日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 だから
余計な話はするなとあれほど……。orz



 ●謝長廷訪日、ローゼン蠢動、MD実験成功…中国が「台湾」でピリピリ?(2007/12/19)

 とりあえずいえることは、福田首相訪中に際して神経質になった軍部が胡錦涛政権にあれこれ口出しをしてくるかも知れない、ということです。毎度毎度のことではありますが、台湾問題について中国の主張に同調するよう求めてくるのはお約束として、その姿勢がより強いものになるかも知れません。なるかどうかは胡錦涛の指導力次第でしょう。

 日本としてはこれまで公式文書で再三表明しているように、台湾に対する立場は「日中共同声明」に依拠している、ということになります。露骨にいえば、

「中国側が『台湾は中国の一部』と主張しているのは承知しているが、日本はそれを正式には承認しない」

 というものです。

 今月(12月)初めの高村外相訪中時にも日本側はこの立場を改めて表明しています。ただ台湾問題に対する中国のピリピリ感は当時に比べてかなり高まっているものと思われます。福田首相にはこれまで通り、

 ●日本側の立場は『日中共同声明』にある通りだ。
 ●台湾海峡をはさむ双方のいずれもが一方的に現状を改変しようとすることに反対する(=中国が動くのもダメ)。
 ●台湾独立を支持しない(=反対もしない)。

 という姿勢を明確に示してもらいたいところです。



 ……と、このあたりを案じていたらフフン♪は期待に違わず本領発揮。



 ●日中首脳会談:首相が胡国家主席と会談 互恵協力を推進(毎日新聞 2007/12/29/01:00)
 http://mainichi.jp/select/today/news/20071229k0000m010124000c.html

 (前略)
温家宝首相との共同記者会見で、福田首相は台湾の国連加盟に関する住民投票について「(中台間の)一方的な現状変更につながっていくなら支持できない。『二つの中国』または『一つの中国、一つの台湾』という立場はとっていないし、台湾の独立は支持していない」と明言した。

 「台湾の独立を支持しない」という方針自体は、安倍晋三前首相も4月の温首相との会談で表明しているが、
福田首相はこれより踏み込んだ表現で中国の立場に支持を表明した。

 ――――

 ●ガス田「進展確認」、主席来日時を念頭 日中首脳会談(asahi.com 2007/12/29/03:06)
 http://www.asahi.com/politics/update/1228/TKY200712280329.html

 (前略)
福田首相と温首相との会談では、ガス田の共同開発について、「新たな共通認識」として4項目を確認。「国際法にのっとり、早期に解決策について合意を目指す」との文言が盛り込まれた。外務省幹部は「(両国の)法的立場はあるが、それを害さない形で国際法にのっとった解決はどういうものがあるかについて話し合われた」と述べた。

 
(中略)国連加盟の是非を問う住民投票を予定している台湾問題については、温首相が会談で「歴史と台湾問題は日中関係の政治的基礎。住民投票の動きは地域の安定を脅かすものだ」と懸念を表明。福田首相は「投票をめぐって緊張が高まるようなことは望んでいない。一方的な現状変更につながるのであれば支持できない」と語り、住民投票に初めて不支持の立場を示した。



 誰が台湾の住民投票のことまで話せと?東シナ海ガス田問題についての「新たな共通認識」に対する見返り?それとも「新幹線を大量発注」という中国側からの有難迷惑なお土産への返礼?拉致問題では何の進展もなかったようですし。

 あーあ。

 台湾問題は従来通り、

「台湾について、日本の立場は日中共同声明にある通りであり、台湾の独立を支持しない」

 でよかったのではないでしょうか。
中国最大の痛点なんですから、今まで通りのスタンスを維持しておけば今後いいカードになるかも知れないのに。

 頼まれもしないのに
「首相在任中は靖国神社に参拝しません」と言ったのと同じですね。

 台湾問題については、日本も中国も「日中共同声明にある通り」で何の不足もないでしょう。日中双方がひとつの約定をそれぞれの解釈で根拠にしておけばOK。中国側は「台湾は中国の一部」と主張しているのに対し、日本はそれを承知してはいるものの、「一つの中国」と違って正式に承認してはいないのですから。

 ――――

 日本は台湾を「中国の一部」と正式に認めていないので、「台湾独立を支持しない」でいいのです。「中国の一部」でない以上、「中国からの台湾独立」という事態は起こり得ることのない虚構にすぎません。それでも中国が執拗なため「支持しない」としてはいますが、
「支持しない=反対もしない」という理屈が成立します。

 中国にとっては痛点であるために台湾問題のこの点には非常に神経質で、今年(2007年)4月に温家宝・首相が来日した際も、
「台湾独立に反対する」という文言を共同プレス発表に盛り込めと日本側にしつこく迫りました。これに対し安倍晋三・首相(当時)は、

「それなら共同プレス発表は出さなくてもいい」

 と、ピシャリ。結局は中国側が折れて、

「台湾について、日本の立場は日中共同声明にあるとおりであり、台湾の独立を支持しない」

 という、小泉政権時代にも用いられている使い古された文言そのままで決着したのです。

 温家宝はよほど悔しかったのでしょう。その後行われた日本の国会での演説、その予定稿では日本に言及する部分が台湾問題の分量よりも少なかったうえ、本番ではその少ししかない日本に関する部分の半分を読み落としました。あれは絶対に故意。

 ●【温家宝来日】戦略的互恵関係って何それ?(2007/04/12)
 ●【温家宝来日】言いたい放題やりたい放題!それでも日本は拍手喝采。orz(2007/04/13)
 ●【温家宝離日】まず塩をまく。それからちょっとだけ考える。(2007/04/14)

 ――――

 この
「台湾について、日本の立場は日中共同声明にあるとおりであり、台湾の独立を支持しない」という言い回しは上述した通り「支持しない=反対もしない」ですし、日本側の解釈では中国の一部ではないのですから「台湾独立」というのは全くの絵空事となります。

 ところが、
「台湾の国連加盟」「台湾が国連加盟の是非を問う住民投票を行う」というのは「中国からの台湾独立」とはまるで性質が違います。日本とは国交のない台湾という地域での具体的なアクションであり、絵空事ではありません。なぜそれについて支持するしないを言明しなければいけないのでしょう?

 今回の福田康夫・首相の訪中に際しても、中国側はこの点で執拗に「台湾独立に反対」とするよう日本側に強く求めたことでしょう。安倍前首相や麻生太郎・元外相と違って外交戦略に独自の明確なビジョンを用意していない福田首相は、安倍前首相ほどこの点に強いこだわりを持っていなかったのかも知れません。

 惜しい、というよりこれは失策。戦略不在は媚中派よりも始末が悪いものです。

 ただし、福田首相もそれなりに粘った形跡はあります。

「一方的な現状変更につながっていくなら支持できない」

 と、「支持できない」の前が仮定形であり、「一方的な現状変更につながるなら」と条件付きだからです。

 そして、福田首相が妥結したこの結果について、中国側は納得できず、不満の残る内容だったようです。国営通信社・新華社の報道をみてみましょう。


「下」に続く)


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