引けた発表になっています。何とまあ情けない。

 ヤミ炭鉱撲滅と官民癒着根絶に関する通達が出たのは8月下旬です。当時このニュースに接した私は、こういう通達を出せるくらいだから中央政府の威令が各地に及んでいるのだろうと思ったのですが、どうやらそうではなかったようです。

 昨年から問題になっている土地の強制収用についても、中央から厳しい通達が出ると今度は「土地借り上げ」が各地で流行しました。「土地買収」じゃなくて賃借するだけだから問題はなかろう、というものです。

「上有政策下有対策」(中央の政策に対し、地方はそれを骨抜きにして面従腹背)

 の典型例ですが、今回の炭鉱問題ではよりダイレクトに、しかも全国各地から拒否反応が返ってきたのですから一種の異常事態です。

 ――――

 ここに政治の影をみるとすれば、どうなるでしょう。この1年余り、胡錦涛はその出身母体である共青団(共産主義青年団、ユース共産党みたいなもの)系統の人脈をしきりに各地に送り込んで勢力扶植に励んできました。省や自治区政府の首長とかそのサブ(副省長や自治区副主席)、ひいては実質的なトップである党や自治区の党委員会書記、あるいは副書記といったレベルでの人事です。

 でも結局のところ中央から派遣された雇われ親分ですから、地元生え抜きの部下たちをまだ十分に掌握できていない、つまり下僚から親分として認知されていないのではないかと。あるいはアンチ胡錦涛の政治勢力が地元幹部レベルに根を張っていて邪魔しているということも十分考えられます。今回の問題も、つまりは中央政府と地方政府の間での利害対立ですから。

 それにしても、拒否の姿勢が余りにあからさまであることに驚かされます。内蒙古自治区の「資本撤退者ゼロ」という数字の形で間接的に示した拒否反応。しかもそれに加えて「クビになっても炭鉱投資はやめない」と
中央政府に喧嘩を売っているかの如き強腰はどこから来ているのか、何を恃んでいるのか。これは興味深いところです。

 ともあれ、かくも多くの
「造反官僚」の出現に中央政府はマスコミ総動員で前掲のような一種のキャンペーンを展開しているのが現状です。経済政策の実質的な運営者である国家発展・改革委員会は中央による「宏観調控」(マクロコントロール)という言葉を盛んに呼号していますが、この体たらくでは各地区の開発欲求を巧みに抑えバランスをとりつつ持続的安定的経済成長を目指す、というのは画餅に終わりそうな印象です。

 それにしても毎度毎度感じることですが、「公の精神」というものが中国の「官」にはカケラすらみられませんね。その点については日本の官僚も怪しいものですが、中国はさすが私腹の肥やし方のスケールが違います。しかも堂々としている(笑)。これは民族性なのでしょうか。いずれにせよあと100年待っても近代国家にはなれそうにありません。



コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (aquarellisute)
2005-09-27 21:46:19
お昼は言語障害なのか日本語が崩れてて申し訳ありませんでした。



胡錦濤が手下を地方に送り込んでいますが、江沢民派と目される人物が党書記を勤めているような地域は、中央の命令を無視する傾向が強いのでしょうか。



中国の白地図に胡(赤)と江(青)で色分けできたら、選挙みたいで分かりやすいかもしれませんね。時期的に選挙前みたいなものですし。青い地域と造反官吏の多いところが重なったりして。
 
 
 
赤旗王朝末期? (CatSit1)
2005-09-28 04:19:38
はたして中国は、あとどれくらい「統一国家」の仮面を被っていられるか?

そろそろ限界ではないですか。まるで水滸伝の世界みたいです。



しかし「統一国家」の仮面が剥げると、先進国にとって収奪の旨みがなくなりますねぇ。

まぁ、日本以外の列強にとっては「兵器の売り込み」という、飽きるほど繰り返したビジネスモデルが、この先もありますが。



一旦動乱にさえなってくれれば(=兵器の向き先が日本でないなら)EUの武器売却もOKかな、とも思うのですが。
 
 
 
紅天既に死す ですね。 (暇人)
2005-09-28 08:59:12
歴代王朝の頃でも、中央生え抜きの官に対して、官が赴任する地方出身者(地元官僚)の吏が祭り上げて賄賂なんかで懐柔していたそうですから、問題発言をした官僚なんか昔の吏みたいなもんでしょうね。中央の都合で富を諦めろなんて冗談じゃないと。

 シナ大陸王朝って中央の権威が堕ちると崩壊はかなりの短期間で起こるのではないでしたか?

 ホントに末代皇帝になりそうですね。

 で、江沢民は反日音頭で先送りして国を傾けた亡国皇帝と次の大陸政権の歴史書に記されるのではないかと。
 
 
 
コメントありがとうございます。 (御家人)
2005-09-28 09:58:07
>>aquarellisuteさん

これは胡錦涛派とかアンチ胡錦涛派という以前の問題で、地元の開発欲求をいつも押さえ込む中央政府に対する怨念の発露だと思います。あとは副業に待ったがかかってムカついたというところでしょう。中央は全体をみなければなりませんし投入資源も限られていますから地方政府の暴走を戒めるのは当然のことですけど、地元にとっては不満が残る、と。もちろんそればかりではないでしょうけど、対立軸は基本的に「中央vs地方」だと思います。それにしてもこんなにわかりやすい造反劇を目の当たりにするのはさすがに初めてです。



>>CatSit1さん

中央の求心力が弱まると各地方政府が勝手なことをやり出すので見ている分には面白いですね。経済が過熱の方向へ向かえば重複投資や資源争奪戦なんかも起きて、諸侯経済色が強くなっていきます。そこから分裂に向かうかどうかはお楽しみ。先進国にとっての収奪でいうと、案外バラけてしまった方がいい狩り場になるかも知れません。ただ核の管理をはじめとした安全保障の問題が出てきますけど。多国籍軍常駐とかになったりして(笑)。兵器売り込みには是非日本も参加させてもらいましょう。



>>暇人さん

いまの中共政権が歴代王朝と異なる点は、外資依存度が極めて高いことです。要するに外資がないと生きていけない訳ですが、翻って考えれば外資は人質のようなものでもあり、崩壊されてしまうと困るという話にもなりかねません。崩れるなら最初にドカーンと派手にやってもらって、日本が渡航延期勧告を出すような状況(欧米には帰国命令)にならないと駄目ですね。それに人権絡みでないと欧米は商売を優先するでしょう。1989年の天安門事件と同じような事態が起きれば、と思います。いまなら都市暴動でしょうか。一発芸的なものでも規模が大きければ軍隊を出さざるを得ないでしょう。あるいは中国肺炎(SARS)より強力な伝染病の蔓延の方が可能性が高いかも知れませんね。

 
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